ロックのサブジャンルに「プログレッシブ・ロック(通称プログレ)」というものがあります。
プログレはハードロック等よりも古いジャンルで、1970年代から現在まで非常に人気のあるジャンルでもあります。
今回はプログレの音楽的特徴を解説しながら、初心者でも聴き易い名盤を紹介していこうと思います。
まずは、プログレの音楽的特徴から始めます。
プログレッシブ・ロックの音楽的特徴
プログレの音楽的特徴は主に以下のようなものが挙げられます。
- 変拍子を多用した展開の多い楽曲。
- 1曲が10分以上の長尺の曲が多い。(中には1曲30分を超えるものもある)
- アルバムがコンセプトアルバムになっている。
- クラシックやジャズの要素を取り入れた曲。
プログレにはこのような音楽的特徴があります。
変拍子が多く、曲展開も激しい上に1曲の時間が長いのでプログレを聴くには集中力が必要になります。好みのバンドではない限り、途中で聴き飽きてしまうしまうこともよくあります。
アーティストによってはアルバムに30分もある曲が2曲のみ収録されていたり、1曲の時間は短いものの例えばアルバム12曲通して1曲となっていることもあります。
また、楽曲もクラシック音楽、ジャズ、民族音楽などを取り入れたものが多いのも特徴です。
プログレは部屋でBGMとして流すような音楽ではなく、映画やオペラのように集中して楽しむ音楽です。
個人的にはおすすめの聴き方は、アルバム1枚をヘッドフォンで集中して聴くことです。
では、プログレとはどういった音楽なのか数曲ほど紹介してみます。
プログレッシブ・ロックの名曲紹介
Nektar:Recycle
たった2分の曲で初心者にも聴き易い曲調です。このアルバムは短い曲が沢山収録されており、アルバム全曲で1曲扱いとなっているパターンのプログレです。
Camel:Rhayader
こちらも短く聴き易い曲が多いCamelというバンドの曲です。フルートをメインにした北欧の民族音楽のような綺麗な曲調が多いです。
Pink Floyd:One Of These Days~吹けよ風、呼べよ嵐~
こちらも初心者向けの名曲です。1曲5分程度で比較的聴き易いタイプです。TVなどでもよく使用されている曲なので聴き覚えのある方も多いかと思います。
Yes:Close To The Edge
こちらは長尺のプログレの名曲です。1曲20分程度のスタンダードなプログレです。
数分程度の曲はまずありませんが、どの曲も聴き易いので初心者にはおすすめです。
Mike Oldfield:Tubular Bells
こちらは1曲が48分もある曲です。初心者が本場のプログレを知るためにも1度聴いてみて下さい。イントロから聴き覚えのあるメロディーですので楽しめると思います。
その聴き覚えのあるメロディーですが「エクソシスト」のメインテーマのメロディーです。実はエクソシストはこの曲のイントロを使用しています。
エクソシストの音楽というと不気味イメージがあると思いますが、こちらを聴いてみると綺麗で幻想的なメロディーであることが分かります。
色々なタイプのプログレの名曲を紹介してみました。
これからプログレを聴いてみようという方は、この中から好みのタイプのプログレを選びその系統のバンドから聴いてみると良いと思います。
次は初心者向けのプログレの名盤を10枚ほど紹介します。
プログレッシブ・ロックの名盤10選
Focus/Hamburger Concert
ロックバンド形態にフルートを導入したバンドです。聴き易いメロディーの曲が多く、曲構成も難解ではないので初心者向きのバンドです。
Focus/Focus 3
続いてもFocusのアルバムです。
幻想的で綺麗な名曲が多く、初心者でも聴き易い曲が多いのでおすすめです。
King Crimson/In The Court Of The Crimson King (クリムゾン・キングの宮殿)
このアルバムはロックシーンに革命を起こした名盤と言われています。「21st Century Schizoid Man」はTVでもよく流れる曲ですので聴いたことのある方も多いかと思います。
プログレによくある複雑で難解な曲展開が少ないので聴き易いアルバムです。
Pink Floyd/The Dark Side Of The Moon (狂気)
邦題の「狂気」というアルバムタイトルは裏腹にとても綺麗で幻想的な楽曲が多いです。
プログレ特有の複雑難解で長尺の曲も少ないので初心者におすすめの名盤です。
EL&P/Brain Salad Surgery (恐怖の頭脳改革)
アルバムタイトルは如何にもハードロック/ヘビーメタルといった感じですが、ハモンド・オルガンをメインに使用したジャズ・ロック系プログレです。
クラシックの名曲をプログレ調にアレンジしてカバーすることでも有名なバンドです。
このバンドの曲は、CMなどでも使用されることが多いので聴き覚えのある曲が沢山あると思います。
Camel/Mirage
長尺の曲が少なく聴き易いバンドです。ロック色も薄めでシンセを多用した幻想的な曲が多いのが特徴です。
このバンドはアルバム全曲通して1曲となっていることが多いです。1曲1曲の歌詞がストーリーで繋がっているコンセプト・アルバムを多くリリースしています。
Genesis/Foxrot
このバンドは長尺の曲が多いですが、複雑なことはしていないので聴き易いです。ロック系のサウンドを前面に出さずクラシック音楽の要素を取り込んだシンセがメインのバンドです。
Genesis/Selling England By The Pound (月影の騎士)
続いてもGenedisのアルバムです。長い曲が多いですが難しいメロディーが少ないの初心者向けです。
Jethro Tull/Thick as a Brick (ジェラルドの汚れなき世界)
続いてはプログレに慣れてきた初心者向けのアルバムを紹介します。
アルバム1枚に40分の曲を1曲のみ収録しています。長尺の曲ですが様々な展開をしていくので映画を見ているような感じで聴くことができます。
時間のある時に集中して聴くタイプ(全てのプログレはそういったものですが)です。
Mahavishnu Orchestra/The Inner Mounting Flame (内に秘めた炎)
ボーカル無しのインスト曲を演奏するバンドです。超絶技巧を持ったメンバーが、やりたい放題に演奏するので物凄くテクニカルな曲が多いです。楽器を演奏する人におすすめしたい名盤です。
まとめ
プログレは複雑難解なフレーズや曲展開が特徴ですが、中には非常に聴き易いバンドも沢山います。
このジャンルは1回聴いて良さが分かるものではなく、何度も聴いていくうちに良さが分かってくるタイプの音楽でもあります。これはクラシック音楽とも共通する部分で、クラシック音楽も有名な名曲以外は理解するのに時間が必要なものばかりです。
プログレを聴く時はアルバム1枚を聴き通す時間がある時に、できればヘッドフォンで集中して聴くことをおすすめします。
良さが分かってしまうと色々なバンドを発掘して聴いてみるのがとても楽しくなります。日本盤をリリースしていないバンドの隠れた名盤探しも非常に楽しいのでおすすめです。
この記事をプログレを聴く際の参考にしてみて下さい。