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ギター

ギターアンプヘッドMarshall JVM410Hの基本の使い方と音作りのコツ


JVM410HはマーシャルのJVMシリーズの最上級モデルです。JCM800、JCM2000 など歴代マーシャルの名機のヘッドアンプを再現したサウンドが、4チャンネル x 3モードで合計12種類も搭載されている豪華な仕様です。

このアンプはクリーンやクランチから、ハイゲインなドライブ・サウンドまでJVMシリーズの中でも最高のクオリティーで実現したモデルです。

実際のサウンドを聴きながら、基本的な使い方や音作りのコツまでを、初心者にも分かり易く解説していきます。

まずは基本仕様から始めます。

JVM410Hの基本仕様

出力 100w
仕様 Master x2, Resonance, Presence, Reverb x4, (Volume, Bass, Middle, Treble, Gain) x4
4チャンネル仕様(Clean, Crunch, OD1, OD2)
真空管:プリ管 ECC83 x 4、パワー管 ECC83 x 1/EL34 x 4
デジタル・リバーブ
エフェクトループ(シリアル/パラレル)
MIDI in/thru
XLRアウトプットによるサイレント・レコーディング
6way・フットスイッチ付属
寸法:750W×310H×215Dmm
重量:22kg

4つのチャンネルそれぞれにボリューム/ゲイン/3バンドEQのツマミを搭載しているので、クリーントーン/クランチ/リード/ソロと楽曲の場面展開毎の使い分けに完全対応しています。

その他、MIDI制御の対応、6wayフットスイッチの対応、ラインアウト出力からサイレントレコーディングが可能になています。

各チャンネルのモデルとなったアンプ

  • Crunch Green Mode:1959プレキシ・サウンド
  • Crunch Orange Mode:2203
  • Crunch Red Mode:JCM800

1959プレキシとJCM800のサウンドが1台で再現できる仕様です。

続いてはJVM410Hのサウンドを聴きながら、その特徴を解説をしていきます。

JVM410Hのサウンド

※動画のサウンドはカメラのマイクを通したものですので、実際になっているサウンドとは多少、異なります。

各モードはグリーンが1959プレキシ、オレンジが2203、レッドがJCM800です。

クリーン(グリーン・モード)

綺麗に整ったデジタルのアンプ・シミュレーターのようなクリーン・サウンドです。ヴィンテージ・マーシャルとは真逆の、ハイファイなサウンドになっています。プレキシのサウンドとは程遠いかなと思います。

クリーン(オレンジ・モード)

グリーン・モードよりマイルドでウォームなサウンドです。ヴィンテージ・マーシャルのサウンドをリアルに再現していると思います。強めにピッキングすると、僅かに歪むクランチになります。3モードの中で最もヴィンテージ風のサウンドが出ます。

クリーン(レッド・モード)

キメの細かいハイファイばクランチ・サウンドです。JCM800というようりJCM900に近いと思います。

クランチ(グリーン・モード)

プレキシを現代風に再現した感じのサウンドです。プレキシを100%再現するのは難しいでしょうから仕方のないことだとは思いますが、デジタルで再現したようなプレキシ・サウンドになっています。

クランチ(オレンジ・モード)

ヴィンテージ・マーシャルをリアルに再現したクランチです。60年~70年代風のクランチ・サウンドを鳴らすことが出来ます。

クランチ(レッド・モード)

マーシャルの王道サウンドだと思います。EQのベースを下げないと無駄な低音が効いてしまうサウンドですので、EQの設定に注意した方が良いと思います。

OD1(グリーン・モード)

芯のあるハイゲインなドライブ・サウンドです。このモードもEQのベースの設定に注意しないと無駄な低音がサウンドを邪魔してしまいます。EQのベースは下げ気味にして下さい。

OD1(オレンジ・モード)

グリーン・モードとあまり変わりのないサウンドです。グリーン・モードより若干、ハイ(高音)が効いている感じがします。こちらもEQのベース設定に注意です。

OD1(レッド・モード)

JCM800というよりはJVM2000に近いサウンドです。やはりゲインを上げるにつれベースがサウンドの邪魔をするので、その辺のセッティングを上手くする必要があります。

OD2(グリーン・モード)

クオリティーの高いハイゲインなドライブ・サウンドです。1959プレキシのサウンドには全く似ていませんが、オールマイティーに使えるドライブ・サウンドです。

OD2(オレンジ・モード)

グリーン・モードと大差ないと思います。サウンドの質が若干、ソリッドになった感じがあります。

OD2(レッド・モード)

現代的なハイゲイン・ドライブ・サウンドです・このモードは不要な低音がかなり出ますので、セッティングには注意してください。

総合レビュー

1959プレキシ、2203、JCM800のサウンドを狙ってはいますが、近いサウンドは出るものの本物には程遠い印象です。また、ゲインの高いモードにいくにつれ、不要な低音が増えていくのでセッティングには注意が必要です。このアンプは、ヴィンテージ・マーシャルをアンプ・シミュレーターで再現したようなサウンドだと思います。

続いては音作りのコツを解説していきます。

音作りのコツ

どのようなサウンドを作りたいかにより、セッティングは変わりますがブースターと併用するのが無難だと思います。

特にドライブ・サウンドは、理想とするサウンドのゲインよりも少し下げ気味のゲインでセッティングし、足りない分をブースターで足していくと良いと思います。

ハイゲインなモダン・サウンドを作る場合も、レッド・モードは使用せず、グリーン・モードかオレンジ・モードで基本的なサウンドを作り、ブースターで不足分の歪みを足していくと上手く作れると思います。

ゲインの高いモードにいくにつれ不要な低音が鳴ってしまうのは、近年のマーシャル・アンプによくあります。EQのベースのセッティングはメモリを5以下で設定しましょう。

この低音の影響で、折角のハリのあるミドル(中音)やハイ(高音)の抜け無くなってしまいます。

またEQのツマミの可変幅も意外と狭いのも近年のマーシャル・アンプの特徴です。その辺のバランスの取り方が難しいと思いますが、各ツマミを下げる方向で使うと、上手くバランスが取れると思います。

  • レッド・モードは敢えて使用せずブースターでゲインを追加
  • セッティングは下げる方向でする
  • 不要な低音のコントロールに注意する

これら3つが音作りのポイントになります。

まとめ

このアンプを使いこなすには実物の1959プレキシ、2203、JCM800を鳴らして、その特徴を掴むことが必要だと思います。

JVM410Hは、これらのアンプを現代風に再現したものであり100%再現したものではないので、モデルとなったアンプを気にせず、このアンプで好みをサウンドを作るようにした方が良いと思います。

100%再現不可能なアンプで再現しようとすると、逆に音作りは失敗します。あくまで「それ風の音がする」と思っておいた方が良いでしょう。

しかし、モデルとなったアンプを完全再現こそ出来ないものの、それらよりもJVM410Hの方が扱い易いです。

この記事を参考にして、JVM410Hの良さを最大限に活かしたサウンドを作ってみて下さい。

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