Protoolsはプロの現場でも使用されているDAWソフトです。そのProtoolsの無償版がリリースされダウンロードが出来るようになりました。
これからDTMを始める方や、CubaseやStudio Oneなどが使いにくいと思っている初心者の方は、この機会にProtools Firstを試してみるのも良いと思います。
Protools Firstのダウンロード方法、特徴などを初心者にも分かり易く解説していこうと思います。
まずはダウンロード方法から始めたいと思います。
ダウンロードとインストールの方法
Protools FirstはAvid Avid Technologyのオフィシャルサイトからダウンロードが可能です。
英語のサイトになりますが申込方法は「お名前、住んでいる国、Eメールアドレス、パスワードを設定し、2つのアンケートに答えるのみ」です。
そうしますとダウンロードリンク付きのメールが返信されますので、WindowsかMacを選択しダウンロードします。
Zipファイルでダウンロードされるため解凍ソフトをインストールしておくと便利です。解凍ソフトは「Lhaca」がおすすめです。
Zipファイルを解凍ソフトで展開したら、あとはインストールファイルをクリックするだけです。
続いては基本機能を解説していきます。
基本機能
Protools Firstは有料版のものと同じように録音からミックスまでの機能が使用できます。
その他の主な機能は以下の通りです。
- 最大16のバーチャル・インストゥルメント・トラックが作成
- 最大サンプル・レートは、32bit / 96kHz
- 最大4トラックの同時レコーディングに対応
- バーチャル・インストゥルメントXpand!2とサンプルプレーヤーUVI Workstation 3が同梱
- 23種類のエフェクトとユーティリティ・プラグインを利用可能
初心者向けどころか、仕事でも普通に使えるレベルの機能が備わっていますが、何故かプラグインの音源である「Xpand!2」が入っていません。
これは簡単に説明するとドラムやシンセをmidiで打ち込みするのに必要な音源(ソフトシンセ)です。これがなければProtoolsは使い物になりません。
しかし、これは本体のインストール後に追加設定をすると無料で使えるようになります。
画面のXpand!2をクリックすると10分~15分程度でダウンロードが完了し、使えるようになります。
他にも有料で追加できるプラグインがありますが、Xpand!2があれば問題は無いと思います。
それからProtools Firstにはギター用のアンプシュミレーターなども付属していませんので、本体のみでできることは打ち込みの音楽制作です。
打ち込みのみの音楽制作といってもダンスミュージックからオーケストラミュージックまで幅広く制作できますし、オーディオインターフェースから楽器を接続すれば生楽器も録音することが可能です。
midiの打ち込みをする場合はPCのUSBポートにmidiキーボードを接続すれば、キーボードで打ち込みが可能になります。
midi機能にも若干の制限があり、有料版のような楽譜モードがありませんが、楽譜モードは使わない方が、打ち込みがしやすいので問題はないと思います。
また、ファイルはクラウド上に保存する仕様になっており、最大3曲まで保存できます。クラウド間でファイルの共有はできますが、直接ファイルをメール等で送るということはできません。※月額4.99ドルで保存曲数を増やすことができます
続いてはXpand!2を使った作曲方法について解説していきます。
Xpand!2を使った作曲方法
無料プラグインというと、音色が少なく音もあまり良くないと思う方も多いはずです。
確かにXpand!2を超えるクオリティーの音源は沢山あります。しかし、このXpand!2も初心者には少し難しいですが、各楽器を細かく設定しエフェクト処理をすることで、非常にハイレベルな作品を制作することが可能です。
では、midiの打ち込み方法から解説したいと思います。
midiを打ち込む
まずはトラックを作成し、Xpand!2を開いて、何千とある音色の中から好みのものを選びます。
このようなピアノロール画面にメロディーを打ち込んでいきます。midiキーボードが無くてもマウスで打ち込めます。
midiの打ち込みの次にすることは、midiのwav変換です。
midiをwavに変換
変換方法はwavに変換したいmidiトラックを選択し、画面にあるwav変換をクリックするだけです。
wavに変換すると写真のようにmidiデータが波形に変わります。
これを行わないとデータ量が増えてしまいPCに負荷がかかりますし、この後のエフェクト処理が非常にやりにくくなりますので、必ずmidiからwavに変換して下さい。
EQ処理
wavに変換した各トラックにEQをかけて好みのサウンドに仕上げていきます。
EQ処理は足りない音域をブーストではなく、不要な音域をカットするようにするのがコツです。
低音を出したければ高音をカット、高音を出したければ低音や中音をブーストします。
マスタリングとミックス
続いてはミキサーを開き、各トラックの音量を調節していきます。音量を調節しながらEQの使い、理想のサウンドに仕上げていきます。
ここで各楽器にリバーブなどを追加し、立体感のあるサウンドにします。
打ち込みの段階からリバーブをかけると、ここでの作業が非常にやりにくくなりますので、リバーブは最終段階でかけるようにして下さい。
最後にコンプレッサーをかけて、音量と音質を調節して完成です。
上手く作曲するコツ
midiの打ち込みからwavへの変換までなら初心者にも簡単に出来ますが、EQ処理以降は非常に難しいです。
作る楽曲によっても、エフェクトの使い方やマスタリングとミックスの方法が変わります。
上手くなるコツは、沢山のCDを聴いたり本で勉強し、実践練習を繰り返すことです。
まとめ
Protools Firstに限らずProtoolsシリーズはDAWソフトの中でも非常に使いやすいので、初心者の方にもおすすめです。
最近は自宅で作曲と録音をして、Youtubeなどで公開する方も多くなりました。素晴らしい曲を作っている方はプロ、アマ問わず沢山いますので、色々なアーティストの曲を聴いたり、時には情報交換をし知識を身に付けていくのも良いと思います。
個人的には無償版で機能の制限もあるProtools Firstでも、リリースできるレベルの音源の制作は可能だと思います。使い方をマスターしiTunesなどの配信サイトでオリジナル曲をリリースするのも良いと思います。
これからDTMを始める初心者の方は、このProtools Firstを試してみてDTMとはどのようなものなのかを体験してみるのも良いと思います。
- Protools FirstのダウンロードはEメールアドレスの登録のみ
- 無料のXpand!2のプラグインの追加
- 打ち込んだmidiは必ずwavに変換する
- EQはカットする方向で使用する
- midiにリバーブはかけず最終段階でかける
- マスタリングとミックスは何度も繰り返し身に付ける
これらのポイントに注意して使ってみて下さい。
最後にXpand!2のみを使って作曲した音源を紹介します。
Grand Overture 2020
Xpand!2の音色(ストリングス)のEQ設定を多少、変更はしていますが、その他はほぼデフォルトのセッティングのままです。最終段階のマスタリングとミックスは、細かく調整していますがXpand!2でこのレベルまでなら制作可能です。
今回の記事をProtools Firstの導入や作曲の参考にしてみて下さい。