一般的なピアノは、指で鍵盤を弾くことで、各音のハンマーが動き、
弦を叩いて音が出るので、タッチに忠実な演奏ができます。
調律が定期的に必要ですが、長く使うことができます。
一方電子ピアノは、鍵盤が押された情報をセンサーで感知し、
録音されたピアノの電子音がスピーカーから出ます。
多くは一般的なピアノよりも低価格で、
軽量・コンパクトで音量調整ができ、
ヘッドホンを使えば外部に音も漏れない
ので、置く場所や環境を選びません。
いろいろな機能(音色を変える、録音・再生機能、Bluetooth接続など)
ができるものもあり、ピアノとは違った楽しみ方ができます。
ただ、基本的に電子ピアノは定期的な調律はほとんど必要がありませんが
電化製品であるため寿命があり、
本体の製造が中止されると部品の在庫がなくなって
修理不可能となってしまうというデメリットはあります。
今回は、電子ピアノの寿命と、比較的丈夫なものに関してご紹介していきたいと思います。
電子ピアノの寿命は
メンテナンスさえすれば50~60年は優にもつという
ピアノに比べ、電子ピアノの寿命は短いものです。
まず、電子ピアノは電子機器ですから、
故障については一般的な家電製品と同じように考えられます。
壊れずに長く使えることもあるし、
突然調子が悪くなってしまうこともあるかもしれません。
また、電子ピアノの手頃な値段のものは、
鍵盤や中の部品が耐久性のないプラスチックでできているために
折れてしまうことがあります。
鍵盤のすきまからほこりが入ったり、
鍵盤部分に使われているフェルトが劣化したりして、
鍵盤の動きが悪くなることもあります。
電源が入らなかったり、音が出なかったり、異音がしたりという、
電子部品に問題がでる故障もあります。
ただ、このような不具合が出なければ、電子ピアノは故障せずに10年も20年も使い続けられる場合もあります。
不具合については、部品の取り替えや修理をしてもらえますが
電子ピアノは、新製品が出るタイミングが早いため
生産終了から7年ぐらいとすると部品の在庫がなくなって
修理もできなければ楽器としての価値がなくなる
ということには注意しましょう。
これらを平均すると、使用状況や、電子ピアノのグレードにもよりますが
寿命は10~15年ぐらいということになりそうです。
国産メーカーで蓋のあるものを選ぼう!
電子ピアノには
- とりあえずピアノの音がして気軽に弾ける
- ピアノの音色や音の減衰にこだわったもの
- 鍵盤の材質や動きを追求し、ピアノに近いタッチのもの
などがあり、
価格はピアノに近づくほど上がるという感じです。
品質がよく、修理の対応もよい
国産のメーカーの電子ピアノを選ぶと安心ではないでしょうか。
故障を防ぐために、高温多湿の環境は故障の原因となるので、注意を払いましょう。
また、ほこりやたばこの煙が鍵盤の間から入って
鍵盤の動きが悪くなったり、接触不良を起こしたりすることもあるので
ふたのある機種がいいと思います。
ここから、どのようなメーカーの電子ピアノがあるかを見ていきます。
クラビノーバ・カシオ・カワイで丈夫なのはコレ!
一般的なピアノよりも電子ピアノの方が寿命は短い。
この事実は動かしようのないものです。
ですが、せっかく購入するのであれば、
なるべく長く使える電子ピアノを選びたいところですよね。
では実際に、どの会社のどのシリーズが長持ちするのでしょうか。
そして、上部な電子ピアノはおいくら程するのでしょうか。
先ほどのお話しに出た国産のメーカーの電子ピアノで、
このメーカーを選んでおけば間違いない!
というものをいくつか紹介していきますね。
今回紹介するのは
- ヤマハ(YAMAHA)
- カシオ(CASIO)
- カワイ(KAWAI)
の3社です。
それではそれぞれの特徴や値段をみていきましょう。
まずはヤマハ(YAMAHA)から!
ヤマハ(YAMAHA) クラビノーバ(Clavinova)
アコースティックピアノの製造では世界に認められる
ヤマハ(YAMAHA)ですが、電子ピアノにも力を入れていて
クラビノーバ(Clavinova)には、
- レッスン用として「CLP」シリーズ
- バンドのセッションでも使える多機能な「CVP」シリーズ
- スマホ/タブレットとの連携もできて「大人が楽しむ、趣味のためのモデル」がコンセプトの「CSP」シリーズ
の3種類があります。
その中でもレッスン用として人気高い「CLP」シリーズは
エントリーモデル | CLP635 | 168,000円(税抜)~ |
スタンダードモデル | CLP645 | 220,000(税抜)~ |
ハイグレードモデル | CLP675 | 288,000(税抜)~ |
フラッグシップモデル | CLP685 | 380,000(税抜)~ |
*黒鏡面艶出し仕上げはそれぞれ4万円アップ
となっています。
スタンダードモデルCLP645以上のグレードでは
白鍵にそりや変形が出にくい上質な木材を使用しています。
10万円前後のアリウス(ARIUS)もベーシックなモデルとして人気があります。
カシオ(CASIO)
計算機の開発からはじまり、時計やカシオトーンなど
電子機器を手がける日本のメーカーです。
プリヴィア(Privia)シリーズ PX | 59,400~102,800円(税込) |
セルヴィアーノ(CELVIANO)シリーズ AP | 91,800~181,400円(税込) |
CELVIANO Grand Hybridシリーズ GP | 291,600~388,800円(税込) |
などがありますが
キャビネットタイプのセルヴィアーノ(CELVIANO)は
メーカー保証も3年と安心です。
グランドピアノの音と鍵盤、タッチにこだわった
CELVIANO Grand Hybridシリーズもあります。
カワイ(KAWAI)
ピアノ製造に始まり、電子楽器やその他の楽器も手がける
カワイ(KAWAI)です。
ピアノの基本にこだわった CNシリーズ | 125,000~186,000円 (税抜) |
木製鍵盤を搭載した CAシリーズ | 195,000~380,000円(税抜) |
などがあります。
他にNVシリーズは90万円というものもありますが
カワイ(KAWAI)の高額の電子ピアノでも寿命がある
ということは例外ではないようです。
他に丈夫なメーカーはある?
他にも日本の電子楽器メーカーをあげておきます。
ローランド(Roland)
シンセサイザーや電子ドラムなど多くの電子楽器を生み出してきました。
日本で初めて電子ピアノを製造したメーカーです。
ベーシックタイプのHPシリーズ | 149,580~194,400円(税込) |
スタイリッシュタイプのFP DPシリーズ | 68,800~167,400円(税込) |
多機能タイプのLXシリーズ | 237,600~449,280円(税込) |
などがあります。
LXシリーズに採用された、鍵盤の白鍵は、
木材+樹脂センターフレームによるハイブリッド構造で、
アコースティックピアノのようでありながら、
耐久性と安定感に優れたものになっています。
コルグ(KORG)
電子楽器を製造している日本のメーカーで、
中でもシンセサイザーは世界でも名を馳せています。
コンパクト・スタイリッシュをコンセプトに
低価格帯に商品を絞って製造しています。
スタンダードモデル LP-180 | 52,500(税込) |
コンサートシリーズ B1 C1 D1 G1 | 45,360~97,200円(税込) |
スタイリッシュなデザインもあり、
舞台の上での使用や、インテリアとしても映えることが特徴です。
さて、次は故障したときの
気になる修理費用について見ていきます。
壊れた場合の修理費用は?
電子ピアノ寿命は10~15年ぐらいのようですが
メーカーの保証期間(多くは1年間)であれば
普通の故障は無償で修理してもらえるし、
買ってから数年のものであって、部品があるうちは
有料で修理してもらえます。
例えばヤマハ(YAMAHA)の場合
代表的な症状についての修理料金(技術料+部品代)の目安は
症 状 | 修 理 費 |
電源が入らない | 10,000~25,000円 |
音が出ない | 20,000~25,000円 |
音が出ない(一部の鍵盤のみ) | 15,000~20,000円 |
時々大きな音が出る | 15,000~25,000円 |
鍵盤を弾くとカチカチと音がする | 10,000~20,000円 |
鍵盤の動きが悪い | 10,000~25,000円 |
ペダルを踏んでも音が伸びない | 10,000~20,000円 |
となっています。
電子ピアノはかなり重量があって、持ち込みではなく
出張修理となるので、上記の値段に加え「出張料」がかかります。
出張料は拠点から修理場所までの距離によって変わります。
例えば
拠点より20kmまでは5,000円(税抜)、 距離に応じて割増料金
のようになっています。
また、使用開始からの年数で、修理料金が別途見積りとなるものもあります。
まずは販売店、最寄り特約店、またはメーカーに問い合わせて、
見積もりをしてもらうのがいいと思います。
ただし、見積もりだけでも出張費や見積技術料などの
お金がかかることが多いです。
電子ピアノの修理を依頼するにあたっては、
保証書は大切に保管する
型によっては部品がないため、修理できないものもある
メーカーによって対応できない業者もある
ということに気をつけてください。
<電子ピアノの関連記事はこちら>
⇒子供の電子ピアノ用ヘッドホンおすすめランキング!練習がもっと楽しくなるのはコレだ!
⇒オルガンとピアノとエレクトーンの違いは?弾き方にはこんな差が!
まとめ
電子ピアノは寿命があります。
グランドピアノの音、タッチを再現したハイブリッドな電子ピアノでも
10~15年で寿命が来てしまうという運命です。
アコースティックなピアノがいいとわかっていても
諸事情で電子ピアノを購入するしかない場合もあると思います。
電子ピアノの技術はまだ進歩すると思われるので
10年後の10万円のクラスは、今のレベルより
また品質がよくなっていると考えられます。
「いいものを長く使う」ということが難しいのが電子ピアノです。
実際に楽器店や家電量販店に出向いて楽器にふれて、
音やタッチなど好みのものをみつけてください。
家電量販店では独自の保証をつけられるところもあるので
よく考えて購入してくださいね。
最後に
【電子ピアノ演奏比較】2018年秋最新版!20万円クラスで1番人気のモデルをヤマハ・ローランド・カワイで弾き比べました
という動画がありましたので、参考になさってください。