アコギの弦高ってどれくらいがいいの?測り方は?弦高で何が変わるの?
手軽に始められてとても楽しいアコギですが、弾きやすさやサウンドにとても影響の大きい弦高調整。
そもそも、弦高って何?どうやって測るの?どうやって調整するの?という疑問をお持ちの人も多いのではないでしょうか。
そこで、今日はお勧めの弦高と調整方法について、参考動画と一緒に紹介いたします。
ギターを買ってからまだ弦高を気にしたことがないという人も、
弦高を見直すきっかけになりますので、ぜひ最後までお読みください。
アコギの弦高の測り方は?
アコギの弦から指板までには隙間がありますが、この隙間の幅が弦高と言われています。
アコギでの弦高はどうやって測るのか、基本的な手順を紹介します。
弦高は12フレットで測る
ギターの弦高は12フレットの部分で測ります。
ギターの弦はブリッジからネックまで隙間が異なりますので、12フレット部分での高さを確認します。
12フレットの頂点部分から弦までの隙間を定規等で測ってみてください。これが弦高です。
各メーカーから販売されている、専用の弦高チェックゲージも便利です。
弦高を測る前に、ネックの反りを確認!
ネックが反っていると弦高が正しく測れません。
弦高を測る前、調整する前には、ネックの反りがないかどうかを確認しておきましょう。
ネックの反りについては、自信の無い方は楽器屋さんで見てもらうと確実です。
弦高を測るコツとセッティング方法
弦高は各弦の高さを一定にする必要はありません。
弦は1本1本の太さが異なりますので1弦に向かうにつれ弦高は低くなっていくセッティングにします。また、指板にRがついているギターに関しては4弦と3弦が他の高くなります。
これらを把握した上で5F~15F間で自分好みの高さを決めてミリ数をメモしておき、定期的に測るようにします。
よくあるのは気分的に弦高を変更したものの失敗し、元に戻そうとしたけど元のセッティングにならないということです。しかし、このようにすれば気分的に弦高を変えたい時にセッティングに失敗しても元に戻すことが可能です。
更に5F~15F 間で測るようにしておくとネックの反りにもすぐに気付くことができるので便利です。
高さの目安は?
弦高には目安があるのでしょうか。
ここでは、標準的な弦高の目安について紹介いたします。
標準的な弦高の目安
12フレットで測定した場合の標準的な弦高です。
標準的な弦高
6弦 2.4mm
5弦 2.2mm
4弦 2.1mm
3弦 1.9mm
2弦 1.8mm
1弦 1.6mm
高めの弦高、低めの弦高
高めの弦高、低めの弦高の目安です。
高めの弦高
6弦 2.8mm
5弦 2.6mm
4弦 2.5mm
3弦 2.3mm
2弦 2.2mm
1弦 2.0mm
低めの弦高
6弦 2.2mm
5弦 2.0mm
4弦 1.9mm
3弦 1.7mm
2弦 1.6mm
1弦 1.4mm
いずれも弦のゲージ(太さ)やメーカーによっても多少異なるため、大まかな目安としてください。
調整方法は?
アコギの弦高を調整する方法を紹介します。
アコギの弦高の調整方法は?
自分で調整する方法と、専門店で調整する方法があります。
エレキギターの場合には弦高調整が比較的やりやすいのですが、アコギの弦高調整は難易度が高く、自分で調整するのはお勧めできません。
弦高には、弦の太さ(テンション)、ネックの反りが関わってくるため、単純に弦高を変えるだけではギターのバランスが崩れてしまいます。
弦高を調整しながらネックの状態もみて、音や弾きやすさを自分好みに調整していくことが楽しめる人は、一度チャレンジしてみてもいいかも知れません。
ただし、取り返しの付かない失敗になってしまう場合があるので、失敗しても良いアコギで試してください。
弦高調整のやり方
それでも自分で弦高調整をやってみたいという人もいると思います。
自分でできる弦高調整のやり方を紹介しますが、くれぐれも自己責任で実施してください。
アコギの場合、ナット(ヘッド側)とサドル(ブリッジ側)それぞれを調整していきます。
エレキギターは六角レンチなどでクルクル回すだけで弦高が調整できますが、アコギの場合には部品を外して削るという作業が必要です。
そのため、基本的には今よりも弦高を下げることしかできません。
弦高をあげるには、まだ削っていない新たな部品を取り付けて、そこから削って調整していくことになります。
サドル(ブリッジ側)の調整方法
まず弦をすべて外してから、サドルをペンチなどで丁寧に引き抜きます。
接着されている場合もあり、無理に力を加えるとサドルが割れることもあるので慎重に作業してください。
引き抜いたサドルに削る部分を鉛筆やペンで印をつけておきます。
12フレットで弦高を測るため、例えば1mm弦高を下げたいとすると、サドル側は1mm以上削ることになります。
削りたい幅まで印をつけて、後はヤスリやサンドペーパーで削っていきます。
削り終わったら元に戻して、弦を張りチューニングをして弦高を測ります。
一気に削らずに、少し削っては弦を張ってチューニングし、弾きやすさとサウンドをチェックしてみてください。
なお、サドルはきれいにボディに密着している方が良く鳴ると言われています。
隙間ができないように、丁寧にまっすぐ削るようにしてください。
ナット(ヘッド側)の調整方法
ナットは通常ヘッドに接着されていますので、当て木を当て軽くハンマーでナットを叩きながら外していきます。
この時にネックの溝が割れてしまうことがあるので注意して作業してください。
外したナットをヤスリやサンドペーパーで削っていきますが、ナットの調整はサドルよりも繊細です。
ナットに近い部分は音がビビりやすいため、一気に削り過ぎないようにしてください。
弦高調整は、少し調整しては弦を張ってチューニングしてチェックを繰り返す根気のいる作業です。
注意!取り返しの付かない失敗例
エレキギターでの調整と違い、アコギはパーツを削って弦高調整するため、基本的にやり直しができません。
その中でも特に注意の必要な、取り返しの付かない失敗例を紹介します。
パーツ破損
サドル、ナットを引き抜くときに、力が入り過ぎて割れてしまうことがあります。
また、パーツを破損するだけでなく、ネックやボディが割れてしまう恐れがあります。
ネックの反り
ネックの反りを調整、弦を緩める、弦高調整、弦を張る、チューニング、ネック調整と、一度の作業でギターには相当な負担がかかっています。
自分では調整できない程度までネックが反ってしまう可能性もあるため要注意です。
お店で弦高調整するときの費用は?
専門店で弦高を調整するときの費用はいくらくらいかかるのでしょうか。
店舗により異なりますが、弦高調整だけだと約3000円です。
ただし、弦高を調整する際にはネック調整やナット、サドルの交換が発生することがあり、その場合にはそれぞれ5000円~1万円の作業費が発生します。
現在のギターのコンディションによりかなり費用が変わってきますので、ギターを持ち込んでお店で確認してください。
弦高の調整については参考となる動画を紹介します。
高めにメリットはある?
アコギのプレイスタイルも多様化してテクニカルになっているので、低めの弾きやすい弦高が最近の主流となっています。
高めの弦高にしかないメリットを紹介します。
高い弦高のメリットは?
弦高を高くすることのメリットは、ギターのサウンドです。
クリアで張りのある音が出すために高めに調整しているギタリストもいます。
好みがあるため、どちらが良い音かは人それぞれの感じ方になってしまいますが、弦高の高いギターは鳴りが良くてビビり音のノイズが少ないのが特徴です。
弦高の下げ方は?
弦高を下げるには、ナット(ヘッド側)とサドル(ブリッジ側)を少しずつ削って調整します。
パーツの取り外しも難易度が高く、専門店に任せる方が安心できますが、どうしてもやってみたいという人は失敗してもいいギターで試してみましょう。
くれぐれも自己責任でお願いしますね。
アコギの弦高の下げ方
アコギで弦高を下げるには、ナット(ヘッド側)とサドル(ブリッジ側)のパーツを削ることになります。
どちらを先に削るかというと、サドル側から削ってみるのがオススメです。
サドルを少し削ってみて調整して、バランスを見て必要な場合にナットを削ると良いでしょう。
音がビビる?弦高を下げるときの注意点
弦高を下げる場合にはパーツを削っていくことになりますが、少しずつ削ることが重要です。
一気に削ってしまうと、弦高が低くなりすぎてビビり音が出てきてしまいます。少しずつ調整してみてください。
<アコギの人気記事はこちら>
⇒アコギの弦の張り方・巻き方!マーチン巻きの正しいやり方も!
まとめ
ギターの弦高は弾きやすさやサウンドにとても影響のある要素ですが、自分で調整することは非常に難しいです。
好みのサウンドやプレイスタイルを相談しながら、専門店でやってもらうと良いでしょう
自分でどうしてもやってみたい人は、手順を参考にして少しずつ調整してみてください。
調整する度に弦を張りなおして弾いて確認することになるので、何度も何度も弦を張り替えることになります。
一度の調整ではっきりと違いがわかる程パーツを削ってしまうことが無いように、少しずつ調整することがオススメです。
長い時間をかけて自分でメンテナンスしていくと、これまで以上にギターに愛着がわいてくるかも知れません。
ギターショップで試し弾きする時にも弦高を意識してみて、好みのサウンドを探してみてくださいね。