自宅でのドラム練習用に、様々なモデルの電子ドラムが発売されています。電子ドラムといえど従来のモデルは、パッドを叩く音が意外に大きいものが少なくありませんでした。
そのような問題を解消するために、最近はパッドを叩く音を最小限に抑える工夫がされた電子ドラムが沢山発売されています。
ここでは電子ドラムの人気モデルを紹介しながら、騒音にならないドラム選びを解説していきます。
まずは、電子ドラムの選び方から始めます。
電子ドラムの選び方
電子ドラムを選ぶ方法についてですが、練習に使用する場合と、その特性を活かして演奏する場合により選ぶモデルが異なります。また、初心者や上級者、ドラムを置くスペース、打感、騒音問題などにより選び方が変わります。
ここでは使用の目的に合った電子ドラムの選び方のコツを紹介していきます。
価格で選ぶ
全ての電子ドラムに言えることではありませんが、一般的に価格が安ければ性能は低く、価格が高いほど高性能です。しかし、高性能であればサウンドや演奏性が良いというわけではありません。
サウンドや演奏性は価格で決まるものではなく、好みの問題になります。
入門用モデルは、2万円台から発売されていますが、安価なモデルの中には、おすすめできないものも多いのが現状です。一見、最低限のセットが揃っていても、音質や感触、音のレスポンス(パッドを叩いてから音が鳴るまでのスピード)が高価なものと比べて遅いものが多い傾向があります。
音を出すだけ、フォームの練習だけに購入するのであれば、安価なものでも良いと思います。しかし、電子ドラムを使用してドラミングを上達させることが目的の場合は、ある程度の値段のものをおすすめします。
パッドの材質で選ぶ
電子ドラムを選ぶ際に非常に重要なのがパッドの材質です。
電子ドラムの形状を見ると分かると思いますが、電子ドラムは普通のドラムと違い、タイコ(スネアやタムなど)やシンバルを叩いて、物理的に音を出しているわけではありません。叩いた振動をセンサーでとらえ、音源のサウンドをヘッドホンやモニタースピーカーから出力しています。
そのため打感がとても大切です。打感が違えば、電子ドラムの上達への影響はもちろんのこと、フォームやモチベーションにも影響がでます。電子ドラムのパッドの材質には、下記のような種類が存在します。
- ゴム製
- メッシュ製
- シリコン製
それぞれの材質のメリットとデメリットがありますので、自分に合うものを選ぶ事が大切です。各パットの特長は以下の通りです。
ゴム製
耐久性が良く安価です。他のパットに比べ打感が劣り、音が響きやすいので騒音を気にする方にはおすすめできません。
メッシュ製
打感性が良く音が響きにくいのが特長です。また、テンションなどを調整することも可能です。デメリットは比較的高価であり、ゴムなどに比べ耐久性は悪いことです。
シリコン製
メッシュと同じような特性がありますが、どの材質よりも打感が良いと言われています。通常のドラムに近い感覚が特長でもあります。シリコン製パッドはヤマハの電子ドラムに使用されています。
パッドによるメリットとデメリットは以上のようになります。
セットの大きさで選ぶ
自宅で練習が可能な電子ドラムですが、実は思っている以上にスペースが必要です。部屋に置けるスペースがあるか確認してから購入することをおすすめします。
また、大きい電子ドラム=高価で高性能ではありません。小さくても高機能な電子ドラムも沢山ありますし、折りたたんで収納・持ち運びできるタイプもあります。部屋のスペースや用途と考えて、最適な電子ドラムを選ぶことが大切です。
そして、高性能=搭載されている音源ということを覚えておくと良いと思います。
ペダルで選ぶ
ハイハット、バスドラなどのペダルには様々な種類が存在します。通常のドラムの場合、選ぶべきポイントは、シングルペダルやツインペダルといった、操作性になると思いますが、電子ドラムの場合は少し変わってきます。それは足を置いただけで音が出る、スイッチタイプの存在があるからです。
スイッチタイプのペダルは、足を置くだけでセンサーが反応し音が出ます。そのため消音性にも非常に優れています。しかし、デメリットとして通常のドラムとはかけ離れた、操作感・打感になってしまいます。
もし、通常のドラムに近い操作感・打感で練習したいのであれば、ペダルの先に連動するビーターが付属されている、ドラムペダルタイプを選ぶと良いでしょう。その上で、好みによりツインペダルも検討すると良いと思います。
機能で選ぶ
電子ドラムには、様々な機能が搭載されています。これにより通常のドラムには無い、電子ドラムならではの個性が出せますので、選ぶ際の重要なポイントになってきます。
電子ドラムの機能は以下のようなものがあります。
- 音の種類やレスポンス、調整幅(音源の使いやすさなど含む)
- 他の機器との汎用性(機器の追加やPCなどの端末との連携のしやすさ)
- ドラムセットの充実度(タムタム、スネア、ハイハットなど自分の理想のセットであるか)
- インチ数(パッドの直径)
これ以外の機能も数多く存在しますが、大まかな機能は以上のようなものです。自分が求めている機能を十分に把握した上で、電子ドラムを選んぶようにして下さい。
続いては、おすすめの電子ドラムを紹介していきます。
おすすめ電子ドラム5選
ここではおすすめの電子ドラムを紹介していきますが、実際に購入する場合は 楽器店で演奏して選ぶようにして下さい。
Roland V-Drum TD-1KV
操作やセッティングが簡単で、初心者向けの電子ドラムです。コンパクトに設計されているため、部屋に設置するスペースが限られている人におすすめです。
スネアにはメッシュパット、ペダルにはビーターレスキックペダルなどを採用し、騒音対策に優れたドラムです。
YAMAHA DTX760K
シンプルな操作性のトリガーモジュールDTX700をセットしたDTX760Kです。ドラマーの求める最高の叩き心地を実現しています。操作性に優れたトリガーモジュールは、1396音色を内蔵、弱打から強打まで高い表現力を実現しています。
上位モデルながら、コンパクトなセッティングになっています。スネア、タムパッドにはDTX-PAD(シリコン)、キックパッドKP100が採用され打感性に優れています。スネア、タム等の出力を簡単にコントロールできるスライダーを搭載。録音もボタン1つで操作可能です。
Roland TD-25KV-S
こちらも上位モデルで、演奏しやすい大きな打面で、打感性も備えています。コンパクトな設計なのも特長です。音源にはTD-25が採用されており、操作性に優れた電子ドラムです。ドラムに近い打感を得たい方、電子ドラムならではの個性を求めている方、どちらにもおすすめの1台です。
MEDELI DIY KIT
本格ドラムサウンドを自宅でも簡単に楽しめるMEDELIの電子ドラムです。非常にコンパクトな設計になっており、軽くて場所も取りません。MP3プレーヤーやオーディオ機器を接続することで、曲に合わせてドラム演奏も可能です。自宅練習からDTMまで、幅広い用途に対応したモデルです。
Alesis Nitro Kit
こちらも比較的コストパフォーマンスに優れていながら、サウンドや、レスポンスが良い電子ドラムです。大型ディスプレイや、直感的な操作性も採用しており、初心者でも扱いやすいと仕様になっています。また、外部出力機能が豊富なのでパッドの追加を考えている方にも、おすすめのモデルです。
まとめ
ここで紹介したほかにも沢山の電子ドラムが発売されています。色々なモデルを実際に演奏して選ぶことをおすすめします。
また、電子ドラムは本物のドラムよりもスティックがバウンドします。これに慣れてしまうと、本物のドラムを叩く際に違和感を感じたり、叩きにくくなります。
電子ドラムだけを練習するのではなく、定期的に練習スタジオで本物のドラムを叩くようにして下さい。
この記事を電子ドラムを選ぶ際の参考にしてみて下さい。