Xoticの代表的なブースターはAC Booster、EP Booster、RC Boosterの3種類があります。どのブースターもオーバードライブとしても使用可能です。
ブースターは各周波数(低音、中音、高音)の足りない部分や、音量やゲインの不足分を増幅させる為のエフェクターです。※サウンドを変化させるエフェクターではありません。
今回は、非常に人気の高い3つのXotic ブースターのレビューと、各モデルのサウンドの違いを解説していこうと思います。
まずはXotic EP Boosterのレビューから始めます。
目次
Xotic EP Booster徹底レビュー
EP Boosterは、エリック・ジョンソンが愛用しているテープエコー、エコープレックスのプリアンプ効果をシミュレートしたブースターだそうです。
余談ですが70年代頃は、空間系エフェクターのテープエコー(現在入手困難)をブースター代わりにしているギタリストが沢山いました。あのリッチー・ブラックモア(Deep Purple,Rainbow)もテープエコーをブースターとして使用していたことで有名です。
EP Boosterの仕様
EP Boosterの仕様ですが、1ノブ(ブースト量)、1スイッチ(ON,OFF)の非常にシンプルな設計です。電池でも電源アダプターでも駆動します。
バックパネルを空けると中に2つスイッチがあります。1つ目のスイッチは低音域をブースト量の調整、2つ目のスイッチはトーン音を明るさの選択できます。更に、18Vまで対応しているので電圧でも音が変えられます
使用方法は非常に簡単で、好みのブースト量にノブを設定しスイッチをオンにするだけです。
EP Boosterのサウンド
こちらがEP Boosterのサウンドです。
テープエコーやエコープレックスの実物のサウンドを聴いたことが無いので、それに関しては何とも言えませんが、太くマイルドなサウンドが出ます。
ミドルを良い感じに持ち上げてくれますし、音痩せも全く気になりません。サウンドの張りや抜けも素晴らしいと思います。
ピックの小さなアタック音や、倍音もしっかり拾って前に出してくれますので、ギタープレイの繊細なニュアンスを活かしてくれます。
常時オンでも良いですし、ギターソロの時にのみオンにしてブーストする使用する方法もあります。個人的には常時オンの状態で使用すると良いと思います。
続いてはXotic AC Boosterのレビューをしていきます。
Xotic AC Booster徹底レビュー
RC Boosterはクリーンブスターです。クリーンやクランチに使用して常時オンにして使用しますが、ドライブサウンドのブーストにも使用可能です。
複数のペダルの最初に接続することで、エフェクトの原音を損なわずにアンプから出力することができます。
RC Boosterの仕様
ゲイン・コントロールにクリーンなチューブアンプのキャラクター設定がされており、各楽器のレベルに合わせた調節に加え、アンプを高い音圧で鳴らしたような、太く、艶のある音質を得られます。
ブースト・スイッチの他にベースやトレブルのコントロール・ノブを搭載していますので、多彩なドライブ・コントロールが可能です。
オフ時のシグナル干渉を最小限に抑えるトゥルー・バイパスを搭載し、AC アダプターと9Vバッテリー両用設計になっています。
RC Boosterのサウンド
EP Boosterとは違い、ベースとトレブルのコントロール・ノブが搭載されているので、音作りの幅が広いです。
プレイの繊細なタッチも確実に拾ってくれますし、音痩せも無く、原音を更に良くしてくれるブースターです。
EP Boosterがロック向きなのに対し、RC Boosterはブルーズ、ファンク、ジャズ/フュージョン向きのサウンドです。
ジャズ/フュージョン系ギタリストのスコット・ヘンダーソンのシグネチャー・モデルの「RC Booster V2」がXoricから発売されていますが、スコットがこのブースターをベースに自身のモデルを作ったのも良く分かります。
続いてはAC Boosterのレビューをしていきます。
Xotic AC Booster徹底レビュー
AC Boosterはオーバードライブとしても使用できる超広域設計のフルレンジ・ブースターです。紹介してきたモデルの中で1番幅広いサウンド・メイクが可能なモデルです。
AC Boosterの仕様
ゲイン、ボリューム、トレブル、ベースのノブを搭載し、更にトルゥーバイパス仕様です。こちらもモデルも電池とACアダプターで駆動します。
ゲインが比較的高めの設定ですのでロックからジャズまで幅広いジャンルに対応しています。
AC Boosterのサウンド
楽器のキャラクターを変えることなく、ゲインをアップしてくれます。ゲインのキャラクターはマイルドでウォームで、ミッドハイからハイかけて良い感じに抜けてくれます。
既にレビューしたモデルと同様に、プレイのタッチを損なわずに再現してくれます。ゲインを上げてもピックが弦に当たるアタック音までしっかりと拾っています。
Xotic Booster EP,RC,ACを比較
モデル | 特長 |
EP Booster | シンプルなコントロールで使い易く、ロック向きのサウンド。常時オンの使用がおすすめ。 |
RC Booster | EQノブ搭載で幅広い音作りが可能。サウンドキャラクターやジャズやブルース寄り。クリーンブースターなので常時オンの使用がおすすめ。 |
AC Booster | EQノブ搭載で、ドライブのかかり具合も深め。あらゆるジャンルに対応可能なオーバードライブ/ブースター。 |
好みもありますが、3つの中で1番サウンドに張りや抜けがあり、ブースターで定番のTSシリーズに勝るのがEP Boosterだと思います。
特に張りと抜けに関してはEP Boosterの方が優れているように思います。ゲインのキャラクターとなるとTSシリーズですが、そこに拘らなければEP Boosterの方が良いと思います。
マーシャルの1959やDLSとの相性が非常に良いので、この組み合わせでの使用は1度試してみる価値があると思います。
オンにした状態で原音と変わらないセッティングにし、ブースターとしてではなく、音の劣化防止に接続する使用方法もあります。
EP Boosterのおすすめセッティング
「シングルコイル搭載のストラトキャスター」→「EP Booster」→「その他のエフェクター」→「パワー・アッティネーター」→「マーシャル1959(フルボリューム)」のセッティングのサウンドは非常におすすめです。
※フルボリュームにしたマーシャル1959はパワー・アッティネーターを通さないと、仮にスタジオで使用しても音漏れするほどの物凄い爆音ですので、パワー・アッティネーターを通すことをおすすめします。また使用方法を間違うとキャビネットが破損しますので注意して下さい。
まとめ
Xotic Boosterシリーズは、どのモデルも素晴らしいサウンドだと思います。気になる方は1度、楽器店で試奏してみるのも良いかもしれません。
では、Xotic Boosterシリーズのまとめに入ります。
- どのモデルもギターが1番良く鳴るポイントをブーストしている
- RCとACはEQ幅広い音作りが可能
- どのモデルも常時オンでの使用がおすすめ
- 原音と同じ音量にして音の劣化防止にも使用可能
この記事をXotic Boosterの購入や使用の参考にしてみて下さい。