midiの打ち込み方法はステップ入力とリアルタイム入力の2種類があります。多くの方はステップ入力がメインですが、ごく稀にリアルタイム入力をする凄腕のキーボード・プレイヤーもいます。
現在のDAWソフトは奏法を表現する機能が豊富ですので、リアルタイム入力は殆どすることはなくなりましたが、今回は初心者向けにリアルタイム入力について解説していきたいと思います。
まずはリアルタイム入力の基礎知識から始めます。
midiキーボードのリアルタイム入力の基礎知識
まず、リアルタイム入力をするための最低条件は鍵盤楽器が演奏できることです。
ステップ入力はmidiの入力画面(ピアノロール)にmidiキーボードやマウスを使用して、データ打ち込んでいきます。
それに対しリアルタイム入力は、クリックを鳴らし実際に演奏してデータを打ち込みます。簡単に説明しますと、midi入力画面に録音するのがリアルタイム入力です。
一昔前までは、ベロシティー(強弱)やピッチベンドやヴィブラートはステップ入力の場合、打ち込んだデータを後から細かく設定するのが面倒でした。そのような時にリアルタイム入力で打ち込みをしていましたが、現在はこれらの設定が非常に簡単になりましたので、リアルタイム入力の使用頻度は減っています。
しかし、鍵盤楽器の演奏技術がある方であればステップ入力よりも圧倒的に速く打ち込みが可能です。
続いては、リアルタイム入力の方法を解説していきます。
Studio OneでMIDIキーボードリアルタイム入力する方法
まずはリアルタイム入力をしている映像を見てみましょう。2:50あたりからドラム、ベース、キーボードの順にリアルタイム入力をしています。
個人的な意見ですが、ここまで正確かつ完璧に弾ければ、リアルタイム入力の方が効率が良いと思います。しかし、そうではない場合、結局はリアルタイム入力したデータのズレを直す作業などに時間がかかってしまうのが現実です。
Studio Oneでのリアルタイム入力の手順
- 入力したいトラックの選択
- トランスポートのRECをクリック
リアルタイム入力の手順はこれだけです。あとはクリックに合わせて演奏をして入力していきます。
クオンタイズでズレを修正
こちらはリアルタイム入力したmidiデータの画面です。良く見るとオレンジ色のデータが縦のライン(グリッド)からズレているのが分かると思います。これはリズムのズレです。
このズレを修正するのがクオンタイズという機能です。
操作方法はクオンタイズをクリックし、好みの長さに音符を選択します。これだけで音符のズレを直すことが可能です。
しかし、グリッドを揃えてしまうのであればステップ入力と同じになってしまいます。ズレを修正する手間を考えると、初めからステップ入力をした方が良いと思います。
メトロノームの設定
トランスポートのメトロノームのアイコン(画面右下)をクリックし、クリックのパターンやサウンド、音量の調整も可能です。
プリカウントを設定すると数小節前からクリックが開始されます。これらの機能を好みに合わせて設定して下さい。
- リアルタイム入力はトラック選択をしてトランスポートのRECをクリック
- メトロノーム機能で好みのクリックに調整
- ズレたデータはmidi入力画面で修正可能
まとめ
midiのリアルタイム入力は、鍵盤楽器が演奏できない方には非常に難しいものです。演奏出来ても打ち込むデータにもよりますが、高度な演奏技術が必要になります。
そして、midiキーボードは鍵盤は演奏するように基本的に設計されていませんので、非常に演奏しにくいです。リアルタイム入力をする場合は、演奏性に優れたものを探すか、シンセサイザーをmidiキーボードとして使用することをおすすめします。
ベロシティー、ピッチベンド、ヴィブラートは確かにリアルタイム入力の方が打ち込み易いのですが、これも正確なリズムで演奏できる場合です。演奏技術がない場合は、入力後にクオンタイズで修正する時間と手間がかかりますので、ステップ入力をおすすめします。
個人的には、midiをステップ入力するならば実際にトラックに録音し、波形データを修正してしまう方が、よりリアルなサウンドに仕上がるのでおすすめです。
midiは修正しても、所詮はmidiデータなので機械的な演奏です。しかし、波形データはパンチインとパンチアウト、クロスフェードをかけると打ち込みの演奏家なのか、人間の演奏なのか区別がつかないほどリアルになります。
- リアルタイム入力には高い演奏技術が必要
- フレーズごとではなく1音ずつリアルタイム入力も可能
- 初心者、鍵盤楽器が弾けない方にはステップ入力がおすすめ
- トラックに録音しパンチイン、パンチアウト、クロスフェードを駆使した方がリアルな演奏とサウンドが作れる
これらのポイントをリアルタイム入力をする際の参考にしてみて下さい。