近年、DTMで音楽制作を行う際に使用するDAWソフトが低価格化されています。
有償版の最上位グレードのソフトでも約3万円ほどで購入が可能です。数年前、この価格ではエントリーモデルしか購入できませんでした。
中には機能制限はあるものの、有償ソフトと変わらないクオリティーの無償ソフトもフリーダウンロードが可能になっています。
今回は各メーカーのDAWソフトを比較しながら、初心者におすすめの2020年最新版のDAWソフトを紹介していきます。
まずは、DAWソフトを購入するため基礎知識から始めます。
【DTM】DAWソフトを購入するための基礎知識【2020年版】
まずは、これからDAWソフトを購入して、DTMを始める初心者の方が知っておくと便利なポイントをいくつか解説します。
1. PCのスペックの確認
DAWソフトには「Windows/Mac対応」と「Windows専用」、「Mac専用」のものがあります。
※Windows専用のDAWソフトをMacで使用することはできませんので注意して下さい。
それから、DAWソフトを動かすには指定された最低システム条件を満たしている必要がありますが、CPU4G以上あれば問題なく使用することができます。
2. 音楽ジャンルに合せてDAWソフトを選ぶ
ソフトにより「ロック専用」や「クラブ・ミュージック専用」と分かれているわけではなく、どのソフトもオールマイティーなジャンルに対応しています。
しかし、中には「EDM」などの「クラブ・ミュージック系」のサウンドに力を入れているソフトもあります。(後程、紹介します)
クラブ・ミュージック系と言うと「EDM」や「トランス」をイメージする方が多いと思いますが、最近の「J-POP」も使用しているサウンド自体は「クラブ・ミュージック系」ななので「J-POP系」の音楽を制作する方は、ジャンルに合ったDAWソフトを選ぶと良いと思います。
- DAWソフトを購入する際は、PCのスペックを必ず確認すること。
- 最低システム条件がCPU4G以上あれば、どのソフトも問題なく動作可能。
- 制作するジャンルに合ったDAWソフトを選ぶ。
DTM初心者がDAWソフトを買い替える場合
既に無償版DAWソフトや、低価格のエントリーモデルを使用している初心者の方が他のグレードに買い替える際のポイントを解説します。
現在、使用中のDAWソフトをアンインストールし、新しいソフトをインストールする方法もありますが、最近はクロスグレード版というものが販売されています。
クロスグレード版とは
クロスグレード版は指定された対象ソフトを使用している方は、新規購入価格よりも格安で有償版のソフトを購入できるシステムです。(後程、詳しく解説します)
※指定された対象ソフトは各メーカーにより異なりますので確認が必要です。
- 有償版に買い替える際はクロスグレード版を活用し格安で購入する。
- クロスグレード対象ソフトを必ずチェックしてから購入する。
- 対象ソフト以外でもOKの場合がある。(保証はできません)
続いては、DTM初心者におすすめのDAWソフトを紹介していきます。
DTM初心者におすすめのDAWソフト比較表
まずは、初心者におすすめのDAWソフトの特徴を、比較表を用いて解説していきます。
※最低システム条件は全てCPU4G以上になります。
Sound One | Ableton | Fl Studio | Logic Pro | Cubase | |
対応PC | Windows/Mac | Windows/Mac | Windows/Mac | Macのみ | Windows/Mac |
クロスグレード版 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
無償版 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
特徴 | 操作が簡単 | クラブ系サウンド | クラブ系サウンド/永久無償アップデート可能 | クラブ系サウンド | 操作が簡単 |
初心者におすすめのメーカーとDAWソフトの特徴は以上の通りです。
※Mac専用のLogic Proに関しては楽器店での販売はしておらず、アップルストアからのみダウンロード購入が可能です。
そして、これらのメーカーのDAWソフトは、いくつかのグレードに分かれています。
続いては初心者におすすめのDAWソフト5選を紹介します。
【DTM】初心者おすすめDAWソフト5選【2020年版】
これからDTMを始める初心者や、既に無償版やエントリーモデルを使用している方が新しいソフトに買い替える際に、おすすめのDAWソフトを紹介していきます。
Logic Pro X
Logic Pro XはMacユーザーにおすすめのDAWソフトです。
※このソフトはMac専用です。
先日、大規模アップデートが行われサウンドも機能も大幅に改善されました。詳細は「Logic Pro X 10.5アップデート!追加された新機能と新規購入方法も詳しく解説!」をご覧下さい。
※他社製品へ乗り換えするクロスグレードはありますが、Logicへ乗り換えするクロスグレードはありません。
Studio One 4 Artist
Studio One 4 ArtistはStudio Oneシリーズの中で初心者~中級者向けのグレードです。サウンド自体は上位グレードのものと変わりありません。
アカデミック版やクロスグレード版も販売されています。
クロスグレード方法については
「Studio Oneアップグレード/バージョンアップ方法!新規購入とクロスグレードについても詳しく解説!」をご覧下さい。
Protoolsユーザーが他社製品に乗り換える場合はStuido Oneがおすすめです。
Cubase Artist
Cubase Artistは他の同等のグレードより若干、価格が高めですが、どんなジャンルにもオールマイティーに対応しています。
こちらもアカデミック版やクロスグレード版が販売されていますので、購入の際は活用してみて下さい。
Ableton Live 10 Standard
Ableton Live 10 StandardはLogic Pro XをしたいけれどMacを持っていない方におすすめのDAWソフトです。
このソフトはクオリティーの高いクラブ系サウンドのプラグインが豊富に内蔵されているのが特徴です。
また、アカデミック版やクロスグレード版も販売されています。
詳細は
「【Ableton Live】Lite/Intro/Standard/Suiteを比較!違いと選び方も詳しく」を参考にしてみて下さい。
FL STUDIO 20 Producer
FL STUDIO 20 ProducerはAbletonと似たタイプのDAWソフトで、こちらもクラブ系サウンドのプラグイン豊富に内蔵されています。
このソフトは永久無償アップデートが可能ですのでおすすめです。
アカデミック版やクロスグレード版も販売されているので活用してみて下さい。
番外編
DAWソフトの記事でProtoolsの話題に全く触れていないことに気付いた方もいらっしゃるかと思います。
ProtoolsはどのDAWソフトよりもハイクオリティーですが、最近は購入システムやアップデートシステムが複雑かつ維持費がかかるようになってしまいました。
自分自身もそうですが、このシステムに不満を感じ他社製品に乗り換えたユーザーが沢山います。
もし、Protoolsの購入を検討中の方は、こちらの記事
「Protools 購入方法と年間アップグレードプラン更新について!アカデミック版やUltimateとの違いも詳しく解説!」をよく確認してから購入するようにして下さい。
以前は、非常にクオリティーの高いDAWソフトでしたのでProtoolsをおすすめしていました。
しかし、システムが複雑になってからは維持費よりも、音楽制作の障害になる問題が非常に多いので今はおすすめはしていません。
まとめ
では、初心者におすすめのDAWソフトのまとめにはいります。
おすすめ5選で紹介した中でも特におすすめは「Stuido Oneシリーズ」と「FL STUDIOシリーズ」です。
ロックなどを制作するのであればStudio One、ポップスやクラブ系ミュージックを制作するのであればFL STUDIOが良いと思います。Windows/Mac両方に対応していますし、ソフトのクオリティーも非常に高いです。
既に解説しましたが購入の際は、アカデミック版やクロスグレード版を活用するようにして下さい。
また、クロスグレードは指定された対象ソフトのみが対応していますが、対象外のソフトを使用している場合は1度カスタマーセンターに問い合わせをして、クロスグレードできないかを聞いてみるのも良いと思います。
保証はできませんが、メーカーによっては対象外のソフトでも対応してくれるかもしれません。
この記事をDAWソフト購入、または買い替えの参考にしてみて下さい。