今回レビューするマルチ・エフェクターはBOSS GT-100です。
BOSSのコンパクトを含むエフェクターは、言葉で表現するのが難しいのですが“BOSS独特のサウンド”があり好き嫌いがハッキリ分かれるものでした。個人的にはBOSSのサウンドは好みではありませんでした。
しかし、このGT-100はCOSMという最新技術で、従来のBOSSサウンドとは真逆のサウンドを出すことに成功したエフェクターと言われています。
では、BOSS GT-100の仕様から始めたいと思います。
目次
BOSS GT-100の仕様

- 最新カスタムDSPとCOSM技術による先進のCOSMアンプ。
- 直感操作を追求したデュアル・ディスプレイを搭載。
- 画期的な音づくりができるEZトーン機能も強化。
- ギター・プレイに劇的な音色変化を与えるACCELペダル。
- 多彩なパフォーマンスを創出するエフェクト・チェインとフレーズ・ループ機能。
- BGNR UB Metal とORNG Rock Reverb、2 種類のアンプ・モデリングが追加。(Version2.0)
- 最新技術MDP による最先端エフェクトTera Echo、Overtone、A-DIST の3 つが追加。(Version2.0)
- Rotary 2 とAcoustic Guitar Simulator が追加。(Version2.0)
- ノーマル・ギターの単音演奏信号からMIDI 情報へ変換が可能。(Version2.0)
- USB オーディオ機能の拡張により、柔軟なレコーディング対応やスムーズなリアンプも可能。(Version2.0)
- 6弦同時にチューニングを確認できるポリフォニック・チューナー機能。(Version2.0)
- 専用エディター/ライブラリアンBOSS TONE STUDIO(PC/Mac 対応) は、bosstonecentral.com より無償ダウンロード可能。(Version2.0)
レビューのポイントになるのは進化したCOSM技術がどのレベルのサウンドになっているかです。
ではBOSS GT-100のレビューをしていきます。
BOSS GT-100 アンプ・シュミレーターのレビュー

まずは、アンプシュミレーターのレビューから始めます。
※アンプ・シュミレーターのレビューにはマーシャルJVM410Hは使用せず、アンプ・シュミレーターのサウンドがストレートに分かるモニター・スピーカーを使用します。
レビューに使用する楽器は以下の通りです。
- ESP ミラージュ(EMG搭載)
- ストラトキャスター(HS-3搭載)
- マーシャル JVM410H
ADVANCED AMPのサウンド
この「ADVANCED AMP」は公式のコメントによると「パワフルなカスタムDSPとCOSM技術のさらなる進化によって、ビンテージ・アンプのモデリングをはるかに超えたオリジナル・アンプ」だそうです。
STACK CRUNCHのサウンド
これはビンテージ・コンボ・アンプ特有のレスポンスとスタック・アンプ並みのパワー感を両立したアンプです。クランチにセッティングし、EQはフラットで使用してみました。
レスポンスですがビンテージ・コンボ・アンプ特有のものは感じず、レスポンス自体は遅く感じました。普段からレスポンスが非常に速いアンプを使用しているので、遅く感じるだけかもしれません。
STACK CRUNCHのサウンド
スタック・アンプ並みのパワー感を両立したアンプだそうですが、スタック・アンプ並みのパワー感は全くありません。
どちらかというとスタック・アンプで鳴らしたサウンドを、圧縮したようなサウンドだと思います。
FULL RANGEのサウンド
周波数レンジが広く非常にフラットな特性のアンプです。
アンプ・シュミレーターでメサブギーをモデリングしたサウンドに近いと思います。
このアンプは「ADVANCED AMP」の中で、1番扱い易く無難なサウンドだと思います。
T-COMPのサウンド
こちらはチューブ・アンプ特有のコンプレッション感を操作するパラメーターです。
GT-100にチューブ管は搭載されていませんので、チューブ管のモデリングになります。再現度は、他のメーカーのチューブ管のサウンドと比べると低いと思います。
VINTAGE AMP
「VINTAGE AMP」は公式のコメントによると「ビンテージ・アンプをパーツ・レベルから徹底解析し、COSM技術によって音質や弾き心地も克明に再現したもの」だそうです。
CSOMのサウンドは従来のBOSSサウンドとは真逆ですが、LINE6のPODのようなサウンドに近づいただけのものです。PODなどと同様にヴィンテージ・アンプの再現は全くできておらず、デジタルを劣化させてヴィンテージ感をだしたようなサウンドです。
この機能を最大限に活かすには「T-COMP」と併用し、更にレコーディング後にDAWソフトで音質処理を行いヴィンテージ・サウンドを作り上げる必要があると思います。
BOSS GT-100 エフェクターのレビュー

BOSS GT-100にはアンプ・シュミレーターの他に歪み系、空間系と様々なエフェクターが搭載されています。
これらをモニター・スピーカーではなく、今度はJVMを使用してレビューしていきます。
歪み系エフェクターのサウンド
JVMをナチュラル/クランチにセッティングしファズ、オーバードライブ、ディストーションのパッチを使用したレビューです。
ファズ
ゲルマニウムやトランジスタと電池がサウンドのポイントであるファズのサウンドの再現はCOSMでも難しいようです。
ゲインの深い潰れたサウンドの歪みです。本来ファズはギター本体のボリュームを絞るとナチュラル/クリーンに変化しますが、全く変化しません。
やはりファズのサウンドはコンパクト・エフェクターのファズを使用するのが1番良いと思います。
オーバードライブ/ディストーションのサウンド
どのオーバードライブ、ディストーションも使う必要性を感じませんでした。現在はリハスタにもライブハウスにもJVMやJCMが置いておりますので、それらに直結しアンプ単体のゲインでオーバードライブ・サウンドを作った方が良いと思います。
GT-100のオーバードライブやディストーションを追加することで、プレイ・ニュアンスが出しにくくなり、音のレスポンスも悪くなりますのでアンプ本来の良さを台無しにします。
サウンドの好みは人それぞれ違いますが、個人的にこのモードは使用しない方が良いと思います。
BOSS GT-100 空間系エフェクトのレビュー
空間系エフェクトに関しては、どれも無難なサウンドといった印象です。
他のメーカーと同様にヴィンテージ系エフェクトの再現度は低いですが、デジタル系エフェクトは綺麗で整ったサウンドです。
ヴンテージ系エフェクトのエコーは空間系としてではなく、エコーの効きが分からないレベルにセッティングしてEQに使用しても面白いと思います。
もしも、GT-100をリハやライブで使用する場合は空間系をメインに使用するのが個人的にはおすすめです。
まとめ
では、BOSS GT-100のサウンド・レビューのまとめに入ろうと思います。
BOSS GT-100はリハやライブよりもレコーディングに使用するのが1番良いと思います。
このエフェクターの売りである「ADVANCED AMP」や「T-COMP」といった機能は、実際にアンプを鳴らすばあには必要の無いものです。「ADVANCED AMP」はアンプの無い環境でアンプのサウンドをシュミレートするものですし、「T-COMP」はチューブ管が搭載しているアンプがあれば必要ありません。
そして、これらは本物のアンプと併用するとサウンドのバランスが取れず不自然なサウンドンになっていしまいます。
- GT-100はレコーディング向き
- リハやライブで使用するなら空間系エフェクトをメインにするのがおすすめ
- 各シュミレータはアンプと併用するのは避ける
これらのポイントを購入や使用の参考にしてみて下さい。
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