エレアコを含むアコギは自宅練習や夜間に練習するには音量が大きく、騒音になってしまいますので、意外と練習場所に困ってしまう楽器です。
音量が大きいからといって、音量を抑えるような弾き方(弦を撫でるように弱くピッキング)をしてしまっては楽器本体の鳴りを出すことができません。その上、音量を抑えて弱く弾く癖が付いてしまうと、リハやライブなどで演奏する場合に支障が出てしまいます。
そのような時に使用するのが消音グッズと呼ばれるものです。
今回はおすすめのアコギの消音グッズ(サウンドホールに使用する消音グッズやサイレントピック)の紹介をしていきます。
まずは、アコギの消音で必要なことから始めます。
アコギの消音で必要なこと
アコギは「弦振動をボディーで増幅させる構造の楽器」ですので強く弾けば当然、大きな音が鳴ります。
しかし、普通のピッキングで弾いても、それなりの音量(近所迷惑になるレベル)が鳴ってしまいます。
その結果、先程も解説したように非常に弱く、撫でるように弾かない限りは音量を抑えることができませんが、これでは様々な支障が出てしまいます。
音量を抑えるために必要なことは以下の通りです。
- 弦振動を増幅させるサウンドホールを塞ぐ。
- 弦振動を抑えてしまう。
- サイレントピックを使用する。
- サイレントギターを使用する。
この4つの方法がありますが、これらの消音グッズにもメリットとデメリットがあります。
メリット
消音グッズを使用することで音量を抑えることは可能です。
しかし、抑えたとしても集合住宅や夜間に演奏すれば近所迷惑になるレベルの音量は出ます。このグッズは本来の音量を若干、抑えることができるくらいです。
デメリット
楽器本来の鳴りを抑え込むので演奏に支障が沢山、出ます。
- サスティン(音の伸び)が無くなる。
- 楽器を鳴らす弾き方が身に付かない。
- 消音することで演奏しにくくなる。
- 消音グッズを使用した弾き方の癖が付いてしまう。
以上のようなデメリットが挙げられます。
サスティンが無いので長い音は伸ばせませんので弾きにくくなります。楽器を鳴らす弾き方ができなくなると演奏力が向上しません。
また、無意識のうちに消音グッズを使用した状態で楽器を鳴らそうとしますので、独特のピッキングの癖もついてしまいます。この癖が消音グッズを外した際に演奏に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
このようなデメリットがある上に、それなりの音量が鳴りますので、個人的に消音グッズはできるだけ使用しない方が良いと思います。
もし使用する場合は消音グッズを使用したことによる演奏の癖がつかないように、常に意識して演奏して下さい。
サイレントギターについては
「サイレントギターとエレキギターの違い!音量や使い方を解明」をご覧下さい。
続いては、アコギの消音グッズおすすめ10選を紹介していきます。
アコギの消音グッズおすすめ10選
D’Addario Screeching Halt PW-SH-01
このグッズはサウンドホールを塞いでしまうものです。ギターのサウンドホ―ルはスピーカーの役目をしていますので、これを塞ぐことで消音になります。
サウンドホールですが、本来の音量を半分にすることもできません。若干、音量が下がるレベルです。
PW-SH-01の使用方法
写真の用にサウンドホールに取り付けて使用します。
サイレントピック SP-3
ピックの構造を変え、弦へのアタック感を減らして消音する仕組みです。
サイレントピックは、この形状のものしか販売されていませんし、これに慣れてしまうと普通のピックに持ち替えた時に弾きにくく感じてしまいます。
更に、1度慣れたピックから他のピックに持ち替えると、慣れるまでに、それなりの時間がかかりますので注意して使用して下さい。
PICK BOY MU-70G GR EASY MUTE
こちらはブリッジに取り付けて使用するグッズです。
弦を軽いブリッジミュート状態にして音量を抑える仕組みですので、音の伸びが無くなります。消音と言うよりも音を常にスタッカート状態にして、音を響かせないようにしてしまうものです。
Slowhand サウンドホールカバー
こちらもブリッジに取り付けて使用する消音グッズです。弦振動を抑え込んで音量を下げるので、音が伸びなくなります。
イージーミュートよりもミュートする範囲が広いので音の響きはかなり抑えることができます。
スーパーミュートシリーズ「マイミュート」
手作り楽器工房ミネハラが販売しているスーパーミュートシリーズの「マイミュート」です。
こちらもブリッジの取り付けて使用しますが、取り付ける位置が他のグッズよりもテイルピース寄りですので音の伸びは、他のグッズよりは無くなりません。その分、音量は大きくなります。この形状なので演奏時に邪魔になる可能性があります。
ブロックプロテクター
サウンドホールに取り付けるタイプです。デザイン性がありますが、空洞がありますので最初に紹介したダダリオ製のものより音量は大きくなります。
弦楽器専用ミュート 弱音器 GG-022263
ギターに限らず、あらゆる弦楽器に使用可能な消音グッズです。ブリッジに取り付けて使用するタイプのものです。こちらもミュートするグッズですので、音を響かせないようにする効果があります。
ギターサウンドホールカバー
サウンドホールに取り付けて使用するタイプです。このようにデザイン性のあるものも販売されています。消音効果はどれも同じです。
練習用ミュートパッド
ブリッジ側の弦をミュートして消音します。こちらも弦振動を抑え込みますので。音の伸びは無くなり、響きも抑えられます。
サイレントギター
消音グッズではありませんが、サイレントギターを使用する方法もあります。
それなりの音量は出ますが、アコギよりは音量が小さいです。
代用できるものとおすすめ消音方法
専用の消音グッズを使用しなくても、自宅にあるもので代用することが可能です。
タオルでミュートする方法
写真のようにタオルでサウンドホールを塞いで、消音することができます。
この方法は専用のサウンドホールカバーを使用するよりも、消音効果がありますのでおすすめです。(もっと効果があるものは毛布です)
ティッシュを使用する方法
写真のようにブリッジ側にティッシュ(タオルでもOK)を挟む方法もあります。
専用の消音グッズと殆ど効果が変わりませんので、こちらもおすすめの方法です。
おすすめの消音方法
個人的におすすめの消音方法は、サウンドホールをブランケットで塞ぎ、ナット部分にティッシュ、ブリッジ側にギタークロスを挟んでしまう方法です。
これは非常に消音効果があります。もちろん音は伸びませんし、弾きにくくはなりますが消音グッズの何倍も音量を抑えることが可能です。
まとめ
アコギには様々な消音グッズがありますが、消音グッズにはデメリットが多いので消音グッズを使用した演奏の癖が付かないように注意が必要です。
日頃から消音グッズを使用していてライブで突然、消音グッズを外すと演奏の感覚が変わっていしまい、上手く演奏することができません。
また、消音グッズを使用していると強弱の付け方やロングサスティンを出す演奏方法が身に付かないというデメリットもあります。
ギターはフレーズを正確に弾くだけではなく、強弱や楽器を鳴らす弾き方もできなければいけませんので、できるだけ消音グッズは使用せず練習するようにして下さい。
この記事を消音グッズの購入や使用の参考にしてみて下さい。