多くの中学生や高校生が経験する合唱コンクール。
ですが、「歌が下手でクラスの足を引っ張らないか心配」「どうやって練習したらいいかわからない」と悩んでいる人もいるかと思います。
この記事では、合唱コンクールでうまく歌うコツや上手な歌い方について説明していきます。
クラス全員で団結して取り組む合唱コンクールは、学生生活の中で思い出に残るイベントのひとつでしょう。
悔いなく楽しめるよう、この記事を参考にしていただければと思います。
まずは合唱コンクールで歌うコツについてです。
合唱コンクール歌うコツは?
合唱コンクールに苦手意識を持っている人には「歌が下手だから」という人もいれば、「歌うのは好きだけれど合唱は苦手」という人もいます。
合唱コンクールでの歌い方は、カラオケなどで一人で歌うときの歌い方と同じではありません。
そのため、カラオケが好きな人でも合唱は苦手という人もいるのです。
では具体的に、合唱コンクールで歌うコツを見ていきましょう。
姿勢
最初に、姿勢についてです。
足は少し開き、自分の体が安定する足幅で立ちましょう。体重は両足に均等に乗せるようにします。
頭のてっぺんから糸で吊るされているイメージで、変に力まずまっすぐ立ちます。胸やお腹が突き出ないよう注意してください。
視線は正面より少し上あたりを見るようにすると良いでしょう。
発声
次に発声についてです。
歌うときの呼吸は、胸式呼吸よりも腹式呼吸の方がたっぷり息を吸えるので適しています。
どうやって腹式呼吸をすればいいかわからないという人は、一度仰向けに寝転がって呼吸をしてみましょう。
自然にお腹が上下する呼吸になっていると思います。これが腹式呼吸です。息を吸ったときにお腹が膨らみ、吐いたときにもとに戻ります。
腹式呼吸で息を吸うと横隔膜が下がります。
この横隔膜を下げた状態を保ちながら発声するのをドイツ唱法、下腹部をへこませ横隔膜を押し上げながら発声するのをベルカント唱法といいます。
日本人の体格にはベルカント唱法が合っていると言われています。
発声するときはのどを開いて歌いましょう。
のどを開くというのは、のどの奥のスペースを広くするということです。あくびをしてみると舌根が下がり、のどを開く感覚がつかめるかと思います。
表情
最後に、表情についてです。
表情筋が固いと口が開きにくくなってしまうので、よくほぐしておきましょう。
「イ」の音を発音するように口角を横に引き、次に「ウ」の音を発音するように思い切り唇を前に突き出すというのを交互に行うと、口周りの筋肉がほぐれます。
「目を大きく開ける」「口をできるだけ大きく開く」「笑顔で歌う」という指導を受けたことがあるかもしれません。
確かに、このように表情を意識することで歌が良くなることもあるでしょう。
しかし、意識しすぎると逆に表情がこわばってしまい、不自然になってしまいます。
あまり「こういう表情をしないといけない!」と固執せず、リラックスして自然に歌うことを心掛けましょう。
姿勢 |
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発声 |
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表情 |
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続いては高音の出し方について説明していきます。
高音の出し方は?
合唱コンクールで高音を出すとき、歌い方で気を付けることは以下の3点です。
- 力を入れない
- のどを開く
- 重心を落とす
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
力を入れない
高音がなかなか出ないとき、のどにきゅっと力を入れて詰まった状態で歌うことはないでしょうか。また、肩などに変に力が入ってはいませんか。
特に地声で高音を出そうとするとそのようになりがちです。
力が入っているときれいな歌声にならない上、のどを痛める原因にもなります。
そんなときはまずリラックスして、余計な力を抜いてください。
のどを開く
高音のときは、のどを開くことを一層意識してみましょう。
声を絞り出そうとしてのどぼとけや舌根が上がってきてはいないでしょうか。
口内の上の部分、軟口蓋を上げるイメージで口を開き、舌根を下げることでのどから口までの空気の通り道を大きく作ってあげましょう。
重心を落とす
「高い音を出したい!」と思うあまり背伸びするような浮足立った姿勢になってしまっていませんか。
高音を出すときほど重心を落として、両足に体の重みが乗っているのを感じながらどっしりと構えてください。
高音の出し方
- 力を入れない
- のどを開く
- 重心を落とす
次に、歌うときに声が細くなってしまう場合の対処法を説明します。
声が細いときはどうする?
地声では声量があっても、裏声で歌うと声量が小さくなりがちです。
もっと力強く、伸びのある声で歌いたいときはどうすれば良いでしょうか。
まず、無理に力強く声量を上げて歌おうとはしないでください。
そうするとのどや体の余計なところに力が入ってしまい、体に負担がかかってしまいます。
細い声に悩んでいるときは、歌声の響きを増やすことを意識してみてください。
合唱コンクールで必要なのは、個人個人の声の大きさではなく、全員の声が合わさった時にきれいに響く歌い方です。
歌声を響かせるために、鼻の奥の空間を響かせる鼻腔共鳴を意識してみましょう。
鼻をつまんで「ンー」とハミングをしてみると、鼻のあたりが振動しているのを感じられ、鼻腔共鳴の感覚がわかりやすいです。
その感覚を意識しながら、徐々に口を開いて「アー」と発声してみてください。
初めは難しいですが、練習することで鼻腔に声を共鳴させることができます。
そうすれば、より響きの豊かな歌声になるでしょう。
声が細いときはどうする?
- 歌声の響きを増やすことを意識する
- 鼻腔共鳴の感覚をつかむ
合唱コンクールでは、地声は使わず裏声で歌うようにします。
ですが、裏声を出すのが苦手でどうしても地声になってしまうという人もいるかと思います。
次は地声の治し方について見ていきましょう。
地声の治し方
地声で高音を出すのは難しいので、高音は自然と裏声で歌っている人が多いと思います。
一方、低音は地声で楽に出すことができるので、つい地声で歌ってしまいがちです。
ですが、合唱コンクールできれいな歌声のひびきを作るには、高音・低音ともに裏声で歌いましょう。
特に低音を地声で歌うのは、慣れないと難しいかもしれません。
まずは自分が裏声で楽に出せる音程で、「アー」と発声してみましょう。
そこから、裏声のままだんだんと音程を下げていきます。
最初の裏声で歌う感覚を忘れないようにして音程を下げてみてください。
そうすると、低音も地声ではなく裏声で歌うコツがつかめてくるでしょう。
地声の治し方
- 裏声で楽に出せる音程からだんだん音程を下げて練習する
合唱の練習をしていると、周りの人の歌声がうまく聞こえて萎縮してしまうことはないでしょうか。
そんなときの対処法をお伝えします。
他の人がうまく聞こえるときはどうする?
合唱のときは両隣や前後に人がいるため、他の人の声が気になることもあるでしょう。
他の人がうまく聞こえると、少し自信を失ってしまうかもしれませんね。
ですが、合唱は他の人たちと協力してみんなで歌うことで成り立つものです。
誰かがとびぬけてうまいからといって評価されるわけではありません。
他の人がうまく聞こえるからと遠慮してしまうのではなく、その人たちの声に調和しようと考えてみてはどうでしょうか。
歌うときはつい自分の声ばかり気にしてしまいますが、周りの声を聞いて合わせようと意識することでより全体のレベルが上がります。
他の人がうまく聞こえるということは、周りの声をちゃんと聞いているということなので、まずはそこに自信を持ってください。
他の人がうまく聞こえるときはどうする?
- 他の人の歌声をよく聞いて、調和するように歌うことを心掛ける
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最後に、合唱コンクール本番の日、緊張して声が出ないときの対処法を説明します。
緊張して声が出ない時は?
いよいよ合唱コンクール本番。
たくさんの人に見られながら歌うと思うと、緊張してしまいますよね。
出番を待っている間、いてもたってもいられなくなることもあるでしょう。
緊張するのは悪いことではありません。
適度に緊張すると神経伝達物質が分泌され、集中力が高まるのでより良いパフォーマンスができるようになります。
とはいえ、緊張しすぎて喉がカラカラになったり声が出なくなったりしてしまうと元も子もありません。
そんなときは、歌う前にまず深呼吸してみましょう。
腹式呼吸で息をたっぷり吸い込み、10秒ほどかけてゆっくりと吐き出します。
繰り返し行うと呼吸が整い、気持ちが落ち着きます。
また、身体が固くなってしまわないようストレッチをしておきましょう。
特に首回りを重点的にほぐしておくと、歌声も出やすくなります。
本番は、間違えてもいい!という気持ちで失敗を恐れずに思い切り歌いましょう。
緊張して声が出ない時は?
- 歌う前に深呼吸する
- ストレッチをして体をほぐす(特に首回り)
まとめ
ここまで、合唱コンクールで歌うコツや歌い方などを説明してきました。
自分がうまく歌えないことでクラスの人に迷惑をかけてしまったらどうしようと、プレッシャーに感じてしまう人もいるかもしれません。
そんなときは、この記事を参考にしながら練習し、自分の歌い方を改善してみてください。
すぐに改善できなくても、毎回の練習の際に自分の克服したいポイントを意識していれば少しずつ良くなっていきます。
合唱コンクール本番のときは、練習の成果を発揮しようと気負いすぎたり結果を気にしすぎたりすると緊張してしまいます。
良い結果を残すよりも、一番大事なのは他のみんなと一緒に歌うのを楽しむことです。
楽しんで歌っていれば、それは聴き手にも伝わります。
練習した分、結果は後からついてくると思って気楽に臨んでみましょう。
毎年クラス替えがある場合、同じメンバーで合唱コンクールに取り組むのは一度きりだと思います。
ぜひ楽しんで良い思い出にしてください。