先日PresonusからStudio One 5がリリースされました。約2年ぶりのメジャーアップデートで「Prime(無料版)」「Artist(下位版)」「Professional(最上位版)」の3つのエディションが用意されています。
基本的な機能や使用方法はStudio One 4と変わりありませんが、追加された新機能や使い方、無料版Primeのインストール方法などを解説していきます。
まずはStudio One 5の基本的な使い方から始めたいと思います。
Studio One 5 の基本的な使い方
Studio One 5の基本的な使い方は先ほども触れた通りStudio One 4と変わりありません。
基本的な使い方はこちらのページにあるStudio Oneの記事をご覧下さい。
続いてはStudio One 5の新機能について解説していきます。
Studio One 5の新機能
ここでは新たに追加された新機能について解説していきます。
※3つのエディションの詳しい機能比較はPreSonus公式ホームページで確認することができます。
また「Studio One 5」をインストールしても、旧バージョンが削除されることはありませんので、今までのバージョンと共存して使用することができます。
※旧バージョンで作成したソング・プロジェクトを立ち上げることができますが、Studio One 5上で保存を行った場合は、旧バージョンで開くことができなくなりますので注意して下さい。
プラグインの追加について
Studio One 4まではVSTなどのプラグインを追加するには拡張機能を追加購入しなければいけませんでしたが、Studio One 5からは(ArtistとProfessionalのみ)デフォルトの状態でプラグイン(VST2・VST3・AUの64bitのみ)を追加することができます。
64-bit/最大384kHzの録再生に対応
こちらはProfessionalのみに対応している新機能です。
ソング・プロジェクトの音質設定を最大で
- サンプルレート : 最大384kHz
- 解像度 : 64-bit浮動小数点
まで設定可能になりました。
プラグイン/スコアをダークモードの切り替え
Studio One 5からは、プラグインとスコアエディタのダーク/ライトの切り替えが可能となりました。
パラメーター編集だけに集中したい時や、白背景のスコア表示は画面が明るすぎて目が疲れるなどの背景から実装が行われています。
オーディオ機能(ボリュームに対するダイナミクス調整)
オーディオトラックの波形にボリュームエンベロープを適用可能になりましたので、値に応じて波形の大きさも変化しますので、非常に分かりやすくエディットが行えます。
※こちらの機能は全エディションに対応しています。
この機能の特徴はエフェクトが適用される前にゲイン変化が加わるという点です。
ボリュームが出過ぎてしまっている部分を調整するとコンプレッサーなどボリュームコントロール系のエフェクト適用量も調整でき、より自然な響きを持つトラックに仕上げることができます。
テープサンプリングが追加
オーディオイベントにタイムストレッチを適用する際に、テンポによりピッチが変化する「テープサンプリング」が追加されました。
トラックやマスターサウンドをエフェクティブに聴かせる際にも有効です。
また「テンポ」を「タイムストレッチ」へ変更し、「タイムストレッチ」を「テープ」に変更も可能です。その後に、楽曲テンポを変更することで、イベントの再生速度だけではなく、ピッチも変化する特殊効果を得ることもできます。
※全エディションに対応
Melodyneとの連携が強化
※Professionalに対応(Artistは体験版のみ)
オーディオイベントに対してMelodyneを適用した際のコード連携も強化されています。
タイムライン上を右クリックすることで、Studio One上で設定したコードを割り当てることが可能です。
MIDI機能(スコア機能)
MIDIの打ち込みの際にスコア機能が追加されました。
この機能は打ち込みをしたMIDIデータを自動的に楽譜表示することができる非常に便利な機能です。
※Professionalのみ対応
アーティキュレーションの記録
生楽器をサンプリングした製品で多用されるのが、フレーズの奏法を切り替える「キースイッチ」です。
音源内で指定されたノートを打ち込むことで、奏法を切り替える手法ですが、この切り替えがとても便利になりました。
※全エディションに対応
外部シンセ音源の使用について
外部シンセ音源をより簡単に使用することが可能になりました。
この機能は使用する外部シンセをあらかじめ登録しておくことで、より簡単に楽曲へサウンドを取り入れることができるようにするためのものです。
エフェクト機能がリニューアル
Studio One に付属する純正エフェクト・音源がリニューアルされ、高機能に進化しました。
リニューアルされたエフェクトは以下の通りです。
- Analog Delay:状態空間モデル・ドライブ・ステージと向上した[Width]コントロール
- Autofilter:状態空間モデル・ドライブ・ステージ
- Beat Delay:[Width]コントロールの向上
- Chorus:[Width]コントロールの向上
- Compressor:外部サイドチェーン入力のフィルター
- Expander:外部サイドチェーン入力のフィルター
- Fat Channel XT:外部サイドチェーン入力
- Gate:外部サイドチェーン入力のフィルター、[Threshold]コントロール統合
- Limiter2:外部サイドチェーン入力、新カーブ・モード、新アタック・モード(高速、標準、低速)
- Multiband Dynamics:外部サイドチェーン入力
- Pedalboard:オートパン・モジュレーションの向上
- Phaser:[Soft]モジュレーション・モードと[Stereo Spread]コントロールの追加
- ProEQ2:12dB/24dBモードのフェーズリニア低域EQ(20Hz/50Hz/80Hz固定)、入力メーター表示、1/12オクターブ分析モードとキーボード・オーバーレイ、調整可能なメーター範囲、サイドチェーン入力のピークホールドメーター機能
- Rotor:状態空間モデル・ドライブ・ステージ
- Tricomp:状態空間モデル・ドライブ・ステージ、外部サイドチェーン入力、新アタック・モード(高速、標準、低速)
続いてはStudio One 5 Primeのダウンロード方法について解説していきます。
Studio One 5 Primeのダウンロード方法
Studio One 5 PrimeはPreSonusの公式ホームページからダウンロードすることができます。
- 公式ホームページでメールアドレスの登録とパスワードの設定を行い、アカウントを作成。
- マイページからStudio One 5 Primeのインストーラーをダウンロード。
以上の手順でダウンロードします。
既にPreSonus製品を購入しアカウント作成している方や、1つ前のバージョンのStudio One 4 Primeをダウンロードしている方は、その時に作成したアカウントでマイページにログインしてダウンロードすることが可能です。
ダウンロードした後にインストールをしたら必ず行うのが初期設定ですが、この方法は以前のバージョンと全く同じですので「DAWソフトStudio One 4 Artistの使い方!DAWソフト性能やプラグインも詳しく」の基本設定を参考にしオーディオ・インターフェイスとMIDIの設定を行って下さい。
まとめ
Studio One 5について解説してきましたが、最新バージョンで最も良い点は他社のプラグインを初期状態で追加できるようになったことです。
Studio One 4まではProfessionalのみに対応しており、Artistでは拡張機能を購入しなければ他社プラグインは使用できませんでしたし、この拡張機能自体が販売中止になっていたのでArtistは非常に中途半端なグレードという位置づけでした。
しかし、最新バージョンではこの部分が改善されたので、Artistでも幅広い楽曲制作が可能になりました。
※現在もStudio One 4 Artistはプラグイン追加の拡張機能を使用できませんので購入する方は注意が必要です。
- ArtistとProfessionalは初期状態で他社プラグインの追加が可能。
- MIDIを五線譜表示するスコア・モードの追加。
- デフォルトのエフェクト機能がリニューアルし高機能に進化。
この3つが最新バージョンの良い部分です。
個人的にはStudio One 5 Artistがあればハイクオリティーは楽曲制作が可能だと思いますので、初心者の方はPrimeを使用して気に入ればArtistを購入すると良いと思います。
この記事をStudio One 5を使用する際の参考にしてみて下さい。