2000年以降、レコード会社の販売戦略でロックというジャンルが細分化されていき、今となっては「ロック」という呼び名のジャンルが消えつつあります。
多くの場合「ラウド・ロック」「ヘヴィ・ロック」などといった「○○○ロック」という呼ばれ方をします。
今回は「ラウド・ロック」や「ヘヴィ・ロック」と呼ばれるジャンルの特徴や、おすすめのバンドを紹介していきます。
まずはラウド・ヘヴィロックの特徴から解説します。
ラウド・ヘヴィロックの特徴
「ラウド・ロック」といった呼び方をするのは日本のみです。海外ではラウド・ロックやハード・ロックを「ヘヴィ・ロック」と言います。
海外では大体が「ヘヴィ・メタル」、「ヘヴィ・ロック」、「ロックンロール」と呼ばれており、日本のみが「○○○ロック」といった様々な呼び方が存在します。
ラウド・ロックやヘヴィ・ロックは、90年代にアメリカで「ヘヴィーメタルにハードコアやヒップホップなどの要素を取り入れた新しいロック」として生まれました。
個人的な見解ですが多くのラウド・ヘヴィロック・バンドが参考にしたのは「Rage Against the Machine」ではないかと思います。
音楽的な特徴はテクニカルなギターソロを排除し、極端にチューニングを下げたギターや、7弦ギターを使用したグルーヴィーな重低音リフと、ラップやデスボイスをメインにしたボーカルです。
このジャンルはノリ重視の音楽でしたが、2000年頃に「スリップノット」が登場し従来のスタイルに、テクニカルなギタープレイやドラムプレイを組み込み更に進化します。この頃に日本でも人気が出てきました。
また、南米やインドからは民族楽器を取り入れたバンド「ナイル」や「セパルチュラ」が、北欧からはクラシック音楽を取り入れた「センテンスド」、ヨーロッパのトラッド音楽を取り入れた「コルピクラーニ」といったバンドも登場します。
このようにラウド・ヘヴィロックも細分化されていき、様々なスタイルのバンドや音楽が存在します。
続いてはラウド・ヘヴィロックおすすめバンド曲10選を紹介します。
ラウド・ヘヴィロックおすすめバンド曲10選
まずは「Slipknot」の名盤「IOWA」です。
ノリ重視の重低音リフのみではなくテクニカルなギタープレイや、ブラックメタルで使用されることの多いブラストビートなども取り入れています。他のバンドよりも演奏力、作曲センスが比べ物にならないくらい高いバンドです。
メンバーチェンジを繰り返している上に全員がマスクを被っているので、どのメンバーが脱退し加入したのか見分けがつきにくいですが、現在はオリジナルメンバーが1人しか残っていないとの情報もあります。
このバンドがブレークしたことでラウド・ヘヴィロックが一般的にも認知され、日本でも人気が出たと思います。
「Marilyn Manson」も90年代から活動している非常に有名なアーティストです。
「アンチ・クライスト・スーパースター」を名乗っていますので、海外ではアンチも多いですが、非常に人気のあるスタジアム・クラスのアーティストでもあります。因みに音楽以外にも沢山の伝説を残しています。
作曲レベルがとても高いのでどのアルバムも名盤です。
こちらは北欧のバンド「SENTENCED」です。
アメリカのバンドの違い北欧のバンドは綺麗でメロディアスなのが特徴です。ボーカルもデスボイスやラップではなく、普通に歌い上げています。
ラウド・ヘヴィロックに限らず北欧のロックバンドがメロディアスでドラマティックな楽曲を作るのはクラシック音楽がルーツにあるからとも言われています。
逆にアメリカはカントリーやブルースがルーツなのでノリ重視と言われています。
アメリカのバンドはうるさくて聴けないけれど、北欧のバンドは聴けるという方は多いです。このバンドは既に解散してしまいましたが、未だに人気のあるバンドです。
「Evanescence」はアメリカのバンドですが、非常にメロディアスでドラマティックなラウド・ヘヴィロック・バンドです。
ピアノやストリングスを使用したした、ゆったりとした曲が多く、ボーカリストはクラシックのレッスンを受けた実力派なので非常にハイレベルな歌唱力です。
このバンドの曲は映画のサントラやCMでも使用されているので、1度は耳にしたことのある方も多いと思います。
海外のバンドはヒットを出した途端にアルバムをリリースしなくなりますが(海外アーティストは莫大な印税が入ると仕事をしなくなります)このバンドも同様でアルバムが3枚くらいしか出ていませんでした。
しかし、2020年中に久々の新作がリリースされます。サンプルを聴いたところ非常に良い曲が多かったので興味のある方はチェックしてみて下さい。
「Korpiklaani」は北欧のユニークなラウド・ヘヴィロック・バンドです。
フィドル(バイオリンのような民族楽器)とアコーディオンを使用し、ラウドロックとタンゴやポルカを融合させたスタイルの音楽です(個人的にこのバンドはコミック・バンドだと思っています)
面白いバンドなので1度聴いてみるもの良いと思います。
「KORN」も有名なラウド・ヘヴィロック・バンドです。
7弦ギターを使用した重低音リフがメインのバンドですが、他の多くのバンドとは作曲センスが比べ物にならないくらい高いです。アルバムのどの曲を聴いてもハズレがありません。
「Limp Bizkit」は映画「ミッション・インポッシブル2」のメインテーマを担当したことでも有名なバンドです。
バンド形態にDJとラッパーというスタイルの元祖で、世界的に人気のあるバンドでもあります。
「Amaranthe」は男女トリプル・ボーカルでEDMの要素を取り入れたバンドです。
非常に聴き易く良い曲が多いので、この手のジャンルでは1番おすすめです。
しかし、DAWソフトでここまで綺麗に曲を仕上げてしまうと、よほど演奏力が高くない限りはライブでの演奏とのギャップが激しくなってしまいます。
個人的にはCDのみで楽しむバンドかなと思います。
「Sepultura」はトライバルリズムを取り入れたことでも有名なバンドです。
フェスなどでも必ずトリを務めるほど人気です。90年代から活動していますので何枚もアルバムをリリースしていますが、どのアルバムもクオリティーが高いです。
日本で大人気の「DIR EN GREY」もラウド・ヘヴィロックというジャンルに分類されます。
どのバンドにも似ていなくオリジナリティーがある楽曲ですし、「人間の弱さ、あさはかさ、エゴが原因で引き起こす現象により、人々が受ける様々な心の痛み」をテーマにし「表現の自由の限界に挑んだメッセージ性のある歌詞」がとても人気です。
アルバムやライブだけではなく、リリースする度に検閲で規制が入ってしまうPVも話題のバンドです。
まとめ
ラウド・ヘヴィロックですがこのジャンルはヘヴィーメタルの1つであり、様々なスタイルのバンドが存在します。
日本人にはアメリカのバンドではなく、メロディアスな楽曲をメインに演奏しているヨーロッパのバンドの方が人気が高いようです。日本人にはアメリカのノリ重視の楽曲があまり合わないようです。
興味のある方はヨーロッパのバンドから聴いてみることをおすすめします。
この記事をラウド・ヘヴィロックを聴くための参考にしてみて下さい。