今回レビューするBOSS GT-1000は、現在BOSSから発売されているエフェクターの中で、最もハイクオリティーなマルチ・エフェクターです。
このモデルから導入された「AIRD」という技術が、サウンド面で良い影響になっていると思います。
今回のレビューは以下の楽器/機材で行いました。
- ESP ミラージュ(EMG搭載)
- ESP ベース(EMG搭載)
- マーシャル JVM410H
- モニター・スピーカー
では、BOSS GT-1000の仕様から始めます。
BOSS GT-1000の仕様
- サンプリング周波数:96kHz
- AD変換:32ビット+AF方式 ※AF方式(Adaptive Focus method)はADコンバーターのSN比を飛躍的に向上させるローランド/ボス独自の方式です
- DA変換:32ビット
- エフェクト・タイプ:126種類
- メモリー:250(ユーザー)+250(プリセット)
- フレーズ・ループ:38秒
- エクスプレッション・ペダル
大まかな仕様は以上のようになっています。
そして、ポイントは「AIRD(Augmented Impulse Response Dynamics:エアード)」という新技術です。
これは真空管アンプの挙動を徹底的に解析したことから生まれたTube Logicをもとにした技術です。
各種真空管やバイアス回路、アウトプット・トランス、キャビネットといったコンポーネンツの個性だけでなく、例えばスピーカーの動的な抵抗値変化がアンプへ与える影響など、それらが相互作用したときのサウンドの変化までを忠実に再現したものです。
更に、ラインやヘッドフォン、各種アンプなど出力環境を選択することで、特性やレスポンスを最適に設定してくれる(AIRD OUTPUT SELECT機能)も搭載されています。
では、BOSS GT-1000のレビューをしていきます。
BOSS GT-1000のレビュー
まずは、最新技術「AIRD」のアンプ・サウンドのレビューを始めていきたいと思います。
AIRD Preampのサウンド
結論から先に言ってしまいますが「本物のアンプに限りなく近いサウンド」を出すことができます。
まず、ミュートで低音弦を弾いた時のローエンドが凄く自然です。この自然なニュアンスがどのメーカーのアンプ・シュミレーターも、上手く再現できていませんでした。
GT-1000も完全再現とは言えませんが、これ以上に本物に近いローエンド感は今までになかったように思えます。
ヘッドフォンやモニター・スピーカー、アンプにつなぐなど、聴く環境によってロー・エンドの切れ方、減衰の仕方は変わってしまいます。しかし、GT-1000にはアウトプット先を選択できるパラメーターがあり、ライン出力はもちろん、コンボ・アンプでも実際の機種ごとに出力を調整が可能です。
これにより、どのような環境でも同じサウンド、同じニュアンスが再現できます。この機能は素晴らしいと思いました。
また、AIRD Preampにはベース用のアンプも内蔵されているのでベースにも使用可能になっています。試しにベースを接続してみましたがPOD X3のベースアンプ・シュミレーターに近いサウンドだと思いました。
- AIRDの導入で本物のアンプに限りなく近いサウンドが出る。
- アンプ・シュミレーター特有のローエンドの不自然さが全くと言って良いほど無い。
- リハやライブ、レコーディングでも使用可能なハイクオリティーなサウンド。
歪み系エフェクトのサウンド
BOSS GT-1やGT-100と全くエフェクトが内蔵されています。サンプリング・レートの違いの影響だと思いますが、GT-1やGT-100に比べると非常にクリアなサウンドになっています。
GT-1やGT-100の場合はエフェクトを使用するにあたり、多少は妥協しなければいけない部分もありました。
しかし、GT-1000はAIRDと組み合わせることでクオリティーの高いサウンドを出すことができます。
アンプをクリーンにセッティングしてAIRDとエフェクトを併用して作るサウンドは、これはこれで良いと思います。
おすすめは好みもありますが他のグレードと同様にT-Scream、RAT、OD-1です。Fuzz系は回路の違いがあるので仕方ありませんが、再現度は低いです。
- サンプリング・レートの影響で他のグレードよりもハイクオリティーなサウンド。
- AIRDと組み合わせて使用するのがおすすめ。
- FUZZ系に関してはサンプリング・レートの関係か再現度は低い。
- リハやライブ、レコーディングでも使用できるサウンド。
空間系エフェクトのサウンド
こちらも他のグレードと同様にアナログ系エフェクトは再現度が低いです。
サンプリング・レートの関係でハイファイになっているので余計にモデリングしている、エフェクターとは程遠いサウンドになっています。
かかり具合が分からないレベルにセッティングしてEQ的に使用したり、雰囲気のみを追加する使用方法が良いと思います。
デジタル系は他のグレードよりも、更に進化した印象です。BOSS DD-5のモデリングは非常に再現度が高く、本物よりも良いと思います。
空間系のみを使用する場合はセンド/リターンに接続する方法がおすすめです。DD-5を使用するために、GT-1000をエフェクト・システムに追加するのも良いと思います。
- サンプリング・レートの関係でFUZZ同様のアナログ感が無い。
- アナログ系エフェクトはEQに代用可能。
- BOSS DD-5の再現度が非常に高い。
- 空間系のみの仕様であればアンプのセンド/リターンに接続がおすすめ。
その他のエフェクト
アコースティック・シュミレーター
GT-1やGT-100で非常に気になった、音のレスポンスや立ち上がり、音痩せは改善されています。アコギのサウンドそのままではありませんが、ハイファイなアコギのサウンドを出すことが可能です。
ワウ
デジタル・ワウ・サウンドですのでクライベイビーやヤンレイのようなサウンドは出せませんし、それらをミッド・ストップさせたサウンドも出せません。
※ミッド・ストップさせると本来は太いサウンドになりますが、GT-1000は細いです。
ワウの効きは強めですので、好みが分かれると思います。
個人的にワウに関しては、ギア調整した機能の開発や、ミッド・ストップ・サウンドを出すシステムに期待しています。
コンプレッサー
様々な種類のコンプレッサーが内蔵されていますが、線が細くアタックが強く感じました。
個人的にこのコンプレッサーはクリーン・サウンドのギターにかけるよりも、ナイロン弦を張ったアコギに強めにかける方が好みです。
※初心者の方は歪みサウンドにコンプレッサーはかけないようにして下さい。ギター、アンプ、エフェクト全てのサウンドに影響を及ぼし、サウンドが台無しになります。
まとめ
では、BOSS GT-1000のまとめに入ろうと思います。
GT-1000に導入された「AIRD」の技術は本当に素晴らしいと思います。
これはPODでは作ることのできない独特のサウンドなので「AIRD」のためにGT-1000を購入しても損はしないと思います。
また、フットスイッチの強度が上がり耐久性が増したのもポイントです。今までのモデルのフット・スイッチは耐久性があるとは言えませんでした。
※スイッチの耐久性もエフェクター選びの重要なポイントです。
GT-1000はリハやライブ、レコーディングとオールマイティーに使用可能なマルチエフェクターだと思いますし、操作が非常に簡単ですので初心者にもおすすめできます。
このレビューをGT-1000の購入や使用の参考にしてみて下さい。
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