「男子、ちゃんと歌って!」合唱コンクールの練習でよく飛び交う声ですね。
クラスの一致団結が勝負の鍵となる、合唱コンクール、よく起こる問題と言えば「歌わない生徒が出てくる」ということです。
他のクラスや他校など、数多いライバルがたくさんいる中、歌のダイナミクスや歌っている時の表情など、クラス全員が声表情全て揃えて初めていい結果が残せます。
そんな時に声を出していない生徒、そもそも歌わない生徒がいると校内選考落ちで他校と戦うところまでも行けないことは間違いないでしょうから、ちゃんと歌っている人からすると腹が立ちますよね。
そこで、そんな困った「歌わない生徒」を歌わせる方法をご紹介します。
合唱コンクールで歌わない理由は?
男子生徒に多い”合唱コンクール歌わない問題”、そもそもそういった人たちが歌わない理由は何なのでしょうか?
「クラスでいい結果を残したい」と考え努力している人からすると、意味がわからないと思います。
しかし、理由はシンプルです。
ここで「合唱で歌わない理由」の一覧を見てみましょう。
合唱で歌わない理由
- 歌うことが嫌い
- 歌が苦手
- 歌うことが恥ずかしい
- 声変わりの時期で声が出にくい
- 練習を仕切っている人の態度が気に入らない
こういった理由で、”歌いたくない”と思っているのです。
運動が苦手な人で例えると、「走るのが遅いから運動会でのリレーが嫌いで、走る時は1人で走るから注目されて恥ずかしいし、他のクラスに負けたら文句を言われそうだし出たくない。」ということと似ています。
こう見ると、少しは気持ちがわかるのではないでしょうか?
しかし合唱コンクールで勝つためには、そんなことは言ってられません。
歌いたくない生徒を歌わせるにはどうしたらいいのでしょうか?
次に、よくある失敗例をご紹介します。
怒って歌わせてもだめ?
女子生徒が「ふざけないでちゃんと歌ってよ!」と、歌わない男子生徒に怒っている風景をよく目にしますが、実はあれは逆効果なのです。
親に「勉強しなさい!」と怒られて、「よし、やるぞー!」とやる気を出す人はあまりいませんよね。
それと同じで、怒られれば怒られるほどやる気はなくなっていくのです。
つまり、怒れば怒るほど相手のやる気を吸い取ってしまっています。
もしそれで大きな声で歌うようになったとしても、綺麗な声で歌うはずはありません。
きっとやけくそになって怒鳴るような汚い歌い方しかしてくれないでしょう。
そんな歌声であれば、ない方がましですよね。
合唱コンクールの練習では怒ってもダメ
怒ってはいけないのなら、果たしてどうやって歌わせるのがよいのでしょうか?
次にそちらを見ていきましょう!
歌わない生徒を歌わせる方法や伝え方は?
歌わない生徒を歌わせる、”怒る”以外の方法ですが、最初にご紹介した「合唱で歌わない理由」によって違ってきます。
では理由別に、その理由で歌わない生徒を歌わせる方法や効果的な伝え方をご紹介します。
恥ずかしがっているとき
「歌うことが恥ずかしい」から歌わない生徒には、歌わない方が恥ずかしい雰囲気作りをすることが必要です。
1人で歌うわけでもない合唱で「恥ずかしい」というのは、人前に出て歌う恥ずかしさのようによく使われるものではなく、ちゃんと歌っていないクラスの雰囲気の中で真面目に歌う自分が恥ずかしいというニュアンスの恥ずかしさです。
ですから、クラス全体で合唱コンクールに向けての話し合いをするなどし、クラス全体を「合唱コンクールに向けて頑張るぞ!」という雰囲気に持っていかなくてはなりません。
生徒だけで話し合いの場を設けてもサボってしまう人が出てくる可能性が高いので、担任の先生や音楽の担当の先生に協力してもらいましょう。
歌が苦手、嫌いで歌わないとき
この場合は、その人がカラオケに行った時に友達にからかわれたり、何か歌に対するマイナスのイメージを持っています。
なので、そのマイナスイメージを払拭してあげる必要があります。
そのためには、
- 歌は下手でも大丈夫で一生懸命に歌うことに意味がある”ということを練習前に毎回クラスで共通認識にする
- 他人の歌をからかったり馬鹿にする人を注意する癖をクラスでつける
- 「歌=楽しい」というイメージにする
この3つがクリアできれば、歌に苦手意識がある人でも楽しんで歌ってくれるようになります。
声変わり等で声が出にくいから歌えないとき
声が出にくい人を無理に歌わせることはさすがにできないので、この場合はまず声が出にくくて歌えないことに了承してあげた上で、合唱での「見た目の重要性」を教えてあげましょう。
いくら声が出なくても、”歌っているように見せる“ことはできますよね。
声が出ないからとその生徒の口が動いていなかったりすると、そのクラスのイメージが団結できていないとみなされ、合唱コンクールの減点の対象となってしまうでしょう。
しかし、クラスほとんどの生徒が歌っている中、やむを得ず声が出ない数名の生徒がいたとしても、”何人の生徒の声が聞こえないから減点”とはなりません。
そのため、見た目が大事であるということを伝え、歌っているように見せることはしてもらいましょう。
練習を仕切っている人の態度が気に入らないとき
これは最初のほうで「怒って歌わせても逆効果」とお伝えしたことと関連しています。
仕切っている人はその人なりに「合唱コンクールでこのクラスのみんなでいい結果をのこしたい!」とクラスのためを思って厳しく指導したりするのですが、部活動などで合唱を専門でやってる環境でもない限り、怒ったり厳しく指導することに意味はありません。
「でも優しく言ったところで聞いてくれないし・・」と思うことでしょう。
仕切っている人の態度が気に入らないと思っているのは大半が男子生徒かと思います。そのため、男の心理をうまく利用すればいいのです。
単純なのですが、男子生徒はほとんど誰もが「女子の目」を気にしています。
そこで一部の頑張っている男子生徒や、クラスの中でもまだ歌っている方である男子生徒を
「ちゃんと歌っている人ってかっこいいよね〜!」
「〇〇くんの声いいね!」
などと褒めて、それを見ている男子生徒にライバル心を抱かせるのです。
それも、クラスの中であまり目立っていない女子生徒が言ってもあまり効果がないので、理想は“人気女子生徒”から言ってもらうことです。
クラスに1人はいるかと思いますので、その子から言ってもらえるように、お願いしましょう。
クラスのためにしなくてはならないことだとわかれば、「No」とは言わないはずです。
クラスで気持ちを合わせる方法
これまで見てきてわかったかと思いますが、合唱は歌う・歌わない以前に、クラスメイト同士が信頼し合っていることが大切です。
一見難しいように思えますが、もともと信頼し合えてなくても、合唱を機に信頼が生まれ、合唱以外でも結果が残せるクラスになったという効果があるくらい、合唱はチャンスの行事なのです。
ではどのようにすれば、クラスで気持ちを合わせることができるのかというと
「合唱コンクールでいい結果を残すことで、どういった成果が得られるのか」をクラスの全員が理解することです。
合唱コンクールでいい結果を残せば
- 体育大会や他の行事でも結果を出すクラスになれる(逆に合唱コンクールでいい結果を出せなければ、他の行事も難しい)
- 自己PRに書けるため、進学等にも有利になる
- 今学校が楽しくないと思っている生徒は、クラスの仲が深まることで学校を楽しめるようになる
- 男子であればモテる要素になる
このようなことをわかっていない生徒には教えてあげ、ただの”合唱コンクールの結果”ではないということをクラス全員が理解できるようにしましょう。
それがわかった上で練習でもこれまでお伝えしたような、よりよくなる工夫を重ねれば
きっとまとまりのある素晴らしい合唱ができるクラスになります。
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まとめ
合唱で歌わない生徒を歌わせ、合唱コンクールでよい結果が残せるようになる方法をお伝えしてきましたが、これを読んでくださっている方はきっと、自分がクラスの合唱をよくしたいと考えるほど責任感の強い人なのだと思います。
他の人にも協力してもらえばいいことなので、自分1人で抱え込むことではありませんが、よくなるきっかけは誰か1人から始まるものです。
少しの勇気を持って、ここまでお伝えしてきたことを自分のクラスに活かし、ぜひ合唱コンクールで後悔のない結果を残してください。