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DTM

Studio One 4 上級者編・Primeコンプレッサーで音圧を上げる方法


コンプレッサーとは、本来は圧縮する機器のことですが、ミックス調整では音量の最大値を抑えて圧縮し、最小値との差を縮めることで、音量のバラつきを整えるためのエフェクターとして使われます。

Studio OneではCompressorというプラグイン名で搭載されています。

今回はレコーディングした音源の音量と音圧を、コンプレッサーを使用して上げる方法を解説していきます。

Studio One 4 Primeコンプレッサーの基本的な使い方

こちらがStudio One 4 Primeのコンプレッサーです。

沢山の調整ツマミがありますが、まずは左側の3つのパラメータについて紹介します。

左側の3つのパラメーター

Threshold(スレッショルド)

圧縮が掛かり始める音量の境界を調整します。

 Ratio(レシオ)

どのくらい圧縮させるかを比率で調整します。

 Knee(ニー)

圧縮のカーブの鋭さを調整します

これら3つのパラメータで、圧縮対象と圧縮の度合いを調整します。調整具合は右側のディスプレイで3つのパラメータで確認できます。

使い方

スレッショルドで、圧縮が掛かり始める音量の境界を設定します。例えば「-10dB」に設定した場合は「-10dB」を超えた音量に対して圧縮処理が掛かります。

次にレシオを調整し、スレッショルド値を超えた音量に対して、どのくらい圧縮させるのか圧縮率を調整します。「1:1」ですと一切圧縮がされず「20:1」ですとスレッショルドで決めた圧縮を掛ける境界まで圧縮されます。

最後にニーで、圧縮のカーブの鋭さを調整します。最小値にするとカーブが鋭利になり、最大値にするとカーブは緩やかになります。

右側の3つのパラメーター

Gain(ゲイン)

音量のコントロールができます。

Attack(アタックタイム)

圧縮が始まってから完全に圧縮されるまでの時間を調整します。

Release(リリースタイム)

スレッショルドを下回って、圧縮を解くまでの時間を調整します。

コンプレッサーを掛けるとスレッショルドを超えた音量が、レシオで設定した比率で圧縮されます。

※スレッショルドを超えた瞬間、急に圧縮されたり、スレッショルドを下回った瞬間、急に圧縮が解かれたりすると、非常に不自然な音に聴こえます。

この不自然さを解決するためにアタックタイムとリリースタイムを調整します。設定したms(ミリセカンド)単位の時間を掛けて徐々に圧縮・開放されます。

使い方

音の立ち上がりが早い打楽器系はアタックタイムを短めに、音の余韻が長く続くストリングス系はリリースタイムを長めにするなど、楽器の特性に応じて不自然なコンプ処理にならないように調整すると良いでしょう。

また、コンプレッサーを掛けると圧縮した分、音量の最大値が下がりますが、この下がった音量分をGainで持ち上げます。

音量を数値で確認するには、「Level Meter」というプラグインを使用することで、音量の瞬間的な最大値(peak値)を数値で確認することができます。

※Level Meterを追加した状態で再生させると解析されます。

このLevel Meterを確認しながら、コンプ処理前と処理後の音量を確認し、下がった音量分をGainで持ち上げます。

以上がコンプレッサーの使い方になります。

続いてはStudio One 4 Primeのコンプレッサー処理について解説していきます。

Studio One 4 Primeコンプレッサー処理のやり方

基本的にバランスを調整するという目的で使用する場合は、あまり深く掛けずに、Gainは最大でも「+3dB」持ち上げられる程度に圧縮具合を調整するのがおすすめです。

またベース楽器や、ドラムスのキックなど、常に一定のボリュームで安定感が欲しい音に関しては、スレッショルドとレシオの値を大きくとって、抑揚が付かないくらい深く掛けてしまっても良いです。

ボーカル、ギター、ベース、ドラムといった編成のバンドならば安定感を出すために「Bass」のトラックのみ深く掛けるようにして、他のトラックは、音量の最大値が「-3dB」下がるように圧縮し、Gainで「+3dB」持ち上げる程度に調整するのがおすすめです。

コンプレッサーはエフェクターの中でも効果が分かりにくいので、色々な設定を試してみて、処理の掛かり具合を理解していくことをおすすめします。

まとめ

コンプレッサーの処理は効果が分かりにくいので、使いこなすには経験が必要になります。処理方法ですが、演奏するジャンルや曲調、好みにより様々です。

まずは録音が完了したトラックにコンプレッサー処理をしながら、どのような設定をすればどのような効果が出るかを試してみると良いでしょう。それと同時に色々なアーティストのCDを聴き、非常に分かりにくいですがコンプレッサー処理の勉強をすることをおすすめします。

また好きなアーティストの曲をインポートし、それにコンプレッサーをかけて、どう変化するのか試す練習はおすすめです。

コンプレッサー処理は回数を重ねるごとに、段々と効果が分かってきます。効果が分かりにくいですが曲の完成度を左右するものですので是非、身に付けるようにして下さい。

この記事をコンプレッサー処理をする際の参考にしてみて下さい。