Logic Pro X Alchemyは「Logic Pro X 10.2」に追加されたソフトシンセです。
「Alchemy」はLogic Pro X 10.2に無償アップデートすることで使用が可能になります。
こちらの「メーカー公式サイト」にアクセスしてアップデートが可能です。
Logic Pro Xはアップデートが上手くできないという不具合が多いDAWソフトです。不具合が起きた際の対処法は
「Logic Pro Xがアップデートできないときの原因と対策!正しいアップデート方法を知ろう」をご覧下さい。
今回はLogic Pro X Alchemyの使い方や音作り、使用中にパソコンに負荷がかかった時の対処法について解説していきます。
まずは、Alchemyの基本仕様から始めたいと思います。
目次
Logic Pro X Alchemyの基本仕様
Alchemyのオシレーターは全部で4つあります。
これはアナログシンセでいう4VCOで、その波形はオーソドックスなアナログ波形からウェーブテールの波形に往年のアナログシンセ(MoogやArpなど)をモデリングしたSaw、Sine、Square、Triangleが別途収録されています。
また、他のシンセの波形をそのままAlchemyでも使えるサンプリングエンジンもあるので好みの波形をインポートして使うこともできます。
オシレーター1はVAエンジン オシレーター2はサンプリング波形、オシレーター3はVAエンジンをAdditive方式でFM化も可能です。サンプル波形を取り込み時にVA方式を追加できますので、8VCO的のような音作りも可能です。
続いてはLogic Pro X Alchemyの使い方を解説していきます。
Logic Pro X Alchemyの使い方
Alchemyには3000種類を超えるプリセットサウンドが内蔵されています。
メイン画面の「ブラウザ」からサウンドの「ジャンル」を選択し、好みのプリセットサウンドを使用することが可能です。
サウンドのジャンルには「ロック、ポップス、ダブステップ、ヒップホップ、トランス、ハウス」など様々なジャンルが用意されていますが、AlchemyはEDM系のサウンドが充実しています。
Alchemyはロックやポップスよりも、クラブミュージック系のクリエイターにおすすめのソフトシンセです。
続いてはAlchemyでの音作りの方法を解説していきます。
Logic Pro X Alchemyの音作りの方法
Alchemyなどソフトシンセの音作りの基本から解説していきます。
Alchemyの音作りは写真のようにプリセット画面を立ち上げ、3バンドEQ、空間系エフェクト(リバーヴ、ディレイ、コーラス)、フィルターやオシレーター、ディストーション(使用頻度は少なめ)を調整しながら行います。
では各機能の効果と基本的な使い方を解説します。
EQ(イコライザー)
ソフトシンセ以外のエフェクター、アンプやスピーカーなどのオーディオ機器にも搭載されている機能です。
EQはBASS(低音域)、MIDDLE(中音域)、TREBLE(高音域)のブーストとカットを調整する機能です。
EQ使用時の注意点
EQはある音域をブーストすれば、他の音域がカットされるという特性があります。
例えば低音を出す場合はBASSをブーストしますが、それは高音をカットしていることにもなります。高音をブーストさせれば、低音がカットされてしまいます。
EQにはこのような特徴があるので、低音を出したい時に敢えてBASSのメモリを上げず、高音のTREBLEを下げて、低音を強調する方法もあります。
リバーヴやディレイの使い方
こちらは空間系のエフェクトになります。
空間系エフェクトは深くかけすぎてしまうと、音の輪郭がなくなり不明瞭になってしまいます。また、音の線も細くなりますので注意が必要です。
リバーヴ
残響音を出すエフェクトです。大きなホールでの響き、大聖堂のような響き、トンネルの中にいるような響きなど、様々な残響音を加えることができます。
ディレイ
音がこだまするエフェクトです。こだまが返ってくる時間を「タイム」というメモリで調整することができます。
曲のテンポに合わせてディレイタイムを設定すれば8分音符で演奏したメロディーが16分音符に聴こえるというディレイトリックが可能です。
タイムを極端に短くすることで、リバーヴと似たような効果を出すこともできます。
フィルターやオシレーター
フィルターを絞ればこもった音、開ければ独特の高音が出ます。
リアルタイムでフィルター開閉する「オートフィルター」という機能を使用すると、ギターでいうワウペダルのような効果がかかります。
オートフィルターはリードのソロプレイの他にも、最近はEDMなどのクラブミュージックでもよく使用されています。
オシレーターはピッチの高低の調整やノイズを作成することもできる機能です。効果音を作成する際に使用しますが、デフォルトで効果音がプリセットされていますので単体で使用することは殆どありません。
ディストーション
ギターのエフェクターにもある音を歪ませるエフェクトです。歪ませ過ぎると、音が細くなってしまいますので注意が必要です。
ソフトシンセでディストーションを使用する場合は、ハモンドオルガンの音に軽くかけたり、ドラムのバスドラにかけてインダストリアル・ミュージックの効果音のようなノイズサウンドを作るために使用されます。(使用頻度は少なめです)
Alchemyで音作りをするコツ
最近のソフトシンセはデフォルトの状態でも、非常にクオリティーの高いサウンドですので、下手にエフェクトを追加したり調整すると逆効果になることもよくあります。
エフェクトはデフォルトの音に軽く追加するくらいがおすすめです。
続いてはAlchemyを使用した際、パソコンにかかる負荷への対処方法を解説します。
Alchemy使用時にパソコンにかかる負荷への対処方法
Alchemyやソフトシンセを使用しているとパソコンに負荷がかかりフリーズしたり、DAWソフトが落ちてしまうことがあります。
通常このような現象は立ち上げているトラック数が多いことが原因ですが、Alchemyの場合は使用する音色が原因になっていることがあります。
Alchemyなどのハイクオリティーなサウンドを出すソフトシンセは、サウンドを構成しているデータが多いほどパソコンに負荷がかかります。
この負荷はAlchemyのメイン画面にある「Quality」をクリックし、サウンドクオリティーの種類を選択することで負荷を軽減させることが可能です。
また、MIDIをWAV化することでもパソコンへの負荷は軽くなりますので、完成したMIDIデータはWAV化するようにして下さい。
WAV化の方法は「Logic Pro Xの使い方!書き出しできないときの原因と対策も初心者にわかりやすく」をご覧下さい。
まとめ
Alchemyは現在は無料ソフトになっており、Logic Pro Xをアップデートすることで自動的に追加され使用ができるようになっています。
Logic Pro X使用している方は既に追加済みだと思いますが、まだアップデートしていない方は更新するようにして下さい。Alchemyがあると曲作りの幅が広がります。
- Alchemyはデフォルトのサウンドクオリティーが高いので音作りしなくても使用可能。
- 音作りをする場合はエフェクトを軽く追加するのみがおすすめ。
- パソコンへの負荷は「クオリティー」の調整で可能。
- MIDIをWAV化することでパソコンへの負荷を減らすことも可能。
こちらのポイントをAlchemyを使用する際の参考にしてみて下さい。