近年、Protoolsは購入方法が非常に複雑になりました。購入しようと思ったけれど、どれを購入していいのか分からない方や、プランが複雑で理解できない方が非常に多いようです。
数年前までは楽器店でソフトウェアを購入するか、インストーラーを購入しパソコンにインストールするのみでしたが、最近は様々なグレードや年間更新プランなどができました。
今回はProtoolsの購入方法や年間アップグレードについて詳しく解説していきます。
まずはProtoolsの購入方法から始めます。
Protoolsの購入方法
Protoolsを新規購入するに2種類のライセンスを選択する必要があります。
- 永続ライセンス版:購入すると購入時の最新版を永続的に使用可能。
- サブスクリプション版:1年限定ライセンスで1年経過すると使用できなくなります。
これら2つのライセンスには「All Access Plan(1年間のアップグレードプラン)」が付いてきます。
All Access Planとは
All Access Planは「購入から1年以内に新しいバージョンが出た場合、無償でアップグレードできる権利」です。
このように1年以内でしたら無償で新しいバージョンを入手することが可能ですが、1年を過ぎてしまう場合もあります。
永続ライセンス版を購入後、1年以上が経過してから最新版がリリースされた場合
永続ライセンス版を購入後、1年以上が経過してしまうと最新版がリリースされても無償で入手することはできません。
この場合、永続ライセンスを使用している方は「アップグレードプラン」を購入すると、安価で最新バージョンにアップグレードできます。
※アップグレードプランを購入しない場合も、永続ライセンスを購入している方は、それまで使用してきたバージョンのPro Toolsは永続的に使用できます。
サブスクリプション版の注意点
サブスクリプション版を使用している方も、購入後1年以内に最新版がリリースされた場合は無償で入手可能です。
しかし、購入後1年が経過するとProtools自体が使用できなくなります。
サブスクリプション版を継続使用する場合は、ライセンスの継続購入(サブスクリプション版の継続購入)が必要になります。
- Protoolsを新規購入する際は「永続ライセンス」と「サブスクリプション」のどちらかの「ライセンス」を選択する。
- 「永続ライセンス版」は購入時のProtoolsを永続使用することが可能。
- 「サブスクリプション版」は1年が経過すると使用が不可能になる。
- 「オールアクセスプラン」は新規購入後1年以内に最新版がリリースされた場合に無償で入手できるプラン。
- 購入から1年以上、経過してから最新版がリリースされた場合は「アップグレードプラン」を購入すると安価で最新版が購入可能。
続いては、アップグレードプランについて解説していきます。
Protools アップグレードプランについて
「永続ライセンス版」または「サブスクリプション版」の購入後に、追加購入するアップグレードプランは2種類あります。
- Renewal(更新版):「All Access Plan」有効期間内または期限切れから1ヶ月以内のユーザー専用
- Reinstatement(再加入版):ProTools 9以降を使用していて「All Access Plan」の有効期限切れ2ヶ月目以降のユーザー専用
このように「All Access Plan」の有効期限内か、有効期限切れかで購入する製品が異なります。
更新期間の猶予期間について
Renewal(プラン更新)を希望のユーザーは、基本的に有効期限内(前回の登録から1年以内)に購入し登録をすることをおすすめします。
しかし、タイミングを逃してしまったユーザーのために更新の猶予期間が1ヶ月間設けられています。
※この1ヶ月間は、あくまでも購入版を購入できる猶予期間です。特典プラグインは1年を過ぎた時点で使えなくなりますので注意して下さい。
その猶予期間も過ぎてしまった人は、Reinstatement(プラン再加入)の購入となります。
アカデミック版とは
アカデミック版は購入対象は学生または教職員のみとなっており、購入時は必要ありませんが、購入後に学生証または教員証を提示する必要があります。
アカデミック版は通常の半額で購入が可能です。
クロスグレード版とは
永続ライセンスの年間アップグレード権利が終了しているユーザーが対象です。
クロスグレードは永続ライセンス版から、サブスクリプション版(2年間使用可能)にプランを変更するものです。
クロスグレードは無償ではなく、クロスグレード版を購入する必要があります。
続いてはProtoolsの種類について解説します。
Protoolsの種類 First・Protools・Ultimateの違い
Protoolsには写真のように3つのグレードがあります。
※ここでいうグレードとは価格により使用可能な機能が異なる、所謂モデルといった意味があります。
下位グレードで無料ダウンロード可能な「First」、有償のノーマル版の「Protools」、上位グレードの「Ultimate」の3種類があります。
Protools Firstについては「Protool初心者編!firstの使い方入門」をご覧下さい。
使用できる機能の違い
First | Protools | Ultimate | |
同時ボイス/トラック | 16/16 | 128/64/32 | 384/192/96 |
最大インプット数 | 4 | 32 | 192 |
MIDIトラック | 16 | 1024 | 1024 |
インストゥルメント・トラック数 | 16 | 512 | 512 |
Auxトラック | 16 | 128 | 512 |
ビデオ・トラック | なし | 1 | 64 |
付属プラグイン | 23 | 115 | 115 |
同梱サウンド | 3.1G | 5.4G | 5.4G |
対応する最大サンプル・レート | 32-bit、96 kHz | 32-bit、192 kHz | 32-bit、192 kHz |
バス | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
このようにグレードによって使用可能な機能が異なります。 更に「Protools」、「Ultimate」には「永続ライセンス版」と「サブスクリプション版」が用意されていますので、この2つのどちらかを選択することができます。
まとめ
Protoolの購入と年間アップグレードまとめに入ります。
新規購入の手順
- 「Protools」か「Ultimate」を選択。
- 「永続ライセンス版」か「サブスクリプション版」のライセンスを選択。
- どちらのライセンスにも「オールアクセスプラン」が付属。
- 購入後、インストールして使用可能。
年間アップグレードとクロスグレード
- 購入後、1年以内に最新版がリリースされた場合は無償で入手しアップグレード可能。
- 購入後1年が過ぎてから最新版がリリースされた場合は「アップグレードプラン」を追加購入し安価で最新版へのアップグレードが可能。
- 「サブスクリプション版」は1年で使用不可になるので継続使用する場合は「サブスクリプション版」の継続購入」が必要。
- 「永続ライセンス」から「サブスクリプション版(2年間使用可能)」にクロスグレード(プラン変更)も可能。
Protoolは購入やアップデート方法が複雑になりましたが、簡単にまとめると以上のようになっています。
この記事を購入やアップグレードの参考にしてみて下さい。