Ableton Liveには「Live Lite」、「Live Intro」、「Live Standard」、「Live Suite」といったグレードがあり、そのグレードによって搭載している機能が異なります。
因みにAbletonはバージョン10が最新です。このバージョンと、この記事で解説するグレードは異なるものです。
バージョンはカスタマーサポートから定期的に通知が届く無料アップデート、ソフト本体の違い(価格、機能)がグレードです。
そして、この記事で解説していく各グレードのソフトはバージョン9でも問題なく使用可能です。
ここではAbleton Liveの各グレードによる機能の違いと、選び方を初心者にも分かり易く解説していきます。
まずはAbleton Live Liteの仕様から始めます。
目次
Ableton Live Liteの仕様
Ableton Live LiteはMIDIコントローラーなどを購入すると無料で付いてくるものです。
Ableton Live 10の基本的な機能はすべて備わっていますし、音源も付属しています。Liteエディションだけで一通り作曲をしてみるということは十分に可能です。
これからAbleton LiveでDTMを始めてみようと思っている方は、Ableton Live Liteが付属しているキーボードなどを購入して試してみるのも良いと思います。
しかし、お試し版なので、製品版と比べて制限されている機能が多くあります。制限されている機能の1番のポイントは、トラック数が8トラックまでということです。
DTMに慣れてくると、8トラック以下で作曲をすることは、かなり制限を感じるようになります。長い目で見るのであればLiteではなく他のバージョンをおすすめします。
続いてはAbleton Live 10 Introについて解説していきます。
Ableton Live Introの仕様
Introはシリーズの中でも1番価格の低いグレードですが、Ableton Live 10の基本的な機能は全て備わっており、音源も付属しているので、作曲は十分に可能です。
トラック数は16までとなっており、Liteエディション(8トラック)よりは多くのトラックを使用することができます。
また、使用できるオーディオエフェクト数がLiteエディションでは12でしたが、Introエディションでは21のオーディオエフェクトが使用できるようになっています。
個人的には、お試しとしてIntroエディションで購入するよりも、MIDIコントローラーなどが購入して付属してくるLiteエディションを購入する方がおすすめです。
続いてはAbleton Live Stanndardの仕様を解説していきます。
Ableton Live Standardの仕様
Standardは一部のエフェクトや音源が制限されている、シリーズの中間に位置するグレードです。
このグレードからAbleton Live 10ならではの特徴が楽しめるようになります。本格的にDTMを始める方には、このStandardがおすすめです。
Standardからはトラック数が無制限になります。また、主にリバーブやディレイを使用する際のセンドリターン数がIntroまでは2つでしたが、Standardからは12個になります。
更に、34のオーディオエフェクトが使用可能になり、EQ EightやMultiband Dynamicsなど、使用頻度の高いオーディオエフェクトが使えるようになります。
オーディオ・スライス機能では、取り込んだオーディオ・ファイルを1度に切り分けることも可能になるので、すぐにサンプリングした音源を打ち込むことができます。
取り込んだオーディオ・ファイルを、MIDIに変換することも可能になり、そのオーディオ・ファイルのメロディーラインを他の音源で鳴らすことも出来ます。音源からグルーヴを抽出して、そのグルーヴだけを他の音源に適用する機能も搭載しています。
続いては最上級モデルのAbleton Live Suiteについて解説していきます。
Ableton Live Suiteの仕様
Suiteは全ての機能や付属音源が使用可能な最上級のグレードです。Ableton Live 10の機能の全てを仕様することが出来ますので、ハイレベルな音楽制作を行うことが可能です。
オーディオエフェクト数は46、MIDIエフェクト数もStandardでは8だったのがSuiteでは16に増えます。Ableton Live 10内臓のシンセサイザーも使えます。
Max for Liveも使用可能になり、Ableton Live 10の機能を拡張したり、カスタマイズすることが可能です。
続いてはAbleton Liveの選び方について解説していきます。
Ableton Liveの選び方
Ableton Liveは既に解説しました通り、グレードにより使用できる機能が異なります。
- DTMを体験したい方はLiteかIntro
- 他のDAWソフトからAbleton Liveに買い替えをする方はStandard
- 既にAbleton Liveを使用していて現在のグレードに満足ができない方はSuite
このような選び方をすると良いと思います。
また不足しているのがエフェクトなどのプラグインであれば。プラグインを購入し追加して使用する方法もあります。
まとめ
Ableton Live 10の各グレードについて解説してきましたが、個人的におすすめなのはStandardを購入し、不足しているプラグインを追加購入する使用方法です。
Suiteは全機能が搭載されていますが、幅広いジャンルに対応してアーティストでない限り、この機能を全て使用するわけではないと思います。自分自身が使用したいプラグインのみを追加していき、自分好みの仕様に作り上げるようにすると良いと思います。
LiteやIntroですが、これはDTMの初心者向けではなく、これからDTMを始める初心者の体験版のような位置付けです。この2つでDTMを、ずっと続けていくのは機能的に厳しいものがありますので理解しておくようにして下さい。
冒頭でも解説したバージョンですが、現在はバージョン10が最新です。しかし、個人的にはバージョン9を使用することをおすすめします。
DAWソフトは定期的にアップデート通知が届きますが、最新バージョンはメーカーのカスタマーサポートもエラーへの対処方法が分からない場合が多いです。これは最新版はエラー報告が殆どない状態なので、仕方のないことでもあります。
DAWはアップデートで劇的に機能が変化することはありません。それならばエラーへの対処方法が完全に把握できている1つ前のバージョンを使う方が作業がスムーズになります。
もし最新版から1つ前のバージョンに戻したい場合は、ダウングレードという方法もありますので、メーカーのオフィシャルサイトで方法を確認してみるのも良いと思います。
- Standardに自分好みのプラグインを追加してDAWをオリジナル仕様にする
- バージョンは最新ではなく、1つ前のバージョンを使用する
- バージョンを戻す方法はダウングレード
Ableton Liveは上手く使いこなせばハイクオリティーな作品を制作することが可能なソフトです。
この記事をAbleton Liveを選ぶ際の参考にしてみて下さい。