吹奏楽やジャズ、マーチングやオーケストラと幅広く活躍しているトロンボーン。スライドが魅力的でトロンボーンを吹きたいと思って始めたかたも多いのではないでしょうか?
実はこのトロンボーン、実に奥深いです。種類がたくさんあって、それぞれ出せる音域が異なります。
今回は種類ごとにどう違うのかをみていこうと思います。
目次
トロンボーンの音域別種類はどうなってるの?
一重にトロンボーンといっても種類がたくさんあります。
種類によって音域が異なるので、演奏する曲によって使用するトロンボーンを変えることもあります。
どのような種類があって、それぞれどんな特徴を持っているのかを一つずつ見ていきましょう。
テナートロンボーン
まず1つ目はテナートロンボーンです。このトロンボーンはB♭管で最も定番なものです。
テナーバストロンボーンよりも管が細いので、はっきりとした鮮明な音を出せるのが特徴です。
ポップスからクラシックまで、幅広い音楽で用いられています。
テナーバストロンボーン
2つ目はテナーバストロンボーンです。
テナーバストロンボーンはF管の楽器です。
テナートロンボーンにアタッチメントを取り付けたことで、より低音が出しやすくなっています。
スライドを遠いポジションにしなくても低音を出せるように作られているので、女性や小柄な方でも演奏しやすくなっています。
テナートロンボーンよりも管が太い分、柔らかく丸い音を出すことができます。
バストロンボーン
3つ目はバストロンボーンです。バストロンボーンはテナーバストロンボーンと比べてマウスピースも楽器自体も大きいです。
管も太いため低音を出せます。
G♭、G管のロータリーが搭載されているのが特徴です。
低音を出せるためテナートロンボーンとは役割が異なり、チューバやコントラバスなどとベースラインを担うことが多いです。
だから、演奏の際には太く丸い、温かみのある音色を求められます。
ソプラノトロンボーン
4つ目はソプラノトロンボーンです。こちらはトロンボーンの中では一番高音域を担います。
テナートロンボーンの1オクターブ上のB♭管の楽器です。
トランペットと同じ音域にはなりますが、トランペットよりも柔らかく温かみのある音色を奏でることができます。
アルトトロンボーン
5つ目はアルトトロンボーンです。
アルトトロンボーンはテナートロンボーンよりも少し小さいE♭管の楽器です。
トランペットとテナートロンボーンを繋ぐような役割を担っていますが、現在は使用頻度が少なくなっています。
管 | 特徴 | 音色 | |
ソプラノトロンボーン | B♭ | トランペットよりも柔らかく温かみのある音色 | |
アルトトロンボーン | E♭ | テナートロンボーンより少し小さい | トランペットとテナートロンボーンを繋ぐような役割 |
テナートロンボーン | F | はっきりとした鮮明な音 | |
テナーバストロンボーン | B♭ | テナートロンボーンにアタッチメントを取り付けており、低音が出しやすい | 柔らかく丸い音 |
バストロンボーン | 切り替え可能 | G♭、G管のロータリーが搭載 | 太く丸い、温かみのある音色 |
トロンボーンの種類がある程度わかったところで、トロンボーンのメーカーをみていきましょう。
トロンボーンを販売しているメーカーは数多くあり、それぞれ楽器に特徴があります。
その特徴を知った上で楽器を選べばより演奏する曲の雰囲気をよくすることができますし、他のパートや同じトロンボーンパートと合わせたときに音色の相性が良くなります。
ぜひメーカーの特徴を参考にして楽器を選んでみましょう。
トロンボーンのメーカーは?種類は何がある?ヤマハ編
ヤマハは初心者からプロプレーヤーまで様々な方に使ってもらえるモデルを揃えています。
また、アルトトロンボーン、テナートロンボーン、テナーバストロンボーン、バストロンボーン、バルヴトロンボーンと幅広い種類が揃っているのも特徴です。
安定感のある作りがヤマハの魅力なので、安定した音程、吹きやすさから多くの中高生に人気があります。
B♭管(テナートロンボーン)
ヤマハからは8種類のテナートロンボーンが発売されています。
価格は11万円から31万円程です。中でもYSL-891Zという品番は材質バランス、操作性、吹奏感、抵抗感、音色などにこだわり、ジャズからポップスまで幅広い音楽に対応できる楽器として作られています。
YSL-35Cというモデルは楽器自体はB♭管ですが、Cに変えられる上昇管がついています。
F管(テナーバストロンボーン)
ヤマハのテナーバストロンボーンはB♭管でもF管でも対応できます。価格帯は18万5千円から46万5千円です。
YSL-620/640は豊かな響きと奥深い表現力、卓越した演奏性を実現してくれるモデルです。2018年9月に発売された新商品がYSL-823Gです。
E♭管(バストロンボーン、アルトトロンボーン)
ヤマハのバストロンボーンはYBL-620GのみB♭、E♭とB♭、F、D管対応です。他にもバストロンボーンを販売していますが、YBL-830はB♭、F、G♭、D管、YBL-822GはB♭、FとB♭、F、D管があります。
重厚感のある音色と充実の低音域が特徴です。
ヤマハのアルトトロンボーンもE♭管です。声によく溶けこむ輝きのある音色を出せるのが特徴です。古典派の楽曲を演奏するときによく用いられています。
トロンボーンのメーカーは?種類は何がある?ヴィンセント・バック編
バックはアメリカの金管楽器メーカーです。バックのトロンボーンの特徴としてはハンドハンマードの1枚取りで作られたベルを用いているので、音に腰があって遠くまで届く音色を出すことができます。
また、演奏者の個性が引き立つような楽器になっているので、誰が吹いても同じ音色というわけではありません。
だから、自分らしい音色を出したい方にはおすすめです。テナートロンボーン、テナーバストロンボーン、バストロンボーン、アルトトロンボーン、バルヴトロンボーンの種類が揃っています。
それぞれのトロンボーンについてみていきましょう。
B♭管(テナートロンボーン)
バックには2種類のテナートロンボーンがあります。1つはストラディヴァリウスです。こちらはトロンボーンのフォルムの基準となっているようなモデルです。もう1つはTBシリーズです。
こちらは初心者でも吹きこなしやすく、扱いやすいモデルです。そんなこともあり、初心者から中級者まで幅広い方々が使っています。また、価格もリーズナブルとなっています。
F管(テナーバストロンボーン)
テナーバストロンボーンには3種類のモデルがあります。ストラディヴァリウス、アルティザンコレクション、TBシリーズです。
ストラディヴァリウスとTBシリーズに関してはテナートロンボーンで紹介した特徴を持っています。アルティザンコレクションは伝統の設計と美しい外観を持つモデルで、歴史と現代が上手く融合したバックならではのサウンドを出すことができます。
E♭管(バストロンボーン、アルトトロンボーン)
バストロンボーンはストラディヴァリウスのモデルから7つの品番が出ています。50B3では押すと第1バルブ以外に、押すとG♭管になる第2バルブが搭載されています。このように品番ごとにバルブの押し方で管が変わるようにできています。
アルトトロンボーンは品番39の1種類のみ出ています。明るく透明感のある音色が特徴です。
トロンボーンのメーカーは?種類は何がある?コーン編
コーンは温かく、柔らかみのある音色が特徴の楽器です。全音域鳴りがよく、適度に抵抗感があるので吹きやすいです。オーケストラなどで多く用いられています。
各種類ごとにみていきましょう。
B♭管(テナートロンボーン)
太管で豊かな音色が特徴のシンフォニーモデルと細管でジャズ用に開発されたアーティストモデルの2種類があります。
F管(テナーバストロンボーン・バストロンボーン)
太管トロンボーンの規範となるコーンの代表的なモデルであるトラディショナル、息通りがよくテナーに近い吹き心地のオープンラップモデル、3タイプのリードパイプが付属されているデュアルボアスライドモデル、ロータリーバルブシステムを採用しているクリスチャン・リンドバーグモデル、太管があわない入門者向きのアーティストモデルの5種類があります。
バストロンボーンでは音のまとまりが良くなるように小振りのベルとF管のボアを大きくした62H、スムーズな吹奏感と重厚感をもつ110H、低音域で活躍できる112Hの3モデルがあります。
E♭管(アルトトロンボーン)
明るい音色と反応のよさをもつ34H、ヨーロッパのアルトトロンボーンの音色とオーケストラでも通用する音量を出せる36Hの2種類のモデルがあります。
まとめ
今までメーカー別に様々な種類のトロンボーンをみてきました。多くの種類があって、それぞれ音域が少しずつ異なるのでどれを選べば良いか悩むかもしれません。
学校の吹奏楽部などで演奏する際はメジャーであるテナートロンボーンから入るのがよいと思います。
楽曲によってはバストロンボーンを指定するものも出てくるので、そのときは指定の楽器に持ち替えるとよいでしょう。基本的に演奏する楽曲によってどの管のトロンボーンを使うか決めましょう。
また、メーカーについては、それぞれ吹いた感じや音色がメーカーごとに異なります。吹きやすいものを選ぶのがベストですが、吹奏楽部など団体で吹く場合は周りの音色と合わせなければならないので、それも考慮しながら選ぶとよいです。
ぜひ参考にしながらトロンボーンでの演奏を楽しんでくださいね。