MXRに限らずコンパクト・エフェクターを改造する場合は、オーバードライブを改造することが殆どだと思います。
また、特にコンパクト・エフェクターはサウンドはもちろんのこと、スイッチやノブやジャック等の耐久性も非常に重要なパーツになります。
ここではMXRのオーバードライブ全般のサウンドを変える簡単な改造方法や修理方法、耐久性を上げるための方法を解説していきます。
まずはサウンドを変えるための基礎知識から始めます。
MXR エフェクターのサウンドを変えるための基礎知識
コンパクト・エフェクターの内部は基盤に様々なパーツが付いていますが、サウンドに大きく影響するパーツは「オペアンプ」と「配線」になります。
アペアンプを変える方法
このオペアンプは電気店で数百円から販売されていますが、非常に多くの種類があります。
これを元々、装着されていた場所からハンダで外し、取り付けるだけでサウンドは激変します。
しかし、エフェクターの回路との相性がありますので、どのオペアンプを付ければどんなサウンドが出るとは言い切れません。沢山のオペアンプを試しながら好みのサウンドを見付けるしか方法はありません。
理想としているサウンドが鳴るエフェクターと同じオペアンプを装着したとしても、元々の回路との相性が悪ければ、意図したサウンドが鳴らない場合が殆どです。
配線を変える方法
エフェクター内部には写真にある通り沢山の配線があります。
多くのエフェクターの配線(カスタムモデルは別です)はコスト削減のために、安くて細い耐久性の低い配線が使用されています。
この配線を太さがあり、コーティングされたものに変更するとサウンドの劣化が防止できクリアでハリのあるサウンドになります。
- オペアンプを変更するのが簡単にサウンドを変える改造方法。
- オペアンプとエフェクターの相性があるのでどのようなサウンドが出るかは不明。
- 好みのサウンドがなるオペアンプを探す。
- 配線を良いものに変更するとサウンドがクリアになり劣化も防止できる。
サウンドを変える改造は、オペアンプを取りつけてサウンドチェックを行うという作業の繰り返しなりますが、好みのサウンドが鳴るものが見付かるまで気長に作業を繰り返してみて下さい。
続いては電源が入らないトラブルやノイズへの対策方法を解説します。
MXR エフェクター電源が入らない、ノイズが出る場合の対策方法
ます、電源が入らない場合はACアダプターの接続確認と、電池を使用している場合は電池の交換を行って下さい。
接続と電池の確認をしても電源が入らない場合はエフェクターの故障です。
よくある故障の原因
電源が入らないトラブルは、エフェクター内部の何かしらのパーツが故障している場合が殆どです。配線、コンデンサー、オペアンプなどのパーツは時間の経過とともに劣化していきますのでいつかは必ず故障します。
また、ACアダプターを抜き差しすることで、ジャックが消耗して接触不良の場合もあります。
自分で直すことも可能ですが、専門的な知識と技術が必要な上に、慎重に行わないと本来は壊れていなかったパーツまで破損(基盤を焦がすなど)することも、よくあります。できれば楽器店のリペアマンに修理をお願いするようにして下さい。
ノイズの原因と対策
ノイズの原因は、エフェクター内部のパーツの劣化、TVやインターネットなどの電波によるもの、マルチタップ(タコ足配線)から電源を取っているなど、様々なものが考えられます。
僅かなノイズはTVやインターネットなどの電波を拾っているものですが、それ以外の場合の殆どが内部のパーツの劣化になります。
修理するには基盤、配線、コンデンサーなどを用意してノイズが消えるまで修理を繰り返す必要があります。こちらも専門的な知識と技術が必要ですので楽器店のリペアマンに修理をお願いする方が良いと思います。
続いてはエフェクターの耐久性を上げるための改造方法を紹介します。
MXR エフェクターの耐久性を上げる改造方法
既に解説しましたがエフェクターはサウンドも重要ですが、耐久性も非常に重要です。
例えば、自宅での練習では問題ありませんが、ライブ当日やレコーディングの際にエフェクターが壊れてしまうと、いつものサウンドが鳴らせなくなりますので非常に困ります。
また、エフェクターのスイッチは足で踏んで切り替えますし、ジャックはケーブルの抜き差しで消耗していきますので、使い続ければいつかは必ず壊れてしまします。
そこで、個人的におすすめの簡単に耐久性を上げる改造方法を紹介します。
スイッチやジャックをエフェクター専用のものではなく、MIL規格(ミリタリースペック)と呼ばれるものに変更する方法です。
MIL規格は米軍規格適合品で、戦闘機やロケット等にも使用されており、半永久的に壊れないとも言われているほどの耐久性があります。
非常に耐久性の高いパーツですが数百円から数千円で購入することが可能です。
MIL規格のパーツは「シリコンハウス」から購入可能です。
取り付け方法は元々、ジャックやスイッチが付いていた部分にハンダを使って取り付けるだけですので非常に簡単です。
自分自身も全てのコンパクト・エフェクターのジャックやスイッチをMIL規格のものに変更していますが、変更してから10年経った今でも1度も不具合や故障はありません。
耐久性を上げたいと考えている方は是非、MIL規格のパーツを使用してみて下さい。
自分で取り付けるのに自信が無い方は、楽器店にエフェクターとパーツを持ち込むと数千円で取り付けしてもらうこともできますので、お願いしてみるのも良いでしょう。
まとめ
エフェクターの改造ですが、電機系の専門的な知識が必要ですのでサウンドを変えるのであればオペアンプと配線の変更をする程度にしておくことをおすすめします。
これは経験談ですが、専門的な知識が無いまま見よう見まねで改造すると、間違いなく破損に繋がります。(何台壊したか数えきれません)
基盤を焦がしてしまったり元々、取り付けられていた高価なパーツを破損してしまうと修理ではなく買い替えをしなければいけなくなります。
MXRやDODのカスタムモデルは非常に高価ですが、それは改造の難しさではなく意図したサウンドを出すために、気の遠くなるような作業を繰り返しているからです。
個人的に、改造を楽しみたいのであれば別ですが、サウンドを求めるだけであれば、そのサウンドが鳴るエフェクターを購入する方が良いと思います。
では、エフェクターの改造や修理のまとめに入ります。
- 手軽にサウンドを変えるならオペアンプと配線を替える。
- 電源が入らない場合は接続と電池確認をする。接続と電池に問題がなければリペアマンに修理をお願いする。(または買い換える)
- 耐久性を上げるならMIL規格のスイッチやジャックを取りつける。
- サウンドの向上だけを求めるのであればカスタムモデルを購入するのがおすすめめ。
以上が改造と修理のポイントになります。
理想のサウンドを鳴らすために改造するのは非常に楽しいのですが、慣れないうちはほぼ破損に繋がりますので、中古の安いエフェクターを購入し、改造の練習することから始めると良いと思います。
改造の練習中に本体とパーツの相性が合い、5000円以下の中古品が数万円もするカスタムモデルに匹敵するサウンドを出すこともあります。
では、この記事を改造や修理の参考にしてみて下さい。