弦を変えた際や、季節の変わり目(湿度が変化する時期)など、
弦がフレットに触れ、”ビリビリ”と音がでることで悩む方は多いのではないでしょうか。
ビビりによって影響が出るのが、サスティーンの減少です。
また、ビビりではないけれども、”音が詰まってしまう”、”音が割れる”というのも
不具合による悩みとしてよく耳にします。
本記事では、「弦がビビる、音詰まり、音割れで困っている」という方に向けて、
それらの原因と対策をご紹介します。
エレキのべンディング中にビビるのはなぜ?
弦のビビりは、振動する弦がフレットに触れることによって、生じる音になります。
そのため弦高が低い場合におこりやすいです。
弦がビビる要因として大きく以下の3つがあります。
- ネックの反り
- フレットの劣化・消耗
- 弦高の影響
後ほど詳しく見ていきますので、ここでは大まかに影響がある要因を抑えておけばOKです。
また、弦がビビりはじめた際に、なにかキッカケ(弦をはりかえた、弦高を調整した、など)があったのか、いつから症状があるのか、等を詳しく認識しておきましょう。
アンプに通した際の出音にも影響があるため、原因と対策方法を確認しておきましょう。
ビビる箇所別対策
では、ビビりが生じている箇所別に、考えられる原因と対策を見ていきましょう。
開放弦
開放弦のビビりは、”ナット”と呼ばれるパーツに起因することが多いでしょう。
指板の先端部分のこちらになります。
ナットが消耗し、弦の位置が下がりすぎてしまうことによってビビりが生じます。
以下の方法により、ナット不良かどうか確認してみてください。
- ビビっている弦を緩める
- ナットの溝に紙(特に変なものでなければOKです)を挟む
- 再度チューニング
- 改めて弦をはじく
これによりビビりが止まればナット不良になります。
また、”1フレットを押さえたときにはビビらない”という現象がある場合も、
ナットによる問題の可能性が高いと考えられます。
対策
ナットの修理が必要になった場合は、一般的には”ナット交換をする”という形になります。
こちらの工程に関しては、難しい点も多いためプロのリペアマンに任せることをオススメします。
押弦時
ローポジション
では、ポジション別のケースで見ていきましょう。
ローポジションでビビる場合は、「ネックの逆反り」が原因であることが多いです。
逆ぞりは、弦の張力に勝ったネックが山のようになっており、ギターの下部からみたローポジションが山の奥になるためビビりが生じます。
ハイポジション
ハイポジションでビビる場合も、同様にネックの影響が大きいでしょう。
ネックの連結部分で反ってしまい、ハイポジションでの弦高が不足しがちになり、ビビりが生じてしまうケースです。
特定のポジション
ある特定のポジションを押さえている時だけ、ビビりが生じる場合は
- 該当のフレット
- その前後のフレット
いずれかの高さに問題がある可能性が高いでしょう。
弾けば弾くほど、フレットは磨り減っていくパーツですので、だんだんと凹んでいきます。それにより、音にビビりが生じるケースがあります。
押弦時のビビり対策
ローポジション、ハイポジションといったように、箇所別にビビる際はネックからの影響になります。
なので、ネックを”トラスロッド”と呼ばれるパーツで調整することになります。
基本は以下になります。
- 順ぞり(ハイポジションがビビる)→トラスロッドを締める
- 逆ぞり(ローポジションがビビる)→トラスロッドを緩める
ギターによって、順ぞりの修正のみにしか対応していないギターがあったり、
ケースによっては、トラスロッドで調整しきれない場合もあるので、不安な方はプロのリペアマンに頼るようにしましょう。
ネックの反りについてや、ご自分でトラスロッド調整を試みる場合はこちらの動画が参考になります。
フレットが原因と考えられるビビりは、フレットのすり合わせと呼ばれる調整が必要になります。
フレットが削れてバラバラになった高さを均一にして、キレイになおす作業です。
ネックにマスキングテープを張り、ヤスリによって凸凹を整えていく、といった形になります。
こちらも簡単なものではないので不安な方はリペアマンに頼りましょう。
弦がビビる際の確認ポイント
弦のビビりが生じた際に確認したいポイントをまとめました。
- ネックの反り具合
- ナットの溝の深さ(弦との高さ)は適正か
- 押弦位置周辺のフレットに異常はないか
- ペグやブリッジなど他のパーツに緩みはないか
- 弦高は適正か(低すぎないか)
もし、長い期間ビビりが続いているようであれば、ネックの状態を確認したり
弦を張り替えてからビビりが生じるようになった、という場合は弦高を見直してみたり
ビビりが生じたケースによって、症状の原因が異なる場合があるので、しっかり抑えておきましょう。
音詰まりの原因と対策
ベンディング中の音詰まりに関しては、この動画が参考になりますのでご紹介します。
以下に動画のポイントをまとめました。
- 音詰まりはギターのセッティングに問題がある。
- 指板は山のような形になっており、ベンディングした際に山にぶつかってしまうことで、音が詰まる。
- また、要所での音詰まりは、フレットの削れによる影響も考えられる。
- 対策として、弦高をあげる調整を行う。フレット交換を行う。
また範囲別でみると
- 1~3フレットの範囲で詰まる場合:ネックの反り
- 特定のポジションで詰まる場合:フレットの摩耗や浮き
- 全体的に詰まる場合:弦高が低い
という可能性が高いでしょう。
音割れの原因と対策
音の出力が大きすぎる場合や、通常の音にノイズが乗ったり”音割れ”が起きてしまう時があります。
こちらに関しては、様々な要因が考えられるため対策も様々です。
考えられる要因
音割れをする原因について考えられるものはこちらです。
- 弦がねじれて張られている
- 購入した時点で弦がねじれている
- 音を歪ませすぎている(ゲインの上げすぎ)
- 音量の上げすぎ
- ボディ含むパーツ部分の固定に緩みがある
- ブリッジのバネがずれている
- ネックの反り
- 弦高が適切ではない
- トラスロッドが共振している
- 電子機器(携帯など)がポケットに入っている
これらが考えられる要因になります。
太字で記したものに関しては、比較的確認しやすいかと思います。
まず分かりそうな部分から1つ1つチェックしていくことで、音割れの原因をつきとめていくことが大切です。
繰り返しになりますが、それでも分からない場合はリペアマンに頼りましょう。
その際に、「自分のギターはどこが不調で、どのようにリペアしたのか」をしっかりと頭にいれておくようにしましょう。
そうすると、同じような不調がでた際には対応しやすくなると思います。
まとめ
以上、「弦がビビる、音詰まり、音割れで困っている」という方に向けて、
それらの原因と対策をご紹介しました。
弦がビビってしまった場合は、
「どこがビビるのか、いつからビビるのか」
といった、自分のギターの症状を詳細に把握し、適切な調整を行うことが大切です。
また、自分では調整しきれないと感じたら、しっかりとリペアマンを頼るようにしましょう。
音詰まりは、ギターのセッティングに問題があることがほとんどです。弦高やフレットをもう一度よく見直してみましょう。解決しない場合はリペアマンに持ち込みましょう。
音割れで困っている方は、考えられる要因が多いため、記事で記したチェック項目と自分のギターの状態を確認しながら調整してみましょう。
調整が遅くなると、遅くなるだけかかる金額も大きくなってしまう可能性があります。
そのため、こまめに自分のギターの状態はチェックするようにしたいですね。