JC120(ジャズコーラス)は練習スタジオにも必ずと言って良いほど置いておるので、1度は使用したことのあるギタリストも多いかと思います。
このアンプは歪みよりも、クリーン・サウンド(JCクリーン)に特化したアンプです。真空管を使用せず、ソリット・ステート仕様にすることでワイドレンジで忠実にアンプリファイする独特の個性があります。
今回はJC120のセッティングや使い方を初心者にも分かり易く解説していきます。
まずは、JC120の仕様から始めたいと思います。
ギターアンプRolandJC120の仕様
JC120の仕様
- ギター用コンボアンプ
- 定格出力:120W(60W+60W)
- スピーカー:30cmx2
- コントロール:[チャンネル1]ブライト、ボリューム、トレブル、ミドル、ベース[チャンネル2]ブライト、ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ディストーション、リバーブ、ビブラート・スピード、ビブラート・デプス、コーラス/ビブラート切り換えスイッチ、電源スイッチ、チャンネル2エフェクト・ループ・スイッチ、チャンネル2エフェクト・ループ・レベル・スイッチ
- 接続端子:ライン・アウト(ステレオ)、[チャンネル1]ハイ・インプット、ロー・インプット[チャンネル2]ハイ・インプット、ロー・インプット、チャンネル2エフェクト・ループ・センド、チャンネル2エフェクト・ループ・リターン、コーラス/ビブラート・フットスイッチ、リバーブ・フットスイッチ、ディストーション・フットスイッチ
- キャスター付属
- 寸法・重量:760(W)×280(D)×622(H)mm、28kg
JC120の特長
既に解説しましたが真空管を使用せず、ソリットステート仕様のアンプです。
完全に独立した2系統のアンプとスピーカーのうち、片方のアンプとスピーカーはギターから送られたままのダイレクトな音を、もう片方のアンプとスピーカーは微妙にピッチを揺らした音を出力することが可能です。サウンド自体は柔らかく立体的に広がり、温かみと厚みがあります。
クリーン・サウンドで使用されることが多いアンプですが、オーバードライブで歪みを追加しても素晴らしいサウンドを作ることが出来ます。
続いてはJC120のサウンドを聴きながら、音作りについて解説していきます。
使い方と音作りのコツ
JC120のサウンドは動画の通り、広がりのある澄んだクリーン・トーンと芯のあるナチュラル・トーンが特長です。
ここではクリーン、クランチ、ドライブのサウンドの:作り方を解説していきます。
ナチュラル・クリーン
- インプット:HIGH
- BRIスイッチ:オフ
- VOLUME:4
- TREBLE:4強
- MIDDLE:4弱
- BASS:3
- DISTORTION:オフ
- REVERB:1
- エフェクト:全てオフ
こちらのセッティングは、ストローク、アルペジオ、カッティングとオールマイティーに使えて、なおかつエフェクターの乗りも良いバランスになります。
バンド・アンサンブルで、ちょうど良い音量はボリュームは4程度。EQはセンターより若干下げめのセッティングです。リバーブは1~2くらいが良いでしょう。ベースは3~4。基本はBRI(ブライト)スイッチはオフ、ディストーションは0です。
ギターはフロント・ピックアップで試してみて下さい。
ブライト・クリーン
- インプット:HIGH
- BRIスイッチ:オフ
- VOLUME:4
- TREBLE:5
- MIDDLE:3
- BASS:4
- DISTORTION:オフ
- REVERB:1
- エフェクト:全てオフ
カッティング向きの、抜けが良いクリーン・サウンドです。
ナチュラル・クリーンのセッティングからトレブルを1、ベースを1弱上げて、軽くドンシャリ傾向にしています。高音域の抜けがもっと欲しい場合は、BRIスイッチを入れて下さい。
このセッティングでBRIスイッチをオンにした場合、トレブルを4くらいまで下げると良いバランスになります。
ギターはフロント・ハーフで試して下さい。
ジャズ向きのクリーン
- インプット:HIGH
- BRIスイッチ:オン
- VOLUME:4
- TREBLE:0
- MIDDLE:7.5
- BASS:5
- DISTORTION:オフ
- REVERB:1
- エフェクト:全てオフ
フルアコで弾いたような、温かいサウンドです。
ハイの少ない温かいサウンドを鳴らすには、トレブルは0、ミドルを7.5くらいまで上げるのがコツです。トレブルは0~0.5くらいの間でも高域の印象がかなり変わるので注意して下さい。
ギターはフロント・ピックアップで試して下さい。
クランチ・サウンド
- インプット:HIGH
- BRIスイッチ:オフ
- VOLUME:3弱
- TREBLE:4
- MIDDLE:5
- BASS:4
- DISTORTION:10
- REVERB:1
- エフェクト:全てオフ
コード・ストロークやアルペジオを弾くのにマッチした、クランチ・トーンのセッティングです。
ピックアップはリア・ハーフを選択し、まずはディストーションを最大にします。そうすると全体の音量が上がるのではボリュームは3弱に下げます。
ギターによっては、BRIスイッチを入れても良いと思います。
ドライブ・サウンド
- インプット:HIGH
- BRIスイッチ:オフ
- VOLUME:4
- TREBLE:1
- MIDDLE:6
- BASS:0.5
- DISTORTION:オフ
- REVERB:1
- エフェクト:すべてオフ
- BOSS OD-3を使用
JC120でドライブ・サウンド作る際に、最も多く使われるセッティングです。
JC120のクリーン・トーン+歪みエフェクターの組み合わせです。サステインの効いた、温かみのある太い音です。ミドルを少し上げて、トレブルとベースを下げることにより、中域を強調するセッティングになっています。
エフェクターはOD-3のように太くいサウンドのオーバードライブがおすすめです。トーンは下げ気味で使用するようにして下さい。
ギターはフロント・ピックアップで使用するのがおすすめです。
JC120を使いこなすコツ
続いては、JC120を上手く使いこなすコツについて解説していきます。
音抜けを良くする
音抜けが悪い場合はトレブルを少し上げると改善する場合が多いです。BRI(ブライト)スイッチを入れて、その代わりにトレブルを3くらい下げてもプレゼンス(超高域)が強調され、抜けを良くすることができます。
ハイが出すぎる
通常はHIGHにつないだほうが高域が強くなります。高域が耳につく場合や、エフェクターを踏んだ時に扱いにくいといった場合は、LOWに繋いで音作りをしてみて下さい。こうすることでバランスが良くなり、音作りがしやすくなります。
太い音を作る
ディストーションのスイッチを入れるだけの状態にして音作りしてみて下さい。こうすると中域が太くなった状態から音作りをスタートすることができます。
歪みで音抜けが悪い
マルチ・エフェクターなを繋いだ時や、歪み系のエフェクターを使用した時に音が抜けてこない場合は、トレブル=0、ミドル=10、ベース=0というセッティングを試してみて下さい。
これはJCのオフィシャル推奨セッティングです。
重圧なサウンドを作る
歪み系のエフェクターを使って重く太い音を作ろうとする場合、各EQを上げてしまうのは逆効果です。
この場合はミドルを極端に下げ、ベースも少し控えめにし、代わりにボリュームを上げてしまうのがポイントです。
まとめ
JC120はコンボ・タイプでクーリン・サウンドやナチュラル・サウンド向けのアンプです。ドライブ・サウンドを鳴らす場合は、ハイゲインなドライブではなくクランチがおすすめです。
ハイゲイン・ドライブを敢えてJC120で鳴らす場合は、アンプをクリーンのセッティングにしてエフェクターで歪みを追加する方法が良いと思います。
この記事を、JC120を使用する際の参考にしてみて下さい。