作曲フリーソフト「Domino」はピアノロールにMIDIを打ち込んで作曲するMIDI編集ソフトです。
※PC版のMIDIシーケンサーのようなものですので、歌や楽器などのオーディオ録音をすることはできません。
フリーソフトですが制限がないので、全機能を無料で使用可能です。音質に関してはDAWソフトに比べるとかなり劣りますが、これからMIDIで作曲をしようと考えている初心者の入門用ソフトとしておすすめです。
Dominoはインストールの必要がないソフトウェアです。公式サイトからダウンロードしたフォルダを解凍して、解凍したフォルダの中にある「Domino.exe」をダブルクリックするだけでソフトが起動し使うことができます。
レジストリも使用していないソフトなので、もし必要がなくなったら解凍したフォルダごと削除すればOKという手軽な仕様になっています。(レジストリ不使用なのでアンインストール作業をする必要がありません)
今回はインストール後の初期設定、Dominoの基本的な使用方法、音が鳴らないなどのトラブルの解説方法を解説していきます。
まずはインストール後の初期設定から解説していきます。
目次
【DTM】作曲フリーソフトdominoの初期設定の仕方
- Dominoを起動する。
- 画面左上のメニュー「ファイル」から「環境設定」を選択。
- 環境設定ウィンドウの左部から「MIDI-OUT」を選択。
- 右部のリストの一番上、「ポートA」の設定を変更。
- 「MIDI OUTデバイス」は「Microfoft GS Wavetable Synth」を選択。
- 「音源(音源定義ファイル)」は「GSm(Microfoft GS Wavetable Synth)」を選択。
- 下部に表示されている「OK」をクリックして環境設定画面を閉じる。
以上の手順で初期設定を行います。
この中でも最も重要な設定は③のMIDIアウトの設定になります。
③MIDIアウトの設定方法
赤の囲み枠の部分をクリックします。
そして画面左の青く反転している部分の「MIDI OUTデバイス」を「Microfoft GS Wavetable Synth」に、音源(音源定義ファイル)を「GSm(Microfoft GS Wavetable Synth)」に設定して下さい。
この設定は「Dominoから出力されるMIDI信号の出力先を決める設定」です。DominoのMIDI信号をMSGS(Windows標準のMIDI音源)で鳴らすのでMIDIアウトは「Microsoft GS Wavetable Synth」に設定します。
以上で初期設定が完了です。
続いてはDominoの使い方について解説していきます。
Dominoの使い方
Dominoではこちらの写真のような「ピアノロール」と呼ばれる画面でMIDIを打ち込みしていきます。まずは、この画面の解説から始めたいと思います。
画面左下の青く反転している部分は「楽器名」になります。ここで鳴らしたい音色の楽器名を選択します。
画面右の様々な長さの青い横線のグラフのようなものが「音符の長さと音程」になります。この画面にある「26、27、28」と書かれている縦の区切り線が「小節」です。
この画面下の細い縦線のグラフのようなものが「ベロシティー(強弱)」になります。
マウスでのMIDIの入力方法
マウスでMIDIを入力する場合は、先ほど解説した「音符の長さと音程」の画面の部分をマウスでクリックすると音符が入力されます。
写真の画面上のテンポ(写真では130に設定)の下に「16分音符」という表示がありますが、その部分で音符の長さを設定することが可能です。
仮に16分音符の設定のままでMIDIを入力しても、入力して音符の長さをマウスのドラッグ&ドロップで調整することも可能です。
MIDIキーボードでのMIDIの入力方法
MIDIキーボードで入力する場合は「音符の長さ」を設定しキーボードを押すと、その長さで音符が入力されます。
ドラムやパーカッションなどの打楽器もこの要領で打ち込みをしていきます。
DominoはMIDI入力ソフトなので、この方法で作曲していきます。
音符の削除方法
入力した音符を削除する場合は画面右上の「消しゴム」のマークをクリックし、入力した音符をクリックすると削除が可能です。
打ち込んだMIDIデータを書き出す方法
Dominoで打ち込んだMIDIデータをSMFやWAVといった形式に書き出して他のDAWソフトで活用することもできます。
手順は以下の通りです。
- メニューから「ファイル(F)」から「SMFファイル書き出し(M)」を選択。
- 「名前を付けて保存」という画面が出てきますので、ファイル名を入力して「保存」ボタンをクリック。
この方法で入力したMIDIを書き出すことができます。
続いては他の音を同時に表示しながらMIDIを打ち込む方法を解説していきます。
他の音を同時に表示しながら音を打ち込む方法
Dominoでは入力した他のトラックのMIDI(音符)を表示しながら打ち込みする「オニオンスキンノート」という機能があります。
「環境設定」から「オニオンスキンノート」を選択すると他のトラックを表示しながらMIDI入力が可能になります。
オニオンスキンノートを使用するとこちらの写真のようになります。
他のトラックのMIDIデータが別な色で表示されるので、それを見ながら打ち込みが可能になります。
しかし、この機能は操作ミスで他のトラックのデータを削除してしますミズも起こりやすいので注意が必要です。
複数の音を一度に一拍ずらす方法
これはちょっとした小技になりますが、入力した複数のMIDIデータを一括でズラすことも可能です。
- ズラしたい音符をマウスでドラッグして選択。
- 選択した音符を好みの長さにドラッグして完了。
この手順で行います。
また「クオンタイズ」という機能を使用して、指定した音符の長さだけ一括でズラすことも可能です。
- ズラしたい音符をマウスでドラッグして選択。
- 「クオンタイズ」をクリックし「音符の長さを設定」してクリック。
この手順でクオンタイズをすることができます。
次は音が鳴らないトラブルの対処方法を解説していきます。
音が出ない時の対処法
Dominoをインストールしたものの音が出ないというトラブルよくあります。
これらの原因と対処法を解説していきます。
音が出ない原因
音が出ない原因は大きく分けて3つあります。
- 初期設定を行っていない。
- 他のDAWソフトを起動している。
- ピアノロールの鍵盤をクリックしている。
この3つが音が出ない主な原因になります。
Dominoはインストールして、すぐに使用できるものではないので冒頭で解説した初期設定を必ず行ってください。
また他のDAWソフトを起動していると音が鳴らないので、Domino以外のDAWソフトは起動しないようにして下さい。
そして多くのDAW、シーケンスソフトはピアノロールと呼ばれる打ち込み画面の鍵盤をクリックすると音がなりますが、Dominoは音が鳴らない仕様になっています。
これらに注意して使用するようにして下さい。
音が途切れるトラブルの対処法
- 1小節目からではなく2小節目から打ち込む。
- 同時発音数を減らす。
- 起動中のアプリをできるだけ停止する。
この3つに注意しながら使用すると、音が途切れるトラブルを防止することができます。
できるだけDomino以外のアプリは停止しPCの動作環境を軽くして使用するようにして下さい。
まとめ
Dominoを使用するポイントはインストール後に必ず初期設定を行うことです。これをしないがために音が出ないわけですが、これを不具合だと思ってしまう方が多いようです。
初期設定を行い、他のDAWやアプリの使用を可能な限り停止することで快適にDominoで作曲を行うことができます。
他のDAWに内蔵されているMIDIシーケンサーよりも劣る部分はありますが、これからMIDI入力をしながら音楽制作をする方への入門向けに最適なソフトです。
是非この記事を初期設定から打ち込みまでの参考にしてみて下さい。