本ページはプロモーション(広告)が含まれています。

音楽記号

五度圏(サークルオブフィフス)の使い方と覚え方!作曲やアレンジに便利な音楽理論


音楽理論書や作曲・編曲関係の教則本などで「五度圏(サークルオブフィフス)」という言葉を見たことのある方は多いかと思います。

大体の音楽理論書には五度圏(サークルオブフィフス)の表を用いて解説されていますが、初心者に限らず中級者以上の方でも理解できない方が多いはずです。

しかし、五度圏というものは作曲をしている方、楽器を演奏しコピーバンドをしている方なら誰もが既に使っているものです。つまり、使っているけれど五度圏という名称と仕組みを知らないだけということです。

今回は五度圏の覚え方と使い方を初心者にも分かりやすく解説していきます。

五度圏(サークルオブフィフス)の覚え方

こちらが音楽理論書などに掲載されている、五度圏の表になります。

12の長調のなかから任意の調を選びだし、それを出発点にして、そこから時計回りに完全五度の関係にある調を順番に配列していくと、12の長調からなる円を作ることができる。音の総数12と、完全五度に含まれる半音の数7は互いに素であるため、この方法により12の長調すべてを重複も欠損もなく完全に取り尽くすことができる。
五度圏 – Wikipedia

そして、どの音楽理論書にもこのような解説文が掲載されていますが、非常に分かりにくいです。

ここで一旦、五度圏をどのように使うかは忘れていただき、五度圏の表の仕組みを簡単に解説してみます。

五度圏の表の外側の「C」を基準に解説すると、まず「C」の「5度上」の音が「G」になります。(表では左回りしますのでCの左にGが記載されています)

※鍵盤でド(C)から出発しドから数えて5つ目の音(5度上)はソ(G)になります。

更にソ(G)から出発して5つ目の音はレ(D)になります。

この五度圏の表は、5度の音を表に記載したもので、5度上が右回り、5度下が左回りになります。

また、CとAmの列の下に「#0」、「♭0」、FとDmの下には「♭1」がありますが、これは各メジャーキーとマイナーキーの時に付く#と♭の数を表しています。

簡単な覚え方

5度の音は鍵盤を演奏する方でしたら3和音の1番高い音、ギタリストであればパワーコードの高い方の音と覚えると簡単です。

そして、このようにして見ると5度の音は既に使っていたことが分かると思います。

  • 表の外側がメジャーキーで内側がマイナーキー
  • 5度上が左回りで5度下が右回り
  • 表の内側は各キーに付く#と♭の数
  • 外側のメジャーキーに対する平行調が内側のマイナーキー

五度圏の表は以上のようになっています。表によっては5度上が右回り、5度下が左回りのものも存在します。

これで五度圏の表の意味は大体、理解できたかと思いますが、これをどのように実践で使用していくか分らない方も多いはずですので続いては五度圏の使い方を解説してます。

五度圏(サークルオブフィフス)の使い方

五度圏の表をどのように作曲や演奏に使うかですが、先に結論を言ってしまうと多くの方が既に使っているものでもあります。

例えば表にある、Cに右隣のGを重ねれば「パワーコード」が成立しますが、これはこの理論を知らない初心者ギタリストでも使用していますし、Amで作曲していてメジャーキーにキーチェンジする場合Cにいくというのも作曲をしている方なら既に感覚的に分かっていると思います。

少々、極端な話になりますが「C」と隣の「D」を同時に鳴らして綺麗な響きに聴こえるというほどズレた音感を持っていない限りは(そんな方は絶対にいないと思います)元々の音感のみでこの五度圏の既に使用しています。

五度圏を覚えてそれを基にどう使うかではなく、既に使っているものの答え合わせや確認用に、この五度圏を使うと良いと思います。

五度圏の表の活用方法

五度圏の表の1番内側にある#と♭の数は、キー(調)が表記されていない五線譜からキーを判別する際に活用することができます。

各キーの#と♭の数を暗記していない方は表を見てすぐにキーを判別することができます。

メロディーにハーモニーを付けられる

主音に対し5度の音はハモリを付ける際に使うこともあります。

ハモリに多く使われるのは響きが綺麗な3度ですが、3度主体にハモっていて、ごくたまに5度の音を混ぜる方法も変化がつくのでオススメです。

裏コード探しに活用

主音に対し5度上の音の対角線上にあるコードを通称裏コードと呼ばれています。

例えばキーがCで5度上のコードの裏コードはD♭ですが、これを表を見てすぐに探すことができます。

あまりこういった裏コードなどの理論にとらわれ過ぎると、逆に応用性がなくなるのでオススメはしませんが、各キーの裏コードを暗記していない方は裏コード探しに表を使うこともできます。

五度圏と作曲・編曲について

作曲初心者の方が五度圏を理解すると、これをベースに作曲しようとしてしまう傾向があります。

しかし、五度圏に限らず音楽理論書に掲載されている理論をベースに作曲をすると、作曲の幅が非常に狭くなってしまうことがよくあります。

音楽理論書に掲載されている所謂、西洋音楽理論は様々な解釈が可能であり、その理論から外れることでも(例え不協和音でも)楽曲として成立すれば問題はありません。

プロ、アマ問わず作曲する方々は自分の好きなジャンルの音楽を作曲していくのは当然のことですが、このジャンルを作曲すると決めた瞬間、無意識に制限をかけてしまいます。

それプラス、音楽理論に縛られてしまうと更に音楽的な幅が狭くなります。

音楽理論書に掲載されている西洋音楽理論が全てではありませんので、覚えておいて損はありませんが、できることなら音感を頼りに作曲や編曲をすることをオススメします。

こちらの曲のイントロで鳴っている、高音のシンセサイザーの音はラと半音上のシ♭を同時に鳴らしたものです。

音楽理論上は絶対にNGとされている不協和音ですが、全く違和感がありませんし、ロックが生まれてからこれまで誰もやらなかった斬新なアイディアとして評価されています。

こちらの曲も理論から完全に外れたコード進行をします。

「F・A・B♭・B♭m」のみで構成されている曲ですが、最後のB♭mは完全に理論から外れます。しかし、B♭からB♭mに変わる瞬間が、凄く感動的で綺麗な響きになっています。このようなコードの動きも理論にとらわれていると絶対に思い付かないものです。

またオジー・オズボーンのバンドで活動していたギタリストのランディー・ローズは五度圏などの音楽理論から完全に外れることで、独特のスリリングさを出していました。

五度圏も、その他の理論もそれをベースに演奏、作曲、編曲をするのではなく自分自身のアイディアを優先することでオリジナリティーや幅が広がります。

まとめ

五度圏(サークルオブフィフス)について解説してきましたが、まとめに入ります。

  • 五度圏とは主音から5度上または5度下の音を追加した12音
  • メジャーキーとマイナーキーがある
  • 調合は各キーで付く#と♭の数
  • 表のメジャーキーとマイナーキーは平行調の関係
  • 五度圏の表はそれをベースに演奏や作曲をするのではなくあくまで確認用として活用する

五度圏は表で解説されることが多いですが、表は以上のような内容になっています。

既に解説しましたが五度圏や西洋音楽理論や全てではありませんので、それらの理論にとらわれすぎず自分自身の音感を頼りに、演奏や作曲をすることをオススメします。

このブログを五度圏の覚え方と使い方の参考にしてみて下さい。