YAMAHAが制作販売しているギタレレはウクレレのようにコンパクトな楽器ですが、ウクレレとは全く異なる楽器です。
ギタレレは標準チューニングが特殊なものになっており、ノーマルチューニングのギターとは異なります。
今回はギタレレの特徴を紹介しながら、チューニングの仕方などを解説していきます。
まずは、ギタレレのチューニングに特徴から解説していきます。
目次
YAMAHA・ギタレレの特徴
ギタレレはウクレレではなくミニ・アコースティックギターです。
しかし、ギタレレは通常のギターとは標準チューニングが異なるものになっています。
YAMAHA公式サイトによると「本格的なアコースティックサウンドをコンパクトなボディで気軽に楽しめるギターです。ギタレレの標準チューニングは、通常のギターの5フレットにカポタストをはめた状態で弾けるようにしてあるため、ウクレレと違って、ギターと同じ運指で弾けることが魅力のひとつです。」と解説があります。
では、ギターとギタレレのチューニングの違いを表を用いて比較してみます。
ギターのギタレレのチューニングの違い
ギタレレ | ギター |
A | E |
D | A |
G | D |
C | G |
E | B |
A | E |
ギタレレのチューニングをすると各弦の音は表の通りになります。5Fにカポをつけた状態はギターの5音上げチューニングになります。
※ギタレレのチューニングをギターで行うと、必ず弦が切れますしネックに悪影響を与えるので絶対にしないようにして下さい。
自分を含め多くのギタリストの方は、このチューニングを含むギタレレの仕様を疑問に思うかと思います。
ウクレレは4本弦で特殊チューニングをすることにより、何を演奏してもハワイアンな雰囲気になる楽器です。
それに対してギタレレは6本弦でありギターのノーマルチューニングの5Fにカポをつけたものなので、オープンチューニングのように運指が簡単になるわけでもなく(公式の解説にもあるように運指はギターと同じ)ただピッチが高くなるのみです。
このような仕様にした意図が分かりませんが、ギタレレは高い音程が出るウクレレサイズのミニギターだと思って下さい。
あくまで予想ですが、極端に小型化するにあたり弦長が短くなるので、その結果チューニングを高く設定しないと弦のテンションを保てなかったからかもしれません。
続いてはギタレレのチューニングに必要なものを紹介します。
YAMAHA・ギタレレの弦チューニングに必要なもの
ギタレレのギターのチューナーを使用してチューニングが可能です。音叉でチューニングも可能ですが、最近は精度の高い低価格のチューナーが沢山ありますのでチューナーを使用することをおすすめします。
おすすめチューナー
KORG Pitchclip 2は低価格で精度の高い人気チューナーです。
ギタレレの他にも、ギター/ベースに使用可能です。
PLAYTECH CLIP TUNERは1000円以内で購入できる人気のチューナーです。
低価格ですが安定したチューニングが可能です。
TC ELECTRONIC Polytune 3は個人的に最もおすすめのチューナーです。
チューニングの精度はもちろん、細かい周波数まで設定可能で、本体の耐久性もあります。
デザイン性のあるチューナーではこちらのポケモン・バージョンのPitchclip 2がおすすめです。(人気のピカチュウ仕様は売り切れです)
ノーマルのPitchclip 2同様に精度が高く安定したチューニングが可能です。
続いてはギタレレのチューニング方法を解説していきます。
YAMAHA・ギタレレのチューニングの仕方
ギタレレのチューニング方法はギターと同じで、弦を鳴らしヘッドのペグを回して音程を合わせていきます。
チューニングのポイントは以下の通りです。
- ペグはゆっくり回す。
- 音程は下から上に向かって合せる。(上から下だと安定しません)
- 全弦合わせもう1度1本ずつ合わせていく。
これが安定したチューニングをする方法です。
続いてはチューニングが安定しない時の対策法を解説します。
チューニングが合わないときは
ギタレレは通常のギターよりもチューニングが安定しない楽器です。
ギタレレは開放弦でチューニングをしっかり合わせても、演奏中にチューニングがズレてしまうことが多いと思います。これは本体がコンパクトなので、使用している木材も通常のギターよりは少ないためです。
使用している木材が少ないことが原因で、常にネックやブリッジが不安定(動いている状態)になっているので、チューニングが安定しません。
公式サイトの仕様を確認したところ使用している木材も、あまり質の良いものではない(耐久性が無い木材)ようなので、これもチューニングに影響します。
対処法は常にチューニングを合せながら演奏することと、弦の劣化もチューニングが不安定になる原因ですので弦交換を頻繁に行うことです。
初心者でも簡単にギタレレが弾けるチューニング
ギタレレは5音上げチューニングをしたミニギターですので、通常のギターと弾き方は変わりません。
ネックが細く、フレット幅も狭くなるので手の小さい方でも弾き易いように思うかもしれませんが、ここまで小さいギターでギターと同じチューニングの音列ですと、逆に弾きにくくなります。(ウクレレが弾き易いのはチューニングが特殊なことがポイントです)
そこで初心者の方でも簡単に弾けるオリジナルのギタレレ用チューニングを紹介します。
オリジナルのギタレレ用チューニング
ギタレレのチューニング | オリジナルのチューニング |
A | G |
D | D |
G | G |
C | B |
E | D |
A | G |
こちらが殆どのコードが人差し指1本で押さえられてしまうチューニングです。
ギタレレのチューニングに対し「6弦が1音下げ、5弦と4弦は変更なし、3弦が半音下げ、2弦1音下げ、1弦1音下げ」となっています。
このチューニングは弦楽器を全く弾いたことの無い初心者の方が、ギタレレを買ったその日にコードが弾けてしまうという便利なチューニングです。
普通なら1つのコードを上手く押さえるのに何ヶ月もかかったり、場合によっては上手く押さえられず挫折してしまいます。しかし、このチューニングでしたら練習の必要がありませんので買ったその日から楽しく演奏できます。
ギタレレのチューニングよりも若干、弦のテンションも下がるのでチューニングも僅かですが安定します。
おすすめですので是非、試してみて下さい。
便利なチューニングアプリ
まずギタレレ専用のチューナーというものは販売されていませんので、チューニングにはギター/ベース用のチューナーを使用します。
最近は無料の携帯アプリのチューナーも沢山リリースされていますので、アプリを使用する方も多くなりましたが、同時に勝手に課金されてしまう悪質なチューナーアプリも非常に多くなりました。
そこでチューニングの安定性や勝手な課金などのない、安心して使用できる無料アプリを紹介します。
それが写真のBOSS Tunerになります。完全無料であり、精度の高いチューナーアプリですのでおすすめです。
他にも色々なアプリがありますが、課金しなければ機能制限などがあります。ノーマルな状態でも特殊チューニングのギタレレには無償版では対応していません。
まとめ
ギタレレはコンパクトで弾き易さを売りにした低価格のミニギターですが、簡単に弾けるかというと実際はそうでもありません。小さすぎるからこその弾きにくさもあります。
このサイズでコードを押さえるのも意外と押さえにくいと思いますので、買ったその日から気軽に楽しむためには紹介したオリジナル・チューニングで演奏することをおすすめします。
小さすぎるからこその耐久性の無さ、チューニングの安定感の無さもありますが、これもオリジナル・チューニングで弦のテンションを変化させることで少しは安定するかと思います。
この記事をギタレレの購入や演奏の参考にしてみて下さい。