金管楽器の中でも高音域を担当するトランペット。
高音を出すテクニックと共にマウスピース選びが重要ですね。トランペットのマウスピースにもいろいろな種類がありますが、その中でも高音域を出しやすいマウスピースって存在するのでしょうか。
今回は各社のマウスピースの種類を探って、高音が出しやすいマウスピースがあるのかどうか調べてみました。
自分に適したマウスピースに出会って、高音をバリバリ吹くトランペットプレイヤーになりたいですね。
目次
トランペットのマウスピースで高音を出しやすいのは「リム内径の大きさ」が小さいもの・「カップの深さ」が浅いもの
まず、高音がキレイに出る傾向にあるマウスピースにはどのような特徴があるのか、どこを見て選べば良いのか、構造やポイントをまとめてみます。
リム
リムは唇が直接当たる部分の事で、非常に重要な部分です。
基本的に全体の色と同じシルバーで出来ていますが、リムだけゴールドになっているものもあり、そちらですと口当たりが少し柔らかくなります。
リムに厚みのあるものは長時間演奏がしやすく、高音域を出すのは比較的簡単ですが、音のコントロールが難しい傾向にあります。
リムが薄いものは音のコントロールがしやすいため、高音から低音まで音が出しやすいですが、唇がバテやすい欠点があります。
リムの厚さ | リムが厚い | リムが薄い |
長所 | 高音を出すのが簡単 | 高音から低音まで音が出しやすい |
短所 | 音のコントロールが難しい | 唇がバテやすい |
リム内径
リムの内側の◯(空間)の大きさです。
大きい場合は低音域が安定して大きな音が出しやすいですが、息が入っていく入り口が大きい分、演奏の持久力が必要です。
小さい場合は高音域が出しやすいですが、唇が震えて息が入る部分が小さいため、音量が小さくなります。
リムの空間の大きさ | リムの空間が大きい | リムの空間が小さい |
長所 |
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短所 |
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カップ
カップはリムからおわん状にすぼんでいく部分です。
カップの深さがあると中低音が出しやすく、太く柔らかい音が出ます。
カップが浅いと高音が出しやすく、鋭くハリのある音になります。
カップの深さ | カップが深い | カップが浅い |
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スロート
スロートはカップを経て息が細く入り始める部分になります。
スロートが細くて長い場合、息の抵抗が大きくて音が出しやすいです。
スロートが太くて短いと、楽な息で吹けますが、音が大きく出過ぎてしまい疲れやすい傾向にあります。
スロート | 細くて長い | 太くて短い |
長所 |
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短所 |
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バックボア、シャンク
スロートを経て、マウスピースから楽器に息が入っていく最終部分がバックボアと言い、バックボアの外側(マウスピースのみで音出し、バズィングをする際に手で持つ部分)をシャンクと言います。
音色や音の出しやすさ等に変化が出ない場合が多いですが、あえて気にする部分があるとすれば、シャンクと楽器をはめ込んだ際にグラつかないかは気にしましょう。
ちなみにマウスピースを楽器に装着する際は、止まるまで差したら時計回りに回しながら少し差し込むとしっかりはまります。
楽器を逆さまにしても取れません。
楽器からマウスピースを抜く際に、反時計回りに回しながら抜けば取れますが、無理に抜き差しすると破損の原因になりますので、慣れるまでは慎重に行いましょう。
マウスピースを部分ごと見て、音にどのような影響があるかをまとめました。高音域をキレイに出すために見たいポイントは「リム内径の大きさ」が小さいもの「カップの深さ」が浅いもの、ですね。
「リムの厚み」に関しては各個人の身体の作りや経験(楽器のコントロールがうまくいくか、体力があるかどうか)で厚みに好みが出るかなと感じました。
高音域をキレイに出すための楽器のポイント
- リムの内径の大きさが小さい
- カップが浅い
- リムの厚みは好みによる
マウスピースの箇所ごとの特徴を踏まえ、各主要メーカーが販売しているマウスピースで高音がキレイに出やすいマウスピースはどのようなものがあるのでしょうか。
次項からメーカーごとに調べてみます。
ヤマハで高音がキレイに出やすいものはこれ!
まずはヤマハのマウスピースをみてみましょう。
色々な種類の中でリム内径が小さくカップが浅いものを、リムの厚いものと、標準〜薄いもので分けてまとめてみました。
リムの厚いもの
- 5A4
- 6A4a
- 7A4
- 7B4
- 11A4
- 11A5
- 13A4a
- 14A4a
リムが標準〜薄いもの
- 11B4
- 13B4
以上が高音域が出やすい傾向にあるマウスピースとなります。
頭の数字がこれ以上大きくなると、リム内径が大きくなります。
真ん中のアルファベットがC以降になるとカップが深くなり、高音域を吹くにはコツやテクニックが必要になってきます。
ちなみにヤマハのマウスピースには、プロジャズトランペッターとして有名なエリックミヤシロさんがプロデュースしたマウスピースもあります。
リム内径が小さく、リムもカップも薄く浅いモデルです。音質が吹奏楽に向くかどうかは不明ですが、試してみても面白いかも知れませんね。
次にトランペットのマウスピースで誰もが一度は使った事があると思われる、ヴィンセント・バックのマウスピースをご紹介します。
ヴィンセント・バックで高音がキレイに出やすいものはこれ!
次にアメリカのメーカーのヴィンセント・バック(通称バック)で高音域が出やすい傾向にあるマウスピースをご紹介します。
こちらも同じく、リムの厚いものとリムが標準〜薄いものを分けてまとめてみます。
リムが厚いもの
- 10C
リムが標準〜薄いもの
- 5SV
- 7D
- 10-1/2C
調べてみると、バックのマウスピースはカップが標準〜深いものの割合が多かったです。
ハリのある高音を出すより、音域全体的に深みのある音色を求めて作成しているのかなと感じましたが、その中でも型番の前半の数字が大きくなるとリム内径が小さくなる傾向にありますので、高音域をキレイに出すには前半の数字を見て選ぶと良いでしょう。
次に、同じくアメリカのメーカーであるシルキーだとどうでしょうか。
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シルキーで高音がキレイに出やすいものはこれ!
次にシルキーのマウスピースで高音域が出やすいマウスピースを調べてみます。バックに比べるとマウスピース一つあたりの値段が高めですが、値段に見合う価値があります。
シルキーのマウスピースはリムの厚さではなく、唇が当たる部分が丸みを帯びているか真っ平らかという表記しかありませんでしたので、リム内径とカップの深さを見てセレクトします。
- 6A4a
- 7B4.
- 12A4a
この他にもリムの内径が大きくなるがカップが浅いものも沢山ありますので、もし試奏をされる場合は前半の数字が大きく、その次のアルファベットがAのものを出してもらいましょう。
最後に、イギリスのメーカーであるデニスウィックだとどうでしょうか。
デニスウィックで高音がキレイに出やすいものはこれ!
イギリスのメーカー、デニスウィックで調べてみましょう。
デニスウィックとは著名なトロンボーン奏者でありますが、トランペットのマウスピースだけでなく、トロンボーンやユーフォニウムのマウスピースを考案したり、ミュートを作製している会社を設立しております。
こちらはリムが厚いものと、リムが標準〜薄いものに分けてご紹介します。
リムが厚いもの
- 5
リムが標準〜薄いもの
- 3C
- 3E
- 4C
- 4E
デニスウィックのマウスピースはカップが浅いとリムが薄めに作られており、カップが浅くてリムが厚いものが少なかったです。
リムが厚くて先頭の数字が大きくなるとリムの内径が小さくなります。高音域が吹きやすいマウスピースだと、中低音の鳴りが薄くなってしまうかもしれません。
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まとめ
いかがでしたか?各マウスピースメーカーで高音域が出やすいマウスピースを何種類も販売していますね。
高音域はトランペットならではのカッコよさを持ち合わせていますので、マウスピースを選ぶ際は上記記事を参考にしてもらいながら、華々しくカッコよくトランペットを吹いている姿を想像しながら選べると楽しいですね!
早速、まずは試奏をしてみてはいかがでしょうか!