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エフェクター

マルチエフェクターBOSS GT-6の徹底レビュー!アンプやエフェクトのサウンドを検証


BOSS GT-6は約20年前のマルチ・エフェクターです。COSM技術(初期のCOSM)が搭載されていますが、現在のCOSMサウンドとはまた違ったものです。

昔のエフェクターなので、発売当時と現在ではサウンドの聴こえ方が全く違います。今回のレビューは今の感覚でGT-6を使用したものになります。

レビューに使用する楽器/機材は以下の通りです。

  • ストラトキャスター(カスタム69を3基搭載)
  • マーシャル JVM410H

BOSS GT-6 COSMアンプのレビュー

レビューの前にCOSMについて簡単に解説します。

COSMとは

COSM(Composite Object Sound Modelling)は、ローランド独自のモデリング技術の名称で、電気回路や構造、素材など音に関するあらゆる要素を研究し組み合わせ再構築する技術です。

このCOSMというデジタル技術で、人気のアンプやエフェクターのサウンドを再現しています。

COSMアンプのサウンド

ローランドのジャズコーラスからマーシャル1959、メサブギー、5150といったハイゲインアンプまでモデリングされています。昔のモデリング技術ですので、どのアンプモデルも初期型POD(再現度80%)よりも再現度は低いです。

再現度が低いので、モデリングしているアンプのサウンドを意識せずに鳴っているサウンドが好みかどうかで判断すると良いと思います。(このような聴き方をするとまた違ったサウンドに聴こえてきます)

JC Cleanのサウンド

太さや音圧や広がりが無く、細くて抜けの悪いサウンドです。元々のサウンドがこのような感じですので、これをEQやエフェクトを使用して調整が必要になります。

GT-6のEQはフラットに設定して、出力するアンプのEQのミドルを上げて音圧と太さを出し、リバーヴで広がりを出すと良いと思います。

※GT-6本体のエフェクトよりも、現在のアンプに搭載されているリバーヴの方が精度が格段に高いです。

MS Stackのサウンド

こちらは大人気のマーシャル1959のアンプをモデリングしていますが、現在のデジタル技術でも1959のサウンドは全く再現できていませんので、当然こちらも似ても似つかないサウンドです。

ゲイン控えめのオーバードライブ・サウンドといった感じで、低音成分が他の周波数帯を邪魔しています。(これは1959のモデリングによくあります)

このモデリングされた1959を限りなく本物に近いサウンドにするには、1959の特徴を知り必要があります。レアなヴィンテージ・アンプですので実際に鳴らしたことのない方が殆どだと思います。

1959のサウンドの特徴は以下の通りです。

  • ゲインのツマミがないので歪まない。
  • 歪ませるにはボリュームをフルにしてチューブ管をフルドライブさせる必要がある。
  • 50wや100wのアンプをフルボリュームにするので大音量になり、その音質は「爆音」というよりも「ウルサイ」感じの音質。
  • 1959に限らず殆どのマーシャル・アンプはボリュームを上げると低音が効く。
  • 弾きにくくトーン・コントロールするのが難しい。

このような特徴を把握した上で音作りをすると良いと思います。

  • ボリュームを上げたらEQのベースを下げる。(ゼロでもOK)
  • マーシャルらしさを出すためにEQのミドルを上げる。(フルでもOK)
  • 他のエフェクターで歪みを加えず、ブースターを使用する。

これらのポイントを1959に近いサウンドにするための参考にして下さい。

A-Fierのサウンド

メサブギーのレクティ・ファイアのモデリングです。

弾き易く整ったサウンドです。弾き易いのですが、ピッキング・ニュアンスが非常に出しにくいです。弾いた音が綺麗に加工されて出力される感じです。

ニュアンスを出すにはゲインを控えめセッティングする必要があります。モデリングアンプの中では1番扱い易いサウンドだと思います。

METAL

ピーヴィーの5150のモデリングです。MS StackとA-Fierの中間のようなサウンドと弾き心地です。

5150のどの機種をモデリングしているのか分かりませんが、ゲインを控えめにセッティングすると5150風のアグレッシヴさが出ると思います。

モデリングアンプの効果的な使い方

アンプから出力するのであれば、クリーンに設定した方が良いです。アンプの歪みとGT-6のモデリングアンプの歪みをミックスさせるのはおすすめできません。

EQに関してはGT-5とアンプのどちらのEQの効きが好みにより使い分けると良いと思いますが、個人的にはアンプ側のEQを使用する方がおすすめです。

BOSS GT-6 エフェクトのサウンド

GT-6からはヴィンテージのオーバードライブとディストーションのモデリング・エフェクトが追加されています。

また、2種類の歪みエフェクターをミックスして使用するカスタム設定も可能です。しかし、これに関しては音が痩せるだけでメリットがありませんので使用しない方が良いと思います。歪みの2段掛けはコンパクト・エフェクターで行うようにして下さい。

歪み系エフェクトのサウンド

オーバードライブのサウンドに関しては、今の感覚で聴いてみるとBOSSのコンパクト・エフェクターらしいサウンドに聴こえます。当時はBOSSらしくないサウンドに聴こえた記憶があります。

出力するアンプでメインのサウンドを作り、そこにオーバードライブ/ディストーションを追加してバランスを取るのがポイントになります。

90%はアンプでサウンドを作り、10%ほどGT-6のサウンドをミックスがおすすめです。

空間系エフェクトのサウンド

マルチエフェクター風のクセはありますが、コンパクト・エフェクターに近いサウンドです。こちらはセンド/リターンに接続して使用すると良いとも思います。

空間系エフェクトに関しては最近のモデルよりも、古いモデルの方がリアルなサウンドですので空間系専用にエフェクト・ボードに組み込むのも良いかもしれません。

サウンドが劣化しますが、この劣化が良い雰囲気を出しています。

ワウのサウンド

クライ・ベイビーやVOXのモデリングが内蔵されています。最近のモデルと比べると、ワウ特有の音の劣化があります。(意図的にモデリングした劣化ではないと思います)

本物のような効きはしませんが、マルチ・エフェクターに内蔵されているワウの中では限りなく本物に近いワウの雰囲気があります。

複数のワウを使用したいギタリストにはおすすめできます。

まとめ

BOSS GT-6は初期のCOSM技術を搭載しているので、最近のモデルとはまた異なるサウンドを出すことができます。

個人的にはCOSMアンプは使用せず(現在のモデルに比べ完成度が低いので)本物のアンプでサウンドを作り、好みのエフェクトを追加する使用方法が良いと思います。

古いモデリング技術ですが、現在のモデルよりもコンパクト・エフェクター風の雰囲気を出すことが可能です。コンパクト・エフェクターのリアルな雰囲気はGT-10やGT-8よりもGT-6の方が再現されています。

  • COSMアンプを使用する場合は出力するアンプはクリーンにセッティング。
  • 歪み系エフェクターはBOSSのコンパクト・エフェクターの雰囲気が出ている。
  • 空間系エフェクトのみをセンド/リターンに接続する使用方法はおすすめ。
  • 複数のワウを使用するのであればGT-6がおすすめ。

以上のポイントをGT-6を使用する際の参考にしてみて下さい。