今回のレビューはギター用マルチ・エフェクター、BOSS GT-1です。
GT-1は現行のGTシリーズでは下位グレードのモデルですが、上位グレードのGT-100と同様に多彩なエフェクトが内蔵されています。
※サウンドはGT-100と全く同じです。
Gt-1はGT-100から不要な機能を排除し、シンプルでコンパクトな設計になっていますので初心者にもおすすめです。
では、GT-1の仕様から始めたいと思います。
BOSS GT-1の仕様
- エフェクト: 108種類
- メモリー: 99(ユーザー)+99(プリセット)
- フレーズ・ループ: 32秒
- 規定入力レベル: INPUT:-10dBu、AUX IN:-20dBu
- 最大入力レベル: INPUT:+7dBu、AUX IN:0dBu
- 入力インピーダンス: INPUT:1MΩ、AUX IN:27kΩ
- 規定出力レベル: OUTPUT(L/MONO、R):-10dBu、PHONES:-10dBu
- 出力インピーダンス: OUTPUT(L/MONO、R):1kΩ、PHONES:44Ω
- 推奨負荷インピーダンス: OUTPUT(L/MONO、R):10kΩ以上、PHONES:44Ω以上
- 接続端子: INPUT端子、OUTPUT(L/MONO、R)端子:標準タイプ
- CTL2, 3/EXP2端子:TRS標準タイプ
- AUX IN端子:ステレオ・ミニ・タイプ
- USB COMPUTER端子:USBタイプB
- DC IN端子
主な仕様は以上の通りです。
上位グレードのモデル(GT-100やGT-1000)は正直、あまり使用しない機能が沢山あります。(中には1度も使用することの無い機能もあります)
しかし、GT-1は使用頻度の低い機能をカットし、リハやライブ向きの仕様になっている印象です。
では、GT-1のサウンド・レビューをしていきます。
BOSS GT-1のサウンド・レビュー
レビューに使用した機材は以下の通りです。
- ストラトキャスター(フロント、リアにHS-3搭載)
- マーシャル JVM410H
歪み系エフェクトのサウンド
クリーン・ブースターやミッド・ブースター、ファズからディストーションまで、一通りのブースターと歪み系エフェクターを内蔵しています。
クリーン・ブースター
クリーン・ブースターというよりもコンプレッサーに近いと思います。
Xoticシリーズのクリーン・ブースターのような効果はありません。本来ブースターは音量が上がり、サウンドも太くなります。
しかし、このクリーン・ブースターは若干、音量が上がり、サウンドが細くなり、コプレッサーを深めに掛けたような耳障りなアタック感が出ます。
このクリーン・ブースターを使用するのであれば、次にレビューするミッド・ブースターのレベルを下げて使用した方が良いと思います。
ミッド・ブースター
DOD250やTSシリーズを、ブースターとして使用した時のサウンドをイメージしているものだと思います。
中域がかなり太くなります。かけ具合に気を付けないとサウンドがボヤけてしまいますので注意が必要です。
レベルを下げればクリーン・ブースターとしても使用可能です。
オーバードライブ系のサウンド
オーバードライブ系ではT-Screamが1番良いと思いました。これはTS-808をイメージしたエフェクトです。
TS-808も年代や生産国によりサウンドに微妙な違いがあります。全てを使用したことがあるわけではありませんので、どのTS-808をイメージしているのか分かりませんが、日本製、台湾製のTS-808には全く似ていません。
TSのサウンドを意識しなければ、これはこれで良いオーバードライブだと思います。
このエフェクトはブースターとして使用することも可能です。
ディストーション系のサウンド
RATの再現度が高く感じました。RATにも種類がありますがサウンドを聴く限りですと、RAT2をイメージしているのだと思います。
サウンド自体の再現度は高いですが、個人的にはフィルターの効き具合まで再現してほしかったなと思います。
ファズ系のサウンド
ファズに関しては構造的にマルチ・エフェクターでは再現不可能ですので、全く使えないサウンドです。
ファズとしては使えませんが、このサウンドが好みかどうかで使用するか判断すると良いと思います。
空間系エフェクトのサウンド
空間系エフェクトに関してはGT-100と同様に、アナログ系のモデリングは全く似ていないサウンドです。アナログ系のエコーはEQとして使用するのが良いかもしれません。
しかし、デジタル系エフェクトのクオリティーは高いと思います。
特にステレオ・ディレイやデジタル・ディレイは広がりのある整ったサウンドですので、このサウンドを使用するためだけにGT-1をセンド/リターンに接続するのも良いと思います。
ロータリー系のサウンドはギターではなくシンセ(ハモンド・オルガンなど)に使用しても面白いと思います。
アンプ・シュミレーターのサウンド
まず、どのモデリングもサウンドの再現度は低いです。やはりアンプ・シュミレーターはLINE6の方がクオリティーが高いです。
サウンドのクオリティーですが、かなり古いアンプ・シュミレーターであるLINE6 POD2にも届いていないサウンドだと思います。例えるのであればPCのプラグイン・シュミレーター「アンプリチューブ」に近いサウンドだと思います。
リハやライブで使用する場合はアンプをクリーンにセッティングするか、モニター・スピーカーからの出力が良いと思います。
やはり1番、効果的に使用できるのはレコーディングです。アンプ・シュミレーターとエフェクトを組み合わせてレコーディングし、DAWで音質調整をする使用方法が効果的だと思います。
その際に、BOSS独特のクセのあるサウンドをどこまで無くすことができるかがポイントになると思います。
ワウのサウンド
クライベイビーやヤンレイのようなサウンドではなく、最近のデジタル系ワウのハイファイなサウンドです。
効き具合も強く、サウンドが非常に整っています。これはこれで使えると思いました。しかし、ミッド・ストップでセッティングすると不自然なサウンドに感じました。
アコースティック・シュミレーターのサウンド
まず、音のレスポンスや立ち上がりが、かなり遅く感じます。更に音も痩せてしまいますので、使用するのであればEQでしっかり音作り(補正)が必要になります。
レスポンスと立ち上がりが悪いとリズムに乗って演奏することができませんので、そこが問題だと思います。
まとめ
BOSS GT-1のレビューをしてきましたが、まとめに入ろうと思います。
特にリハやライブをメインに使用するのであれば、不要な機能をカットしたGT-1が良いと思います。フット・スイッチにLEDが搭載されているので暗いステージでも使い易いです。
- GT-1はリハやライブ向き
- 他のグレードよりも機能が少ないので使い易い
- 歪み系のブースターやディストーション、空間系のデジタル・エフェクトはおすすめ
- アンプ・シュミレーターはレコーディング向き
- レコーディングで使用する場合はBOSS特有のクセを消すのが課題
以上がGT-1の特徴です。
GTシリーズの中では個人的に(価格的にも機能的にも)非常におすすめで、初心者ギタリストにも使い易いモデルだと思います。
このレビューを購入や使用の参考にしてみて下さい。
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