ト音記号の楽譜を見るのに慣れてきましたか?
今回は、ヘ音記号での音階の覚え方や調号の意味、ヘ音記号での音階の一覧、五線譜より下の低い音の覚え方の解説です。
ピアノの楽譜には、ほぼ見かけるヘ音記号。
基本的に左手の部分はヘ音記号で書かれています。
なので、ヘ音記号での楽譜の読み方がわからないとピアノで曲を弾く事が難しくなってしまいます。
そんなヘ音記号ですが、コツを掴んで、慣れてきたら徐々にスラスラ読めるようになります。
更に、曲によってはヘ音記号の横に#や♭(調号)がついている事もあるのですが、この調号は何を表しているのでしょうか?
色んな曲を弾いていこうと思ったときに、この調号がついている音階の意味を知っておくと、楽譜を読むのが少し楽になると思います。
ピアノで色んな曲が弾けるように、頑張ってヘ音記号の楽譜を読めるようになりましょう!
(今回は長調の音階・長音階のみの解説です)
ヘ音記号のシャープやフラットの調号の意味は?
調号が付いていないときの音階
ヘ音記号のシャープやフラットの意味を解説する前に、簡単にヘ音記号の調号が付いていないときの音階を解説します。
まず、ト音記号のドの位置と同じヘ音記号のドの場所はどこでしょう?
正解はココです。
音の高さは下へ行くほど低くなるので、ヘ音記号はこのドの音よりも低い音が多い場合によく使われます。(だから左手の楽譜はヘ音記号の事が多いんですね)
さて、ドの位置がわかったので、それより1オクターブ低いドはどこでしょう?
正解はココ。
ちょっと覚えにくいかもしれませんが、この場所を覚えておいて下さい。
そして、ヘ音記号の場合はさっき解説した1オクターブの間にあるファの位置が分かりやすいです。
ヘ音とは、つまりファの音の事です。
なので、ヘ音記号はファの音がわかりやすいんです。
ヘ音記号の左側の黒丸の位置がファです。
そして、右側の点々はファの上下についているので…ファの上はソ・ファの下はミの位置です。
(下の線が払われている部分が通過しているのがシの位置です)
これでド・ミ・ファ・ソ・ドの位置がわかるので、あとはそれを目安に読んでみて下さい。
こちらの動画では、ヘ音記号の書き方やヘ音記号の音を読む練習方法が解説されています。
ヘ音記号の横の調号の意味
ヘ音記号の右の調号(シャープやフラット)の意味です。
(今回は長調についてのみ解説します)
まず、シャープ=♯の意味は半音上げる。(右隣の鍵盤の音)
フラット=♭の意味は半音下げる(左隣の鍵盤の音)です。
例えば、ファにシャープが付いていればファのすぐ右の黒鍵の音ですね。
ミにフラットならミのすぐ左の黒鍵の音です。
ここまではOKですよね?
では、ヘ音記号のすぐ横の調号の意味についてです。
まず、ピアノを始めるとハ長調の曲に触れる事が多いと思いますが、ハ長調には調号がありません。
このハ長調の音階を見てみましょう。
ドレミファソラシドと並んでいますね。
そして、鍵盤を見てみましょう。
この時、隣の音との間に黒い鍵盤がある場合とない場合があります。
ミとファの間とシとドの間は黒鍵がありませんね。
隣の音との間に鍵盤がある場合の音の距離(音程)を全音といいます。
そして、間に鍵盤がない場合の音の距離は半音といいます。
長調では、この音の距離が全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音と並びます。
ハ長調のハとはドの音の事で、音階を並べた時にドレミファ…とドから音階が始まっていますね。
音階を並べた時、一番基になる音(主音)がド(=ハ)ですよ~という事なんです。
この主音をヘ(=ファ)にして、全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音と並べると…
シにフラットを付けないと、音の距離がおかしくなってしまいます。
なので、ヘ音記号のシの位置にフラットが付いているんです!
基本的にヘ長調はこの音階を元に曲が作られているので、ヘ音記号の右にフラットをつけずに楽譜を書こうとすると…シが出てくるとほとんどにフラットを毎回付けなきゃいけなくなるんですね。
そうすると、しょっちゅう調号がついている楽譜になってしまうので、読むほうも大変になってしまうんです!
なので、調号がつく確率が高い音には、事前にこの音は調号がつく可能性が高いよ~と予告してくれているんです。
そして、楽譜が調号だらけにならずにすんで読みやすくなっているんですね。
- まずはヘ音記号のドの位置を覚えよう!
- ヘ音記号からファ・ミ・ソの位置を覚えよう!
- ♯は半音上げる(右隣の鍵盤の音)・♭は半音下げる(左隣の鍵盤の音)
- 音階は全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音の順番に並んでいる。(長音階の場合)
それでは、ヘ音記号のシャープやフラットの調号のある音階の簡単な覚え方はあるのでしょうか?
次にいってみましょう!
ヘ音記号のシャープやフラットの調号のある音階の簡単な覚え方は?
それでは、シャープやフラットなどの調号がつく音階の簡単な覚え方はあるのでしょうか?
まず、ちょっと復習です。
長調の音階の音の距離(音程)の並びは決まっていましたよね?
全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音の順番です。
そして、どの音からこの音階が始まるかでシャープやフラットがどこにつくか決まります。
ということは…
シャープやフラットがどこにつくかで、その曲が何の調で書かれているのかがわかります。
そして、シャープやフラットの付き方(増え方)にも法則があります。
シャープの場合は、ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ。
フラットの場合はその逆、シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファの順番です。
#------------→
ファ ド ソ レ ラ ミ シ
←------------ー♭
そして、簡単な長調の判定の仕方は…
シャープなら、ヘ音記号の右に付いている調号の、更に一番右に付いているシャープの半音上です。
フラットなら、ヘ音記号の右に付いている調号の、更に一番右に付いているフラットの一つ左隣の音です。
それぞれの特徴を知っていると、一つ一つの♯や♭がどこについているかを確認しなくても、♯なら右の1つ・♭なら右から2番目の♭のついている位置さえわかればどこに調号がついているか判別できるようになります。
とはいえ、いきなりは難しいですよね。
それでは、これを一覧表にしてみましょう。
(短調は長調の全音+半音下の音が主音になります)
※ ○長調の前に嬰(えい)や変とついているものもありますが、嬰というのは♯の事、変は♭の事を指します。
ちなみに、短調はそれぞれの調号の全音+半音の音の距離下の音が主音になるので…
ハ長調と同じ調号なしはイ短調、♯1つはホ短調・♯2つはロ短調・♯3つは嬰ヘ短調・♯4つは嬰ハ短調・♯5つは嬰ト短調・♯6つは嬰ニ短調・♯7つは嬰イ短調となり、♭1つはニ短調・♭2つはト短調・♭3つハ短調・♭4つはヘ短調・♭5つは変ロ短調・♭6つは変ホ短調・♭7つは変イ短調となります。
そして、シャープがミ・シに付くとき(シャープ6個以上)やフラットがドやファに付く曲(フラット6個以上)以外に該当しますが…
シャープやフラットが5個までつく調の場合は、調号が付いている音=黒鍵を弾く音です。(楽譜でその音のタイミングの時に♮などが付いていない時に限ります)
シャープやフラットが6個以上の曲は、基本的に初心者向けではないので、慣れてくるまでは弾く機会は少ないと思います。
なので、まずはシャープやフラットが5個までなら、調号が付いている音は基本的に黒鍵を弾くと覚えると簡単です。
(ちなみに…調号6個は一番慣れが必要で、7個だと全部の音を半音上げるか下げる事となります。)
本格的に音階を覚えたい!という意欲があれば、ハノンの音階練習がオススメですよ!
音階練習はちょっと…という場合は、色んな調の曲を弾いてみる事です。
それだけでも、自然と少しずつつかめるようにようになってきますよ!
話は変わりますが、ヘ音記号のピアノの左手の楽譜だと、五線譜より下の音が書かれている事もでてきますよね。
この音、どうやって見分ければよいのでしょう?
次はその解説をしてみたいと思います。
それでは、いってみましょう!
五線譜より下の低い音はどう覚える?
五線譜よりも低い音、曲にもよりますがピアノ曲だと結構目にする機会が多いと思います。
この低い音、どう覚えたらよいのでしょう?
これは筆者の覚え方なのですが…
ト音記号だと、五線の下に一つ線があり、その線に音符が書かれていたらドですよね?
ヘ音記号だと、五線の下に二つ線があり、その線に音符が書かれていたら、先ほど触れたト音記号の五線の下の一つ線のドから2オクターブ下がったドです。
この位置をまず覚えます。
その下に更に線があってそこに音符が書かれていたらラ、その更に下に線があって音符が書かれていたらファ…と線が1つ増えるごとに2つ下の音となります。
こうやって、まずドの位置を目安にしてみて下さい。
それと、もう一つ。
かなり複雑な作りの曲でなければ、五線譜の下に線が引かれた状態で書かれる音はだいたい決まっている事が多いです。
曲にもよりますが、その曲の主音だったり、主音を含めて数えて5番目の音あたりが多く、その次が3番目の音かと思います。
なので、ドの位置と線が1つ増えると2つ音が下がる事を覚え、更に弾く曲によく出てくる音の場所を覚えて、それを目安に読んでいくと良いでしょう。
そして、色んな調の曲を弾くようになると、だんだん慣れてきて読めるようになってきます。
初心者だとハ長調の曲に触れる事が多いと思いますので、まずはドとソの場所、余裕ができてきたらミの音の場所を覚える事をまず目標にしてみて下さい!
<音楽記号に関して詳しい記事はこちら>
⇒ト音記号とヘ音記号の関係や違いは?音階の覚え方や変換方法も詳しく!
⇒ト音記号の横にあるシャープやフラットの意味! 1つ2つ3つ4つでどう変わるのか詳しく!
まとめ
ヘ音記号のシャープやフラットの調号のある音階簡単な覚え方一覧!五線譜より下の低い音はどう覚える?はいかがでしたか?
ヘ音記号の場合の音の場所を見る時の目安となる音をまず解説させて頂きました。
これで、ヘ音記号も怖くないですね!
調号がついた際の音階の一覧も載せているので、何調かわからない時は見てみて下さい。
音階の一覧表を見なくても、何調かわかる方法についても解説しましたので、それを覚えていれば調号を見ただけで何調かもわかりますよね。
そして、調号=シャープやフラットの数が5個までなら、調号が付いている音=黒鍵を弾く音と覚えておくと、更にわかりやすいと思います。
調号がついていると、それだけで慣れるまではパニックになってしまいますが、一覧を見たり法則を知っておくと、だんだんパニックにならずに楽譜が読めるようになります。
そして、ヘ音記号の五線譜より下の音の見方も、まずはドの位置を目安に読んでみて下さい!
それから、弾く曲によってよく出てくる音も目安にしていき、色んな調の曲に挑戦していくうちにどんどん読めるようになってきます。
理屈だけだとウンザリしてくるかもしれませんが、曲を弾きながら楽しく覚えていきましょう!