打楽器の王様的存在であるティンパニ。
大きさやメーカーによって種類がたくさんあるティンパニですが、
大きさと音域に関連性があるのか?メーカーによって音域は違うのか?
ティンパニを始めたばかりの初心者にとって、疑問は多々あるかと思います。
「インチごとに音域に違いはあるのか?」
「メーカーによって音域に違いはあるのか」
このふたつの疑問点について、各メーカーごとの音域と特徴について解説していきたいと思います。
今回ご紹介するメーカーは、
・ヤマハ
・ラディック
・プレミア
・パール
の4つメーカーです。
これからティンパニを始める方や初心者の方は、必見の内容ですよ。
ティンパニの音域インチごとの一覧!
ティンパニの音域について解説していきたいと思います。
まずは、音域について解説する前に、ティンパニの音程の調節の仕方について簡単にご紹介します。
ティンパニの音域の調節について
ティンパニは、ひとつのティンパニで、ドからラ♭の幅広い音域を持っています。
「ヘッド」と呼ばれる部分の張り具合を少しずつ変えることで、低い音から高い音まで出すことが出来ます。
また、張り具合を微妙に調整することで、半音よりももっと細かな音程まで出すことが可能です。
今回の記事では、詳細な音程の調節方法については解説しませんが、
音程の調整の仕方は、ティンパニの種類によって異なります。
・手締め式
・ハンドル式
・ペダルロック式
・ペダルバランススプリング式
ティンパニのインチごとの音域について
こちらは、各インチごとの音域について大まかにまとめた図です。
引用:https://www.yamaha.com/ja/musical_instrument_guide/timpani/play/
図を見て分かるように、インチによって音域は異なります。
曲や自分の出したい音程に合わせて、ティンパニの種類を適切に選ぶことが大切ですね。
次は、メーカーによって音域に違いはあるのか?みていきたいと思います。
引用:https://www.yamaha.com/ja/musical_instrument_guide/timpani/selection/
メーカーで違いはある?
ティンパニのインチと音域について解説しましたが、メーカーによって違いはあるのでしょうか?
答えはズバリ……“Yes”です!
同じインチであれば、大幅に音域が変わることはないようですが、
多少の違いはメーカーによってあるようです。
例えば、
YAMAHA TP-7000シリーズとPREMIER エリートモデルを比較してみましょう。
同じ32インチでの各メーカーの音域は次のようになります。
YAMAHA TP-7000シリーズ
YAMAHAの音域は、レからシ♭までです。
引用:http://www.ims-tokyo.co.jp/library1.html
PREMIER エリートモデル
プレミアの音域は、ドからド♯までです。
引用:http://www.ims-tokyo.co.jp/library1.html
どうですか?
同じインチのティンパニでも、大きな違いはないものの、メーカーによって少しずつ音域が異なることが分かりますね。
次からは、各メーカーごとの音域と特徴についてまとめてみました。
ヤマハの音域と特徴
YAMAHAのティンパニは、初心者向けのエントリーモデルから、プロ向けのハイエンドモデルまで、幅広い種類のティンパニを展開しています。
YAMAHAのモデルの中でも、ベーシックモデルである、TP-6300R シリーズの音域と特徴についてまとめます。
YAMAHA TP-6300Rシリーズの種類と音域
TP-6300Rシリーズは、5種類のティンパニがあります。
下の表は、各種類のインチと音域についてまとめたものです。
品番 | インチ | 音域 |
---|---|---|
TP-6320R | 20″ | e-c |
TP-6323R | 23″ | c-a♭ |
TP-6326R | 26″ | A-f |
TP-6329R | 29″ | F-d♭ |
TP-6332R | 32″ | D-B♭ |
引用:https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/percussion/timpani/tp-6300r/additional_tab26099.html#product-tabs
YAMAHA TP-6300Rシリーズの特徴について
ヘッド部分には、ヤマハ特注のレモルネッサンスヘッドを採用しています。
より安定した音程が得られやすいヘッドになっているため、初心者でも扱いやすいモデルだと言えるでしょう。
音程の調節方法としては、ペダルバランススプリング式を採用しています。
各インチのティンパニでも、短6 度の広い音域がカバーできます。
引用:https://www.yamaha.com/ja/musical_instrument_guide/timpani/
ラディックの音域と特徴
ラディック社製のティンパニは、スタンダードモデル・ティンパニについてご紹介します。
ラディック スタンダードモデル・ティンパニの種類と音域
品番 | インチ | 音域 |
---|---|---|
LKS420PG | 20″ | f-d |
LKS423PG | 23″ | d-b |
LKS426PG | 26″ | a-f |
LKS429PG | 29″ | e-c |
LKS432PG | 32″ | d-b |
ラディック スタンダードモデル・ティンパニの特徴について
ラディック社が特許をとった「バランスアクションシステム&ヘッドテンションロッド」により、
チューニングの操作性の良さが、ラディックのティンパニの最大の特徴です。
必要な音程を容易に調節することができるのは、チューニングに慣れない初心者にとっても嬉しいポイントですよね。
引用:https://www.nonaka.com/ludwig/products/timpani/index.html
プレミアの音域と特徴
プレミアは、イギリスのメーカーです。
プレミアのティンパニは、プロフェッショナルモデルとエリートモデルがありますが、今回ご紹介するのは、プロフェッショナルモデルです。
プレミア プロフェッショナルモデルのインチと音域
インチ | 音域 |
---|---|
22.5″ | c-a |
25″ | a-f |
28″ | f-d |
30″ | e♭-b♭ |
32″ | c-a |
プレミア プロフェッショナルモデルの特徴について
プレミアのティンパニは、クラッチ方式で音域が広いのが特徴です。
ペダル操作でより操作しやすいです。
引用:https://www.pro-per.co.jp/article/15400156.html
パールの音域と特徴
パールのティンパニは、1個10万円台のモデルから、世界的に有名なティンパニ奏者が使用する、1個100万円以上もする受注生産のモデルまで、幅広く扱っています。
パールからは、ベストセラーモデルである、Handmade Symphonic Pedal Timpani 85の各インチと音域についてまとめてみました。
パール Handmade Symphonic Pedal Timpani 85の種類と音域
パール Handmade Symphonic Pedal Timpani 85の各モデルのインチと音域についてまとめた表です。
品番 | インチ | 音域 |
---|---|---|
85SS | 20″ | d-b♭ |
85S | 23″ | f-d♭ |
85M | 26″ | a-f |
85L | 29″ | c-a♭ |
85LL | 32″ | e-c |
パール Handmade Symphonic Pedal Timpani 85の特徴について
レモ・スエード・ティンパニヘッドを採用しており、強打しても音が割れにくい構造になっています。
音程の調節方法としては、ペダルバランススプリング式を採用しているため、
ペダル操作によって瞬時に音程を調節することが可能です。
アンサンブルに深くなじむベストセラーのティンパニモデルとなっています。
引用:https://www.pearlgakki.com/adams/ADAMS_Philharmonic_Light.php
<ティンパニについて詳しい記事はこちら!>
⇒ティンパニのチューニングの仕方コツ!ゲージやキー,ペダルの使い方や曲中の操作方法・手締めのやり方も
⇒ティンパニのマレット種類やおすすめは?初心者の選び方のコツも!
まとめ
今回は、ティンパニのインチと音域について、また各メーカーごとの音域や特徴についてまとめました。
まとめ
- ひとつのティンパニで広い音域を持つ。
- ティンパニの音程の調節方法にはいくつかの種類がある。
- ティンパニの音域はメーカーによって多少の違いがある
ティンパニは、打楽器の中でも音程が調節できる魅力的な楽器ですから、
各メーカーごとの音域や特徴をしっかりと学んで、自分の出したい音程や音色が出せるようにしましょう。
ティンパニの音域について、また各メーカーのティンパニの特徴について、
少しでも参考になれば幸いです。