近年はDAWソフトでDTMを行う方も増えてきましたので、楽器を演奏しない方もエフェクターを操作する機会を多くなりました。
そして楽器を演奏している方は普段、使用するエフェクター以外の使用方法は意外と分からないことも多いと思います。
エフェクターは感覚で操作するだけでは、上手く音作りができませんので「どのノブを操作すれば、どんな効果が出るかを理解する」ことが非常に大切です。
この記事はギター/ベース/シンセ/DTMをしている初心者から上級者まで対応した、エフェクターの機能と効果一覧になりますので是非、活用してみて下さい。
エフェクターの種類
まずは、エフェクターの種類と効果を、表を用いて簡単に説明していきます。
種類 | 主なエフェクター | 効果 |
歪み系 | オーバードライブ、ディストーション、ファズ | 音を歪ませる。 |
モジュレーション系 | コーラス、フランジャー、フェイザー | 音を揺らす。 |
空間系 | ディレイ、リバーヴ | 残響音を加える。 |
フィルター系 | イコライザー、ワウ | 周波数帯を調節する。 |
ピッチシフト系 | オクターバー、ピッチシフター、ワーミー | 音程を変化させる。 |
その他 | コンプレッサー、リミッター | 音の粒を揃える。 |
エフェクターの種類と効果は以上の通りです。
続いては各エフェクターの種類や基本機能と効果を詳しく解説していきます。
歪み系エフェクターの種類と効果
歪み系エフェクターは大きく分けてオーバードライブ、ディストーション、ファズの3種類があり、この3種類は歪みの質が全く違います。
オーバードライブ | 温かみのあるマイルドな歪み。 |
ディストーション | 荒々しく激しい歪み。 |
ファズ | 過激な歪みでありながら、モデルによりマイルドな音質のものや、荒々しい音質のものがある。 |
歪み系エフェクターの基本機能と効果
歪み系エフェクターは基本的に「Gain」、「Tone」、「Level」といったノブが搭載されています。
Gain | 歪みの量を調節する機能。 |
Tone | 「数値を上げれば明るい音」になり「数値を下げれば太い音」なる。 |
Level | 「ボリューム」と同じで「音量を調節」するための機能。 |
各ノブの名称はモデルにより異なる場合がありますが、基本的に効果は同じものです。
また「イコライザー」を搭載しているモデルもあります。
モジュレーション系エフェクターの種類と効果
モジュレーション系エフェクターは「音を揺らす効果」があり、代表的なものはコーラス、フランジャー、フェイザーです。
コーラス | 原音とほぼ同じ人工音を作り、厚みと立体感を出す。 |
フランジャー | 金属的な音質。音にウネリを加える。 |
フェイザ- | マイルドな音質。音にウネリを加える。 |
トレモロ | 周期的な音量が上下に揺れる効果。独特の残響感を出す。 |
コーラスの基本機能と効果
Depth | エフェクトの効き具合の調節。 |
Rate | 音が揺れるスピードの調節。 |
Level | 原音とエフェクト音を混ぜる量を調節。 |
コーラスの基本機能と効果はこの3つになります。
フランジャーの基本機能と効果
Rate/Speed | 揺れの速さを調節。 |
Depth | 揺れの深さを調節。 |
Level | 原音とエフェクト音を混ぜる量を調節。 |
Delay Time/Manual | エフェクト音の高さを調節。 |
Feedback/Peak | 揺れの種類の調節。 |
以上の5つがフランジャーの基本機能と効果です。
フェイザーの基本機能と効果
Rate/Speed | エフェクト音のウネリを調節。 |
Depth | エフェクト音の深さを調節。 |
Feedback | エフェクト音の変化を調節。 |
Mix | 原音とエフェクト音を混ぜる量を調節。 |
以上の4つがフェイザーの基本機能と効果です。
フェイザーはフランジャーと音が似ていますが異なる部分は音質で「金属的な音質のフランジャー」に比べ「フェイザーはマイルドな音質」なのが特徴です。
トレモロの基本機能と効果
Rate/Speed | 音の周期の速さを調節。 |
Depth/Width | 音が変化する音量を調節。 |
Wave/Shape | エフェクトの効き具合を調節。 |
以上がトレモロの基本機能と効果です。
空間系エフェクターの種類と効果
代表的な空間系エフェクターには「リバーヴ」や「ディレイ」があります。
リバーヴ | カラオケのエコーのような効果。広いホールで演奏しているような残響音を得ることも可能。 |
ディレイ | 実際の音に少し遅れたエフェクト音を混ぜることで「やまびこ」のような効果を得ることが可能。 |
リバーヴの基本機能と効果
Pre Delay | 音の信号が入ってから残響が鳴り始めるまでの時間を調節。 |
Reverb Time | 実際に残響が鳴っている時間を調節。 |
Reverb Type | リバーブの種類を選択。 |
Reverb Level | 原音に残響音を送る量を調節。 |
以上がリバーヴの基本機能と効果ですが、リバーブは深くかけ過ぎると音の輪郭が無くなりますので注意が必要です。
ディレイの基本機能と効果
Level | ディレイ音の音量を調節。 |
Time | 原音が鳴ってからディレイ音が返ってくるまでの時間を調節。 |
Feedback | ディレイ音が繰り返す回数を調節。 |
Mode | ディレイの種類や効果を切り替える。 |
基本機能と効果は以上の通りです。
ディレイもリバーブと同様に深くかけ過ぎると音の輪郭が無くなり、更に音痩せしてしまうので注意が必要です。
フィルター系エフェクターの種類と効果
代表的なフィルター系エフェクターにはイコライザー、ワウ、ノイズゲートがあります。
イコライザー | 特定の周波数帯をブーストやまたはカット。 |
ワウ | 周波数の大小をペダルを上下げさせトリッキーな音を出す。 |
ノイズゲート | 不要なノイズをカット。 |
イコライザーの基本機能と効果
Bass(低音周波数帯) | 100Hz、200Hz。音の鳴りを調節。 |
Middle(中音周波数帯) | 400Hz 、800kZ。音の太さや粘りを調節 |
Treble/Presence(高音周波数帯) | 1.6kHz 、3.2kHz、6.4kHz。音全体のアタック感、音抜けを調節。 |
以上がイコライザーの基本機能と効果になります。
ワウの基本機能と効果
Decay | エフェクトが変化する時間を調節。 |
Manual | 周波数を調節。 |
Sens | 入力レベルに対するワウのかかり具合を調節。 |
Mode | ワウの種類の選択。 |
こちらは「オートワウ」の基本機能と効果です。
ペダルを操作するワウは基本的に表のような調節ノブは搭載されていません。ノブが搭載されている場合は「Sens」と「Mode」のみで、他の機能はペダルを上下させてコントロールします。
ノイズゲートの基本機能と効果
Threshold | ゲートを通す音量レベルを設定。 |
Attack | 入力された信号がTHRESHOLDを越えてカットされる際の「立ち上がりスピード」を調節。 |
Release | 「カットが始まってから無音になるまでのスピード」を調節。 |
Hold | 入力された音声信号がTHRESHOLDの値を超えた際、「音のレベルに関係なくゲートが開く時間」を設定。 |
以上がノイズゲートの基本機能と効果です。
音の切れ際が不自然にならないように設定するのがポイントです。
ピッチシフト系エフェクターの種類と効果
オクターバー、ピッチシフター、ワーミーが代表的なフィルター系エフェクトになります。
オクターバー | 原音に対し1オクターブまたは2オクターブ下のサウンドを重ねて出力。 |
ピッチシフター | 音程を変化させるエフェクター。入力した音に対して、3度上、5度下、8度(オクターブ)上といった音を重ねることが可能。 |
ワーミー | ペダルの踏み具合によって音程を変化。 |
フィルター系エフェクターの基本機能と効果
これらのエフェクターのノブの名称はモデルによって全く異なります。
- 原音に重ねる音程の選択。
- 原音に重ねる音程の音量を調節。
- 原音と重ねた音程の混ぜ具合の調節。
ノブの名称は異なるものの、基本的なノブの効果は以上の3つになります。
ワーミーに関してはペダルを踏み込むことで、音程を上下させることが可能です。
コンプレッサー/リミッターの機能と効果
コンプレッサーとリミッターは非常に似たエフェクトです。
コンプレッサー | 小さい音を持ち上げ、大きな音を抑えることで音のツブを揃える。 |
リミッター | 小さい音はそのままで、大きい音のみを抑える。 |
コンプレッサーの基本機能と効果
Threshold | どの音量以上で圧縮を行うかを決める。 |
Attack | 圧縮が開始されるまでの時間。 |
Release | 圧縮されている時間を調節。 |
Ratio | 圧縮の度合いを調節。 |
Gain/Level | 圧縮で失われた音量を回復するための音量調節。 |
以上がコンプレッサーの代表的な機能です。
リミッターの基本機能と効果
Threshold | どの音量以上で圧縮を行うかを決める。 |
Ratio | 圧縮の度合いを調節。 |
Gain/Level | 圧縮で失われた音量を回復するための音量調節。 |
Enhance | 音抜けを良くし、音の輪郭を出す。 |
以上がリミッターの基本機能と効果です。
まとめ
エフェクターの種類や基本機能と効果を解説してきましたが、音質や効き具合はモデルによって全く異なりますので今回、紹介した基本機能を目安にして音を聴きながら調節するようにして下さい。
各エフェクターの基本機能と効果の一覧表を参考にすれば、初心者でも上手く音作りをすることができると思います。
この記事をエフェクターの音作りの参考にしてみて下さい。