ピアノとB♭トランペットが
同じ単旋律の楽譜を見て演奏してみます。
…すると、微妙に音が合わず、何やら不気味な音楽になってしまうんです!!
どうして???
…それは調性が異なる、すなわち主音が異なります。
主音=スタートが違えば、その後も変わります。
それでは、楽譜はどう読めばいいの?どう書くといいの?
これから詳しく説明していきます!
トランペットの楽譜の簡単な読み方は?
様々な種類のトランペット
オーケストラや吹奏楽、ポップス、ジャズなどで一般的に使われている楽器は、
B♭トランペット(B♭ Trumpet)。楽譜には “in B♭ ” と指定があります。
一般的にトランペットと言えばこの楽器を意味します。
バルブが発明された後に様々な調整の楽器が作られましたが、
その中で、特に音の豊かさや、バランスが取れていることから、トランペットの中心的存在となりました。
もう一つは、オーケストラやソロの時に吹かれる、Cトランペット(C Trumpet)。
特にフランス音楽ではCトランペットが基準とされ楽譜には “in C” と指定があります。
オーケストラでは、B♭トランペットとCトランペットの二本が主流となっています。
演奏者の好みや役回り、楽譜の指示によって使い分けがされます。
他にも、D・E♭・E・F・Gと様々な種類のトランペットが存在します。
- B♭トランペット(B♭ Trumpet):楽譜は in B♭
- Cトランペット(C Trumpet):楽譜は in C
では、他の金管楽器の調性は…?
移調楽器
同じ金管楽器とその調性は…
ユーフォニアム | B♭ |
---|---|
チューバ | B♭ E♭ C |
ホルン | F B♭ high F |
たくさんのアルファベットが並んでいますが、それぞれ微妙に違います。
これらの楽器は 移調楽器 と呼ばれます。
実音と異なる高さに記譜される楽器の総称です。
“実音と異なる高さに記譜される”って?どういうこと?
トランペットの楽譜の簡単な読み方
B♭トランペットの場合
記譜上の音と、実音(聞こえている音)に、長2度の間隔があります。
これを音階で示すと、以下のようになります。
このことから分かるように、
記譜されている音 | C=ドが主音、ハ長調 |
---|---|
実音(聞こえている音) | B♭=シ♭が主音、変ロ長調 |
つまり、記譜されている音の長2度下の音が聞こえている
ことがわかります。
応用編 ~ドレミの歌の in B♭~
まず、楽譜の調号を確認してください。
調号が何もついてない時、それは主音をド=Cとするハ長調用の楽譜です。
実音ではどのように聞こえているでしょう?
答えは…
ややこしいですね…ある程度の『読譜力』が必要です。
そのためには、慣れるまでできるだけ沢山の読譜をこなしていきましょう!
では、二問目♪
今度はこの楽譜を実音として演奏したい!
そんな時は、どうやって記譜すればいいでしょう?
楽譜の書き方は?
ハ長調の楽譜の場合、ドを見たまま演奏しても実音(聴こえている音)は変ロ長調(B♭)
なので、常に実音の長2度(鍵盤3つ分)上に記譜しなければなりません。
先ほどの二問目の問題の答えは、
実音 | Cを主音とするハ長調 |
---|---|
記譜上 | Dを主音とするニ長調 |
つまり、実音の長2度上の音を記譜することがわかります。
ではここで問題です♪
この実音はどうやって記譜するとよいでしょうか。
答えは、
いかがでしょうか?慣れてきましたか?
<記譜上から実音であらわすとき>
- トランペットは記譜されている音の長2度下の音が聞こえる
<実音として演奏するときの記譜>
- 実音の長2度上の音を記譜する
楽譜の移調方法は?
もし皆さんが吹奏楽団に所属していたら、
自分の担当楽器で、担当以外の楽譜を吹くように言われたことありませんか?
ドキッとしてしまいますよね…????
では移調する時はどうすればいいでしょうか?
ピアノで、トランペットの楽譜を演奏しよう!
こんな時は、皆さんならまだまだ簡単だと思います。
今までやってきたように、
トランペットの楽譜から、実音を読み取って、
そのままピアノで弾くことができればOKです!
Esクラリネットの楽譜を、B♭トランペットで演奏しよう!
…なんて言われたら恐ろしすぎますね…
まずEsクラリネットは、
記譜されている音の短三度上の音が聞こえている
よって、実音の長2度上の音を記譜する
ことが分かります。
先ほどのピアノ(Cを主音とする)とトランペット(B♭を主音とする)と比較してみましょう!
三人が同時に吹くと、同じ音に聞こえます。その理由はもうお分かりですよね!
移調の際は、移調楽器の記譜をハ長調の実音に直す→それを担当楽器の調で記譜する
この流れで挑戦してみましょう!
他にもやり方はありますが、皆さん自身のやりやすい方法で移調してみてくださいね!
<トランペットについて詳しい記事はこちら!>
⇒トランペットの運指や替え指の覚え方のコツは?ハイトーンや実音の分かりやすい楽譜も
⇒トランペットの吹き方のコツ!唇・頬・口の形・姿勢はどうしたら上手く吹ける?
まとめ
これまで、
移調楽器(実音と異なる高さに記譜される楽器の総称)についてみてきました。
<B♭トランペットの場合>
記譜上の音と、実音(聞こえている音)に、長2度の間隔がありました。
→記譜されている音の長2度下の音を読む!
→実音の長2度上の音を書く!
ということが分かったと思います。
移調する際は、
移調楽器の記譜をハ長調の実音に直す→それを担当楽器の調で記譜する
の流れで挑戦してみましょう!
慣れないとなかなか難しいですが、
もしとっさに『あの楽器の楽譜で吹いて!』なんて言われて
しれっと吹けたらかっこいいですよね♪
皆さんで『読譜力』を高めていきましょう!!