ここ数年、EDMが非常に流行っています。EDMとは「Electronic Dance Music」の略で簡単に説明すると現代版のダンス・ミュージックです。
一昔前に流行ったトランスなどと違い、歌モノが多いのも特徴です。EDMという言葉は知らなくても、CMなどでも良く使用されていますので、多くの方が1度は耳にしたことがあると思います。
今回はEDMについて解説しながら、作曲のコツや、おすすめのソフトの紹介をしていこうと思います。
まずはEDMの基礎知識から始めたいと思います。
EDMの基礎知識
EDMは、そのジャンルの中でも様々なジャンルがあります。ここでは代表的な曲を聴きながらEDMについて解説していきます。
Beautiful Now:Zedd
CMにも使用された曲ですので聴き覚えのある方も多いと思います。こちらは歌をメインにしたEDMの代表曲です。
従来のダンス・ミュージックと異なる部分は、歌モノのダンス・ミュージックはバック・トラックのサウンドもかなり派手でしたが、最近はあまりシンセを重ねず控えめにすることが多いです。
Animals:Martin Garrix
こちらは歌の無いインスト曲です。インスト曲も、ユーロビートやトランスと比べるとかなりシンプルに作らています。
全ての曲がそうではありませんが、多くのEDMの曲はシンセを重ね、派手に聴かせることはなく、1つ1つフレーズをしっかり作り込み、シンプルにアレンジするのが特徴です。
EDMは80年代ディスコ・サウンド、その後にブームなったユーロビートやトランスよりも意外とシンプルな構造の曲が多いです。
そのため作曲には従来のダンス・ミュージックよりも音楽的な知識とセンスが必要になります。
続いてはEDMを作るのに必要な物を解説していきます。
EDMを作るのに必要な物
ここでは初心者がEDMを作曲するために必要なものを紹介します。
- DAWソフトを使用するための条件を満たしたスペックのPC
- DAWソフト
- MIDIキーボード(必要であれば)
- オーディオ・インターフェース
- ヘッドフォンとモニタースピーカー
これらがあればEDMは作曲することが可能です。
PCはDAWソフトを動かせるCPU搭載のものを選ばないと、ソフトを使うことが出来ませんので、使用するDAWソフトに合ったものを用意しましょう。
MIDIキーボードに関してですが、PCのキーボードやマウスで打ち込みをすることも可能ですので、必要な方のみ用意するようにして下さい。
続いてはEDMを作曲するのにおすすめのソフトを紹介します。
おすすめソフト
Live
ダンスミュージックに特化したDAWと言えば、必ず挙げられるのがAbleton社の「Live」です。このソフトのユーザーは非常に多く、EDMトラックメイカーはもちろん、様々なジャンルのミュージシャンに使われています。
普通のDAWと同じように、横スクロールで波形を並べていく「アレンジメントビュー」という機能に追加して、MIDIやオーディオを縦に格納出来る「セッションビュー」という機能がついています。
これは音楽を止めることなくアドリブでアレンジや、録音テイクを入れ替えして使用することも簡単にできます。また、操作性がかなり直感的でアクセスがとにかく早いという点も魅力的です。
Live専用のコントローラーが多数販売されており、これらを購入することで、よりスムーズに制作が行える点もポイントです。
コントローラーの中でも有名なのが「Launch Pad」という商品です。
FL Studio
クラブミュージックといえば「FL Studio」といえるほどトラックメイカーに人気のDAWです。元々はWindows専用のDAWでしたが、現在はMacにも対応しました。
制作スタイルは視覚的にわかりやすいステップシーケンサーやピアノロールで制作した「クリップ」を配置したり、オーディオの切り貼りが中心なので、DTM初心者でも分かりやすく簡単に製作できます。
因みにYouTube上に公開されているクラブミュージックのハウツー動画ではFL Studio使用者が非常に多いです。
価格が他のDAWに比べて安く、ライフタイムアップグレードという、一度買ってしまえば永久に無料でアップグレードもできるのもポイントです。
Native Instruments Komplete 11
ソフトウェア音源メーカーの大手のNATIVE INSTRUMENTS社のソフトウェア、エフェクト、プラグイン・バンドルです。音源およびライブラリ容量は下位バージョンの「SELECT」でも25GB、最上位版の「ULTIMATE」は500GBです。
収録サウンドにおいても下位バージョンでも2,500、最上位版だと18,000も入っているので、この製品一つでありとあらゆる音楽ジャンルに対応できます。
後述するMassiveというシンセサイザーや、Battery4というドラム音源など、プロ御用達のプラグインも多数収録している、業界標準といえる高品質なプラグインバンドルです。
IK Multimedia SampleTank 3
4000種類以上のインストゥルメントに加え、2,500のループサウンド、55種類の高品位エフェクト、2,000以上のMIDIパターンが収録され、総合容量は33GB以上です。
他のバンドル音源と比べると比較的リーズナブルでありながら、楽曲制作に必要な音源やエフェクトの殆どが網羅されています。初めてマルチ音源を導入する初心者の方にもオススメです。
また、SampleTank SEと呼ばれるエントリーモデルもあり、製品版の3/1以下の価格で購入できます。フルバージョンへのアップグレードも差額だけでできるので、おすすめです。
これらのソフトさえあれば、初心者でも簡単にEDMの作曲が可能です。
続いてはEDMの作り方を解説していきます。
EDMの作り方とコツ
ここでは初心者向けで、音楽理論が分からない方でも感覚でEDMを作曲する方法を解説します。
手順は以下の通りです。
- 必要な数のトラックを用意
- 用意したトラックにサウンド・テンプレートをドラッグして貼り付ける
- テンポやキーを調節する
- エフェクト処理をする
- マスタリングとミックスをして完成
サウンド・テンプレートを使用する場合は、たったこれだけの手順です。
サウンド・テンプレートとは2~8小節のフレーズのサンプルです。これらを繋ぎ、重ねて大半のクラブ・ミュージックは作られています。(メロディーを考えるのはボーカルのみの場合が多いです)もちろん、ゼロから作曲するアーティストもいますが少数です。
また、サウンド・テンプレートを使用する場合は、既にテンプレートにエフェクト処理がされているので、自分でする必要がないケースもよくあります。
歌モノを作りたい場合は、テンプレートを貼り付けて作ったトラックに合わせてボーカル・パートを作曲します。インターフェイスにマイクを接続し録音するのも良いと思います。
こちらの動画で作曲方法が詳しく紹介されていますので、参考にしてみて下さい。
サウンド・テンプレートを使用せず、自分でフレーズを作っていく作業も非常に楽しいので、こちらも是非、試してみて下さい。
まとめ
EDMの作曲はロックやオーケストラなどに比べると非常に簡単で、制作環境さえあれば誰にでも作ることが出来ます。音楽理論が分からなくても、ソフトの操作方法さえ分かれば感覚で作れるものでもあります。
しかし、販売・配布されているサウンド・テンプレートは誰もが使用しています。そのためオリジナリティーを出すのがとても難しいです。
オリジナリティーに拘る方は、フレーズを1つずつ作曲していくことをおすすめします。
この記事をEDM作曲の参考にしてみて下さい。