iZotope Ozone9 ElementsはAI機能(人工知能)が搭載されたことで、初心者から上級者まで簡単にマスタリングできるプラグインです。
このソフトがあればマスタリング技術が無い方でも簡単にクオリティーの高いマスタリングが行うことが可能です。また、仕事でマスタリングする際も時間が短縮できますので非常に便利です。
今回はOzone9 Elementsのレビューと使い方を解説していきます。
iZotope Ozone9Elementsのレビューと使い方
Ozone 8同様にOzone 9にもAI機能「Master Assistant (マスターアシスタント)」が搭載されています。この機能により初心者でも簡単にマスタリングでき、大幅な時短にもなります。
AI(人工知能)機能「Master Assistant (マスターアシスタント)」を利用するメリットは以下のようなものがあります。
- DAWでの音楽制作で最も難しいマスタリングが初心者でも簡単にできる。
- マスタリングが瞬時に完了するので時短になるので効率よく仕事ができる。
- 好みの楽曲と同じようなバランス、音圧にすることも可能。
基本的にマスタリングを行おうとすると初心者の方はプロに比べて迫力のない音になってしまいがちですが、このAI機能を利用すれば一瞬で音圧のあるマスタリングが完了するので、初心者でも簡単にマスタリングができます。
しかし、AIによるマスタリングは決まったエフェクトしかかからないとういうデメリットもあります。
「Master Assistant (マスターアシスタント)」でマスタリングを学びながら、最後は自らの手で行うことも大事ですので、頼り過ぎないようにして下さい。
仕事でマスタリングする際にもAI機能はとても役立ちます。実際にレコーディングよりもマスタリングに時間かかることが殆どですが、AI機能を使用すれば一瞬でマスタリングが完了します。これにより効率よく仕事を進めることが可能にになります。
Ozone Elements 各エフェクトの使用方法
Ozone Elementsに内蔵されているエフェクトの使用方法を解説していきます。
各EQの使い方
イコライザーはスペクトラム画面(初期画面)と全バンド画面(左上球体から)のみになりました。Digital仕様とAnalog仕様が選択でき、Stereo、Mid/Side別、Left/Right別も変更可能です。
EQのライン上にカーソルをおくと「+」になりクリックしてバンドを足します。
スペクトラム画面の場合、それぞれの番号をクリックすることでバンドの詳細が表示されます。
両端の「○」を左右にドラッグすることでQを調整可能で、DigitalとAnalogで選べるフィルター形状が変わります。
Match EQについて
実は以前のOzone 8にもこの機能はEqualizer内にありましたが、Ozone 9では別のエフェクトとなりました。
SmoothingでEQの凸凹具合を調整し、Amountでゲインが調整できます。
- Smoothingを0にする設定は一見複雑で細かなEQがかかっているように聴こえますがそれは良い設定ではありません。
- Smoothingは大きく設定して程良い凹凸にし、自分で修正して下さい。
Vintage EQ
Ozone 8同様にビンテージのEQを代表するPultec EQP-1AとMEQ-5を基に設計されています。(上の段がEQP-1A、下の段がMEQ-5のモデルです)
丸くなっている部分や扇状の部分は周波数を表し、その周波数を中心にBOOST、CUTすることが可能です。バンドは全部で6つあります。
このEQはサウンド的に独特なので使用頻度は少ないと思います。
Dynamic EQ
EQとコンプレッサーを足したような仕様でブーストやカットをするだけではなく「Threshould」で一定以上オーバーした瞬間のみ抑えることができます。
この機能の詳細は以下の通りです。
- EQをブーストした場合:「Down」でブーストしたdBをデフォルトとしオーバーした場合下に抑えられる。「Up」は0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で上のブーストしたdBまで持ち上げられる。
- EQをカットした場合:「Down」で0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で下にカットしたdBまで下げる。「Up」でカットしたdBをデフォルトとしオーバーした場合は上に持ち上げられる。
Dynamicsの使い方
アナログのコンプレッサーのようにフィードバックコンプレッサー(出力のレベルを検知する)仕様です。ゲイン削減トレース表示、検知フィルターの表示が可能です。
検知フィルターは3つのフィルター操作点と、モードはSharp、Balanced、Smoothの3種類あります。
Vintage Limiter
フィードバックベースのFairchild 670をモデルとしています。
「Analog、Tube、Modern」の3種類から音像を選べてスペクトラムアナライザー、ゲイン削減トレース表示が可能です。
Characterは速0.00〜遅10.00までアタックとリリース時間を調節します。
Maximizer
全部で5つのIRC(インテリジェント・リリース・コントロール)で違和感なくラウドネスを得ることが可能です。
「IRC Ⅲ」に関しては最も強いリミッターにも対応可能なバージョンですがCPU負荷が重いのがデメリットです。
Stereo Independenceはステレオ独立機能でTransient、Sustainそれぞれ設定でき100%で完全に独立します。
Transient Emphasisはトランジェントを強調したい場合に利用します。
Exciter
最大4バンドでサチュレーションできるエフェクトです。
「Analog、Warm、Retro、Tape、Tube、Triode、Dual Triode」の7つがあり、クロスオーバー表示とポストフィルターがあります。
Oversamplingは設定のサンプリングレート(48kHz、96kHzなど)より高い周波数で処理をすることで音質が向上する機能です。
Vintage Tape
STUDER A810にインスパイアされ設計されたビンテージテープで「7.5ips、15ips、30ips」の3つのスピードが設定可能です。
Input Gainを調整することでサチュレーション度合いが調整でき、Biasではディストーション曲線の形状が変化します。(マイナスで高音域がブーストします)
Harmonicsで音を付け加え、Low、High Emphasisで低音域、高音域を強調します。
まとめ
Ozone Elementsについて解説してきましたが、このソフトのメリットはAIが自動でマスタリングしてくれる部分です。このAIのマスタリング技術が非常に優れているので、自分でエフェクトを調整する必要がありません。
また、このソフトのAIのマスタリング技術を参考にしてマスタリングの勉強する使い方も良いと思います。
- Ozone Elementsを使用すれば初心者でもハイクオリティーな作品を制作することが可能。
- マスタリングは非常に時間のかかる作業ですがAI機能を使用することで一瞬でマスタリングが可能。
Ozone Elementsにはこのようなメリットがあります。
この記事をOzone Elementsを使用する際の参考にしてみて下さい。