ZOOMからリリースされている、コンパクト・マルチ・エフェクターのG1onとG1Xonですが、この2つは内蔵されている機能な同じです。
この2つのモデルの異なる部分はG1Xonにはエクスプレッション・ペダルが搭載されています。このエクスプレッション・ペダルを使用してワル、ピッチシフターなどをリアルタイムでコントロールすることが可能です。
では、ZOOM G1on /G1Xonのレビューをしていきたいと思います。
まずはG1onとG1Xonの基本仕様から始めます。
ZOOM G1on/G1Xonの基本仕様
写真左がG1on、右がエクスプレッション・ペダルを搭載したG1Xonです。
この2台の仕様は以下の通りです。
仕様
- ディストーション、コンプレッサー、モジュレーション、ディレイ、リバーブなど75種類のエフェクトを内蔵
- 最大5種類のエフェクトを同時に、しかも自由な接続順で使用可能
- オリジナルのエフェクトパッチを100種類(10パッチ×10バンク)メモリー可能
- パッチの並べ替えが簡単に行えるコピー、スワップ機能を搭載
- エフェクトの設定を自動的に保存するオートセーブ機能
- 演奏中に次のパッチをバックグラウンドでスクロールできるプリセレクト機能
- オープンチューニングやドロップチューニングにも対応するクロマチックチューナー
- 最長30秒のフレーズをCDクオリティで録音できるルーパー機能。スタート/エンドの境目もきわめてスムーズにプレイバック
- ルーパー機能と併用できる68種類のリズムパターン
- アクティブ/パッシブ両対応のギターインプット端子
- 音楽プレイヤーなどを接続できるAUXインプット端子
- アウトプット端子はギターアンプの他に、ヘッドフォンも接続可能
- ステージ上でも高い視認性を確保できるバックライト付き液晶ディスプレイ
- ギグバッグに無理なく収納できる軽量コンパクト設計
- 単3乾電池4本で動作し、アルカリ乾電池の場合は最長20時間使用可能
- ファームウェア・アップデートが可能なUSBポート装備
- 電源は単3乾電池の他に、ACアダプター(別売オプション)、USBバスパワーでも駆動可能
- 寸法、重量:155 (D) x 146 (W) x 43 (H) mm、380g
2台とも内蔵している機能は同じですが、G1Xonはエクスプレッション・ペダルでエフェクトをリアルタイムでコントロール可能です。
マルチエフェクターZOOM G1on /G1Xonのサウンドレビュー
沢山のエフェクトが内蔵されていますが、個人的に注目しているのは「Over Drive」、「TScream」、「Governor」、「Sqeak」、「Fuzz Smile」です。
これらは人気のコンパクト・エフェクターをモデリングしたもので、他のメーカーのマルチエフェクターでもモデリングしたものが多数リリースされています。
この再現度が、このエフェクターの評価を左右すると思います。
では、G1onとG1Xonが聴ける動画を見ながらサウンドのレビューをしていきます。
歪み系エフェクト
どの歪み系エフェクトもモデリングしているエフェクターには程遠いサウンドです。
そして、恐らくオーバードライブ、ディストーションともに基本的なサウンドは同じで、トーンの効き具合やゲインの掛かり具合が異なるだけといった印象です。
個人的には「T Scream(TS-808をモデリング)」と「Over Drive(OD-1をモデリング)」に注目していましたが再現度はかなり低く感じました。
音作りをする時は、モデリングしたエフェクターのサウンドは意識せず、実際に鳴っているサウンドを調整する方が上手くいくと思います。
アンプシミュレーター
アンプシュミレーターのサウンドですが、G1 FOUR/G1X FOURシリーズと同様にアンプシュミレーターというよりは、こちらもエフェクターのようなサウンドです。
モデリングしているアンプのサウンドとは程遠いサウンドですので、アンプシュミレーターはエフェクターと組み合わせて、音作りをする機能と考えた方が良いと思います。
空間系エフェクト
空間系エフェクトはデジタル特有の整ったサウンド(アナログ感はありません)です。かなり音痩せしますが、掛かり具合は良いと思います。
モデリングしているエフェクターを見ると、バッファー回路を搭載していないものがあります。(バッファー回路を通さない場合、音が劣化して独特のサウンドになります)
その劣化こそが個性的なサウンドに繋がりますが、G1on/G1Xonは接続しても全く劣化が無く、ハイファイ過ぎて更に音が痩せます。
空間系エフェクトも、モデリングしているエフェクターのサウンドを意識せずに音作りをすると良いと思います。
エクスプレッション・ペダル
続いてはG1Xonに搭載されているエクスプレッション・ペダルを使用したワウ・サウンドです。
ワウの効きは強めで、ギアを調節してハイ(高音)を強調したワウ・サウンドです。
音は他のエフェクトと同様に、かなり痩せます。そして、バッファーを通さないハイファイなサウンドなので現代風のワウ・サウンドを狙っているのだと思います。
ペダルの重さも従来のワウより軽いので、繊細な表現をするのが難しい印象です。
耐久性
G1onとG1Xonに限らずZOOM製のエフェクターはボディーやスイッチがプラスティック製ですので、耐久性はありません。
自宅で使用する分には問題は無いと思いますが、リハやライブで使用する場合はスイッチやペダルを強く踏むと壊れてしまう可能性があります。
他のエフェクターであれば強度の高いスイッチやジャックに交換することが可能ですが、ZOOM製品は構造上そうもいきません。取扱いには注意した方が良いと思います。
まとめ
ZOOM G1onとG1Xonのレビューをまとめていきます。
- 低価格で多機能
- 歪み系エフェクトはデジタル特有のハイファイ・サウンド(アナログ感は無し)
- アンプシュミレーターはエフェクターとして使用すると効果的
- 空間系エフェクトは整ったサウンド(アナログ感は無し)
- ワウの効きは強めで劣化は無いが音痩せが目立つ
- エクスプレッション・ペダルが軽いので微調整が難しい
G1onとG1Xonの最大の魅力は低価格で多機能(一通りのエフェクターが内蔵しています)な部分だと思います。
G1onとG1Xonは、これからギターを始める初心者の方が、あらゆるエフェクターの効果を試すのに丁度良いモデルだと思います。
既にギターを演奏していて、サウンドの向上を目指す方には、個人的におすすめはしません。価格はG1onとG1Xonの2倍程になりますがLINE6 マイクロスパイダーをおすすめします。
マイクロスパイダーはエフェクターではなくアンプですので、ルーパー(実践では使用することはありません)やペダルはありませんが、ハイクオリティーなアンプモデルと空間系エフェクトを搭載しています。
そして、G1onとG1Xonは電池でも駆動しますが、電池の減りとともにサウンドが変わります。※エフェクターは電池が減ると高音が削られて行きます。
一定のサウンドを保つためにACアダプターを使用することをおすすめします。
エフェクターやアンプの電源はとても重要で使用する電池の種類やメーカー、電源を取る場所(壁やタップ)によりサウンドが変わります。電源はできるだけ壁のコンセントから取るようにして下さい。
この記事をG1onとG1Xonを使用する際の参考にしてみて下さい。