レスポールタイプのギター等に主に搭載されているハムバッカーピックアップ。
ノイズのも強くパワフルな音を出す事が出来るハムバッカータイプのピックアップは非常に人気のピックアップです。
そのハムバッカータイプのピックアップにはピックアップのカバーがついてる事がほとんどです。
このカバーの役割や付いている時や外した時の音の違い、実際にはどれ位あるのか?正しい外し方や取り付け方があるのか疑問に思ってる方もいらっしゃると思います。
今回はハムバッカーカバーの正しい取り付け方と外し方をご紹介させて頂きます。
目次
ハムバッカーカバーによる音の変化
取り付けた時
ハムバッカーのカバーを音への影響で考えた時にはいわゆる「ノイズ」という部分への影響が考えられます。
ハムバッカーのカバーの役割はアースの役割になりますので取り付けている状態ではノイズの対策ができるようになります。
ノイズの対策ができるという事は一定の高音域の音も失っている事になりますので太くて中低音域のが残り輪郭が明確ではない丸っとした音になります。
外した時
逆にカバーを外した場合にはノイズ対策を失う事にはなりますが高音域の音を失わないで済むようになります。輪郭が明確になりハッキリしていてザックっとした音を出す事ができるようになります。
ハムバッカーのカバーは実際何の意味も付いてるワケではありません。そこにそれがあるという事には正しい意味があります。音に関しては好みの問題もあります。
では、そのカバーをどうやって取りつければいいのか?外せばいいのか?を次にご紹介します。
ハムバッカーカバーの正しい取り付け方
ハムバッカーのピックアップのカバーは見てわかる通り弦の下にあります。まずは弦を外す事から始めましょう!
ピックアップカバーは取り付けるだけと思っている方もいらっしゃいますが、取りつける際には作業がありますので弦を傷めてしまう事もありますし、音を出す上でとても大事な部分です。出来るだけ丁寧に進める事をオススメします。
カバーを取り付ける際もまずは弦を外してピックアップをギター本体から取り出さないといけないという事は間違いなく覚えておいてください。
オーソドックスで確実な方法としての手順をまずはご説明します。
まずピックアップをギター本体から取り出します。取り出したピックアップにピックアップのカバーをかぶせるのですがピックアップの本体とピックアップのカバーは装着の際にハンダ付けやロウを溶かして隙間をふさぐ作業をしないといけません。ですのでそもそもカバー以外にもハンダやロウが必要になります。この手順をしない方法で簡易的な方法もありますがそれを怠るとせっかくカバーを付ける意味がないぐらいまともな音ができなくなる事があります。ですので必ず準備をしてください。
①ピックアップカバーの穴をふさぐ
ピックアップカバーにある穴をまずはマスキングテープ等のすぐにはがせるものでまずはふさいでください。これはロウを溶かしたさいに流れでないようにする為です。
②ピックアップカバーにロウを入れる
ピックアップカバーとピックアップ本体が接する面にロウのカタマリ入れます。量としては溶かした際に全体に行き渡りカバーと本体にスキマをキッチリふさぐ事ができる量です。つロウはハウリングの防止になりますのでしっかり付けるようにしましょう。
③ロウを溶かす
ロウを溶かす為に低温で温めましょう。ロウが溶けて全面に行きわたれば大丈夫です。高温で温め過ぎたり長時間温めないようにしましょう。
④ピックアップ本体をはめる
ロウが溶けている間に速やかにカバーに本体を押し込みます。その際必ずしっかりと押し込むようにしてください。ポールピースをしっかり穴にはめ込む様な感覚ではめ込んで下さい。浮かないようにしっかり押し込む事が大事です。
⑤ハンダ付けをする
ピックアップ本体とピックアップカバーをハンダ付けします。ロウだけでは固定するには弱いのでピックアップカバーがピックアップから取れないようにするイメージです。引っかかりを作るようなイメージでも大丈夫です。
⑥余分なロウを取り除く
ロウが固まったら余分なロウをしっかり取り除いて下さい。特に表面の穴、ポールピースのあたりにはロウが付着しているはずですので必ず取り除いでください。
⑦ピックアップをギター本体に取り付ける。
ピックアップをギター本体に戻せば取り付けは完了です。全体的に拭いて弦を貼って音を出してみて確認までする事をオススメします。
以上がピックアップの取り付け方になります。簡単なようで手間のかかる部分もありますが自分でやる事で愛着がわく事もありますので是非試してみてください。
ちなみに逆にカバーを外すとどうなるのかを次でご紹介しますね。
ハムバッカーカバーを外すとどうなるの?
ピックアップのカバーを外した場合に関してですが、音に関しては先ほどもご説明した通り輪郭のハッキリした高音域も感じる事が出来る音に変化します。
しかしカバー自体にはノイズ対策の意味もありますのでノイズの影響を受けるようにはなってしまいます。
ノイズに関しては対策の取り方もありますので減らす事もできます。基本的には音の部分では好みという部分がどちらにするのかを選ぶ理由になると思います。
そのノイズ対策としての意味意外にはカバーとしてカバーらしい意味があります。それはピックアップ本体を守る役目です。
ピックアップは銅線をぐるぐるに巻きつけたコイルです。
これが切れてしまっては終わりです。ですので保護する意味も大きくあります。
外す場合はそのリスクも考えて外すようにしましょう。
ではそのピックアップカバーの外すタイミングとはあるのでしょうか?次にそのタイミングをご説明します。
ハムバッカーカバーを外すタイミング
ハムバッカーのピックアップを外すタイミングは基本的には自由です。
音やノイズ等に関しての心配はあるとは思いますがリスクを理解していれば付いているモノを外したければすぐにでも外せばいいと思います。
しかし、外す事においても作業工程があります。ただ闇雲に外せるというわけでもないので弦等を交換するタイミングで一緒にピックアップも外す事がよろしいと思います。
弦に関してはおそらく月に一度は交換されると思います。外したい気持ちが芽生えたらそのタイミングでカバーを外す事に必要なモノを揃えて外す事をオススメします。
ハムバッカーカバーの正しい外し方
先ほどハムバッカーのピックアップカバーの正しい取り付け方をご紹介しましたが、基本的に外し方はその逆の手順にはなりますが、必要になるものが少し変わってきます。60W以上のパワーのあるハンダゴテやハンダ吸い取り線等が必要になります。必要なモノを準備しないとピックアップ自体を傷めてしまう事につながるので必ず準備をしてください。
①ピックアップを取り出す
まず弦を外しピックアップをカバーごとギター本体から取り出してください。この際必ずギターの弦は外すようにしてください。弦を傷つける事になります。
②ハンダを溶かす
ピックアップを裏返しハンダ付けされている部分を、パワーのあるハンダゴテで一気に溶かして下さい。この際弱いハンダゴテで長時間温めてしまうピックアップ本体の故障に繋がります。出来るだけ強いもので一気に溶かすようにしてください。
③ハンダを吸い取る
ハンダ吸い取り線等を使い溶けたハンダを一気に吸い取ってください。基本的に取り外す際はどの工程も速やかに行う事が大事です。
④ピックアップカバーを取り外す
ハンダを溶かして吸い取ればピックアップ本体からカバーを取り外す事が可能になります。速やか取り外すようにしてください。ロウが溶けないように気をつけて下さい。
⑤汚れを取り除く
ピックアップ本体に付着している汚れを取り除くようにしてください。ピックアップ本体カバーを外した時点でギターに戻したくはなりますがこの工程は大事です。必ず汚れを取り除いてください。音にも影響がでます。
⑥ギターにピックアップを戻す
ギター本体にピックアップをはめ込んで弦を張ってカバーの取り外しては終了になります。必ずこのタイミングで音出しをしてください。音出しをしないままにして大事な時に実は音が出ない状態だったという事を防ぎましょう。
以上がピックアップカバーの取り外しの工程になります。ピックアップも精密機械です。取り外しの際に傷をつけないように気をつけて下さい。
ダイレクトマウント
ダイレクトマウントは弦の振動だけではなく、ギター本体の振動をもピックアップに拾わせる取り付け方です。
本来ピックアップはエスカッションに吊るされた状態ですので、ギター本体の振動を100%拾うことはできません。
ダイレクトマウントはピックアップを吊るしているエスカッションを取り外し、ボディーに直接ネジで組み込みます。
このようにボディーとピックアップを密着させることで、ギター本体の振動を拾わせ、楽器の鳴りを最大限に活かすことが可能になります。
ダイレクトマウントのやり方
ダイレクトマウントの方法は非常に簡単です。
ピックアップのエスカッションを取り外し、ギター本体にネジ穴をあけて直接、取り付けます。
電動ドライバーを使用すると簡単ですが、無い場合は、キリでネジ穴をあけてドライバーで取り付けてください。
自分で取り付けるのが不安な方は、楽器店にお願いすると良いと思います。
また、エスカッションを取り付けて元に戻すことも可能です。
メリットとデメリット
続いてはダイレクトマウントのメリットとデメリットを解説したいと思います。
メリット
メリットの1つは既に解説した通り、ギター本体の鳴りを最大限に生かせることです。
具体的な音の変化ですが、まず音が非常にタイトになります。
そしてサスティン(音の伸び)が良くなるというメリットがあります。
これらはエスカッションで吊るされた状態では、決して得ることのできない効果です。
デメリット
ダイレクトマウントをするとピックアップの高さの調節ができなくなります。
弦から遠い位置にピックアップを設置することになるので、音量が小さくなります。
これにはピックアップとギターの間に、スポンジを挟んで高さを調整し対処します。
※この時にピックアップのコイルを傷つけないように注意が必要です。
スポンジを詰めることでハウリングの防止にもなりますので、音量が気になる方は是非、試してみてください。
スポンジを詰める他の対処法としては、機材のボリュームを上げてしまう方法もあります。
まとめ
今回はハムバッカーピックアップの正しい取り付け方と外し方をご紹介させて頂きました。
ご紹介したようにピックアップカバーには音への影響やピックアップ本体を守る効果などもあります。ですが、ギターは勿論ルックス面も大事な要素だと思います。
カバーに関してはルックス面も一つの選択の要素になると思いますのでどちらが好みかで選ぶ事も良いと思います。
そもそもハムバッカーはパワーのある太い音を出す事が出来るピックアップですし、ノイズにも強いピックアップです。
その音やノイズへの影響が理由で購入する方も多いと思います。どちらにしても思い切った選択ができるのもハムバッカーピックアップだと思います。
但し、ピックアップカバーを取り付けるにしても外すにしても適切な方法で行う事は非常に大事です。
エレキギターにおいてのピックアップは音を出す事の最も重要なパーツだと言っても間違いではありませんので取り付けをする際も取り外しをする際も必ず適切な方法で行うようにしましょう。
ピックアップカバー等も自分で交換する事でギターへの愛着もより深いモノになるとおもいます。
素敵な音楽ライフを楽しみましょう。