VOXからリリースされている、ギターとベース用のヘッドホンアンプは楽器に直接繋ぎ、ヘッドホン(またはイヤホン)でモニターする小型のアンプです。これは簡単に説明しますと、ギターアンプのスピーカーをカットしたものです。
通常であれば楽器→プリアンプ→スピーカーと出力されますが、スピーカー部分が無いため最終的な出力はヘッドホンになります。VOXのヘッドホンアンプはライブやスタジオで使用するものではなく、自宅での練習用などに向いています。
今回はギタリストだけではなく、ベーシストの方にも分かり易くVOXのヘッドホンアンプの使い方を解説していきます。
まずはVOXヘッドホンアンプの仕様から始めたいと思います。
VOXヘッドホンアンプの仕様
VOXのヘッドホンアンプ「VOX amplug」は様々なモデルがリリースされています。どのモデルにも共通している仕様はインプット端子、ヘッドホン端子、AUX端子、電源は単四電池という部分です。
この他にクリーンやクランチ、ハイゲイン・ドライブと各モデルごとにタイプが分かれていおり、空間系エフェクトやリズムマシンを搭載しているものもあります。(ベース専用も同様です)
VOXヘッドホンアンプを使用する際の注意点
使用する時の注意点は電池駆動のため、使用する電池の種類(マンガンかアルカリか)でサウンドが激変する部分と、電池の消耗とともにサウンドが変化する部分です。
アンプを鳴らす電源はサウンドに大きな影響を及ぼします。例えば関西と関東では供給される電力に差があるので、関西と関東ではアンプの鳴り方が異なります。これと同じように電池の種類と残量で、サウンドが変わるのがVOXのヘッドホンアンプです。
ずっと同じサウンドを鳴らし続けることは不可能であることを、理解しておく必要があります。
また、使用するヘッドホンでもサウンドの聴こえ方が変わります。
出来れば重低音モデルなどクセのあるものではなく、ナチュラルでフラットなサウンドのヘッドホンを使用すると、VOXヘッドホンアンプ本来のサウンドをモニターすることができます。
続いてはVOXヘッドホンアンプの種類について解説していきます。
VOXヘッドホンアンプの種類
VOXヘッドホンアンプには、様々なバリエーションのサウンド・モデルがあります。
VOX amplug2 Metal
VOXヘッドホンアンプを初めて買う場合おすすめなのがこのMetalです。ハードなドライブ・サウンドが特長のモデルです。ゲインを落とせば歪みを抑えることも出来るので、汎用性も高めです。
VOX amplug2 AC30/Clean
AC30はVOXの名機でビートルズが使っていたことで有名なアンプです。その音をシミュレートしたもので歪みは抑え気味です。エフェクト・モードでトレモロをかけることも可能です。ビートルズ風の音が好みの方におすすめです。
VOX amplug2 Classic Rock/Lead
VOX amplug2 Classic Rock/Leadはクリーン系とメタルの中間的な位置付けとなります。ナチュラルな歪みで、モードの切り替えることにより中高域をブーストできます。これがモードで中高域をカットするMetalと対照的な部分です。こちらもMetalと同様に、汎用性が高く、おすすめのモデルです。
VOX amplug2 Blues
VOX amplug2 Bluesは真空管のアメリカンなクランチ・サウンドのモデルです。モードでクリーン、クランチ、リードが切り替えが可能です。クリーンも歪みもかけられるのでこちらも汎用性の高いモデルです。
VOX amplug2 Bass
VOX amplug2 Bassはベース専用です。エフェクターの代わりにリズムマシンが内蔵されています。
VOX amplug キャビネット
VOX amplugキャビネットはamplugをスピーカーにしてしまうキャビネットです。9V電池駆動でamplugのスピーカー端子に繋ぎます。側面にシールド端子があり、ケーブルを接続すれば自動的にパワー・オンになります。ACアダプタでの駆動も可能です。音質はヘッドホン程ではありませんが練習するには十分なレベルです。
続いてはVOXヘッドホンアンプの使い方について解説していきます。
VOXヘッドホンアンプの使い方
VOXヘッドホンアンプの使い方は非常に簡単です。ギターのジャックにVOXヘッドホンアンプを差し込み、更にヘッドホン端子にヘッドホンを接続するのみです。
ボリューム、EQ、エフェクトの調整は写真にあるツマミを回して行います。EQやエフェクトはコンボアンプやスタックアンプのように、高性能なものではありませんので、それらと同じような効果を得ることは難しいです。
ヘッドホン端子にシールドを繋ぎ、スピーカーに接続して音を鳴らすことも可能ですし。また、VOXヘッドホンアンプ専用のモニター「VOX amplug2 キャビネット」というものもリリースされています。これを使用してヘッドホンを使用せず、スピーカーからモニターすることも可能です。
個人的な意見ですが、VOXヘッドホンアンプは、アンプを鳴らせない旅先のホテルやライブ前の楽屋でのウォーミングアップなどに使用するのが良いと思います。そして、専用のスピーカーから出力するのであれば、普通のアンプを使用するのと同じですので、他のアンプを使用した方が良いと思います。
そして、ミニジャックはAUX外部入力端子も搭載されています。ここに、ミニジャックのケーブルを繋ぐと、iPhone、iPad、スマホなどで音源を再生し、それに合わせて演奏することができます。
続いてはVOXヘッドホンアンプを使用した練習について解説していきます。
VOXヘッドホンアンプを使用した練習
VOXヘッドホンアンプは練習というよりも、演奏を楽しむことに使用すると良いです。
通常の使い方をするとギターのサウンドしかモニター出来ませんし、AUX端子から外部音源を繋いでもヘッドホンからギターと音源の両方をモニターすることになり、モニター環境が非常に悪くなります。
また、ライン出力したサウンドをヘッドホンでモニターするため、実際にアンプを鳴らすよりも演奏がしやすくなります。ミスも分かりにくくなるため少々、雑に弾いても上手く聴こえてしまいます。ヘッドホンやライン出力に慣れてしまうと、アンプを鳴らした時に上手く弾けなくなりますので注意して下さい。
このようなことから、練習ではなく好きな音源を流し、それに合わせて演奏を楽しむために使用することをおすすめします。
VOXヘッドホンアンプのサウンドに拘りがあり、これで練習する場合は、練習のために専用キャビネットを使用するようにしましょう。
まとめ
VOXヘッドホンアンプは既に解説しました通り、練習というよりも演奏を楽しむのに適したアンプです。それを理解した上で使用するようにして下さい。
また、ヘッドホンやイヤホンなどのモニター環境で、聴こえるサウンドが180度変わります。これはVOXヘッドホンアンプに限らず、どの楽器でもそうです。しかし、VOXヘッドホンアンプのサウンドを鍵を握っているのは、ヘッドフォンなどのモニター環境です。思うようにサウンドが作れない場合や、サウンドに違和感を感じる時はモニター環境を変えてみることをおすすめします。
- VOXヘッドホンアンプのサウンドはモニター環境により変化する
- 練習よりも演奏を楽しむための機材
- サウンドに違和感を感じたらモニター環境を変える
これら3つのポイントを参考にしてみて下さい。