ティンパニといえば打楽器の中でも花形楽器として有名だと思います。
叩けばその音はバンド全体において非常に存在感があり、低音楽器と一緒にベースラインを支えたり、曲の重要な部分でおいしい一発が出てきたりします。
ティンパニを演奏する際に使うマレットもたくさんの種類があると思いますが、どのようなマレットを使えばよいのでしょうか?
初心者でも自分や曲に合うマレットが選べるようになるように今回は選び方やおすすめマレットをご紹介していきます。
ティンパニのマレットの種類は?
そもそも、マレットはなぜたくさん種類があるのかというと、マレットの持ち手(バチ部分)や先端(頭)についている素材によって音色がまったく変わってくるからです。
普段よく目にするティンパニ用マレットの頭には、フェルト、コルク、木、ネルなどが使われており、バチ部分には木や竹が用いられています。
また、柔らかさ、硬さによっても音色に影響を及ぼすため、その組み合わせを曲の雰囲気によって使い分ける必要があります。
ヘッド部分の硬さ | メリット | デメリット |
---|---|---|
ハード | 音の粒が際立って聞こえる | 悪目立ちする場合がある |
ミディアム | 音の伸びが良く、響きが出る | 音の輪郭がぼやけることがある |
ソフト | 深く豊かな響きがする | 音の立ち上がりがはっきりしない |
詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
ティンパニのマレット種類使い分けは?ハードや竹でおすすめは?
マレットおすすめメーカー
演奏する曲によって求められる音色が変わりますが、やはり定番のメーカーのマレットにはその実力があります。
実際に演奏する立場から打楽器奏者がマレット制作に監修したモデルも数多く手がけているため、選択の幅がとても広がっています。
下に紹介するように各メーカーごとにそれぞれ特徴がありますので、シーンに沿った音色を探してみてください。
YAMAHA(ヤマハ)
国内の楽器メーカーとしても有名なYAMAHAからは、スタンダードモデルティンパニ用マレットで球形ヘッドが特徴の200シリーズ、竹シャフトを使用したプラスティックヘッドの500Bシリーズやフランネルヘッドの520Fシリーズ、ウッドスティックの600シリーズなどがあります。
PLAY WOOD(プレイウッド)
海外の打楽器奏者やN響打楽器奏者など監修のアーティスト シリーズや、演奏者のより広がる要求に応えるオーケストラ シリーズ、値段も手ごろで揃えやすいスタンダード シリーズ、ヘッドにフランネル生地を重ねて、先端をネジでプレスしたフランネルシリーズなど種類が豊富です。
PEARL(パール)
ティンパニの楽器メーカーとしても有名なpearlからも豊富な種類のマレットが発売されています。
東京都交響楽団首席ティンパニ・打楽器奏者安藤芳広氏による監修モデルのConcert Customシリーズや、やや長めのシャフトを採用した664シリーズ、スクールバンドからアンサンブルまで幅広く対応する662シリーズ、主席打楽器奏者監修による安藤芳広モデルなどもあります。
カトー撥工房(KATO B.K.)
東京フィルハーモニー交響楽団の打楽器奏者である加藤明広氏によるオールハンドメイドのティンパニマレットで、近年世界各国で人気が高まっています。
グルントトーンシリーズはカトー撥工房のベーシックなモデルで、マレットヘッドの硬さによってモデルが別れており、スパーハードモデルは、はっきりとした打音でありながら深い響きもしっかり出ます。ゼーガースモデルはプロも好んで使うシリーズです、
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初心者にもおすすめのティンパニマレットのメーカーは?
まだ打楽器を初めて間もない初心者打楽器奏者の場合、ティンパニの打面にマレットを上手にヒットできなかったり、ロールをきれいに叩けないことが多いと思います。
そんな時にいきなりウッドヘッドのマレットやソフトマレット、マレットの跳ね返りに特徴のあるマレットを使いこなせるとは限りません。
まずはミディアムハードなどで、手になじみやすく持ちやすいマレットから練習してみましょう。
スタンダードモデルなどの一般的なモデルであれば、クセが少なく価格も手の届きやすいものが多いため、おすすめです。
慣れてきたり、もっと音色にこだわりを持ちたくなったら他のシリーズやメーカーの購入を検討するとよいでしょう。
YAMAHA(ヤマハ)のおすすめはTPM-521F
出典:YAMAHA
学校備品として多く普及されているYAMAHAで発売されているTPM-521Fは、スタッカートの表現を得意とする軽くて使いやすいマレットです。
吹奏楽部などでYAMAHAのマレットをすでに目にしたことがあるかもしれませんね。
初心者は迷ったらまずこれを使ってみましょう。
モデル名 | TPM-521F |
---|---|
シャフト | ヒッコリー |
ヘッド | フランネル(径20mm) |
硬度 | ベリーハード |
PLAY WOOD(プレイウッド)のおすすめはT12シリーズ
出典:プレイウッド製造元 有限会社バロック・ミュージック
アルミパイプ製の軽量のマレットで、ティンパニだけではなくトムトムなどの他の楽器にも使用可能のため、硬さを変えて揃えておくと使い勝手がよいでしょう、
初心者でも購入しやすいお手頃価格になっています。
モデル名 | T12-M |
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シャフト | アルミパイプ |
ヘッド | 国産フェルト |
硬度 | ミディアム |
PEARL(パール)のおすすめは662シリーズ
パール製のティンパニマレットの中で最もスタンダードなシリーズの662シリーズは、吹奏楽部などスクールバンドからアンサンブルまで幅広く対応できるマレットです。
S(ソフト)、M(ミディアムハード)、H(ハード)と硬さの種類がありますが、初心者には幅広く使用できる標準タイプのM(ミディアムハード)をおすすめします。
モデル名 | 662-M |
---|---|
シャフト | 木製 |
ヘッド | フェルト |
硬度 | ミディアムハード |
まとめ
- ティンパニのマレットは1種類だけではなく数種類持っておこう
- 出したい音色によって素材やヘッドの硬さにこだわろう
- 初心者はまず軽くて持ちやすいマレットから
- メーカーによって特徴は様々なので、用途によって使い分けよう
現在販売されているマレットだけでもたくさんの種類があります。その中から自分が気に入ったマレットを見つけるのは打楽器奏者の永遠の課題かもしれませんね。
それぞれのマレットの特徴をみて、理想の音が出せるように研究してみてください!