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ギター

ギターアンプヘッドMARSHALL JVM210Hの基本の使い方と音作りのコツ


JVM210Hは、JVM410Hをシンプルに2チャンネル・バージョンにしたアンプです。EQも含めた完全独立2チャンネル仕様のプリアンプなので、現在のモデルの中では比較的シンプルなスペックです。

JVM210Hは、モード・スイッチを切り替えることで、クリーン/クランチからハイゲインなドライブ・サウンドまで幅広く作れます。そのサウンドは2000年以降の王道マーシャルサウンドです。

今回は、JVM210Hの使い方や音作りのコツを、初心者の方にも分かり易く解説していきます。

まずは、基本仕様から始めます。

JVM210Hの基本仕様

基本仕様

  • ギターアンプヘッド
  • 出力:100W
  • プリ管:ECC83×4
  • パワー管:ECC83×1、EL34×4
  • フットスイッチ付属
  • 寸法、重量:750×310×215mm、22kg

プリ管にECC83、パワー管にEL34を搭載しているのが特徴です。このプリ管とパワー管の組み合わせは、1959年から続く伝統的なマーシャル・サウンドを再現することが可能です。

更に、クリーン/クランチとオーバードライブの2つのチャンネルが搭載されています。それぞれのチャンネルは、ゲインの低い順にグリーン、オレンジ、レッドの3つのモードで構成されています。

各チャンネルに独立してセッティングすることができるデジタル・リバーブを搭載しているのも特徴の1つです。そのリバーブのオン/オフはフロント・パネルの他、付属のフットスイッチでコントロールが可能になっています。

エミュレイテッド・ラインアウトを使ってレコーディングする際に、スタンバイ・スイッチをオフにすると、スピーカー・キャビネットを接続せずにサイレント・レコーディングも可能になっています。

従来のマーシャルと比べるとかなりハイスペックなことが、お分かりになると思います。

続いてはJVM210Hのサウンドに付いて解説していきます。

JVM210Hのサウンド

実際のJVM210Hのサウンドを聴きいてみましょう。※EQはフラットに設定しています。

クリーン

クリーンは2000年以降のハイファイで整った現代風サウンドです。往年のマーシャル・アンプのウォームでマイルドなサウンドではありません。

クランチ

クランチに関してもクリーン同様に、非常に整ったハイファイ・サウンドです。大して気を使わずにピッキングしても綺麗に鳴ってくれるので、初心者にも簡単に弾きこなせるクランチ・サウンドだと思います。音量を上げても歪まないように、上手く作られていると思います。

オーバードライブ

このモードも現代風のサウンドです。ゲイン・アップすればエクストリーム・メタルにも対応可能なサウンドになります。80年代マーシャルを極限まで歪ませたものと公式の解説にはありますが、個人的にはJCM2000以降のハイゲイン・サウンドだと思います。

エフェクト

エフェクトもデジタルならではの、綺麗に整ったサウンドです。これに関しては好みが分かれると思います。空間系はコンパクト・エフェクターでかけた方が、若干の音の劣化が加わるので、そちらをおすすめします。

全体的なサウンド

CC83とEL34搭載していますが、公式の解説にあるような往年のマーシャル・サウンドを鳴らすことは難しいと思います。どちらかと言うと、このアンプは2000年以降のモダン・サウンドです。

続いてはJVM210Hの音作りを解説していきます。

JVM210Hの音作り

クリーンやクランチに関してはモードの切り替えで、そのまま使うのが無難です。微調整をして、コンパクト・エフェクターを繋ぐと逆に音作りが難しくなります。

ここでは最も需要があり、そして難しいドライブ・サウンドを作るコツを紹介したいと思います。

ここではJVM210Hとブースターを使用した、ドライブ・サウンドの作り方やコツを紹介していきます。

音作りのコツと、おすすめブースター5選

EQやゲインの設定は好みによりますが、ミドルを上げ気味で作っていくことをおすすめします。EQのベースは上げ過ぎないように注意して下さい。

そして、コンパクト・エフェクターのオーバードライブをブースターとして使用し、ゲインを上げると良いです。

おすすめブースター

アイバニーズのTS-9は人気のオーバードライブです。

ゲインをゼロ、レベルをフルにするのがブースターとしての使用方法です。

このセッティングでTS-9をかけて、トーンを微調整し、サウンドを作っていきます。

ミドルが持ち上がりサウンドにハリとツヤが出るので、個人的におすすめのブースターです。

続いてはTS-9DXです。

TS-9の後継モデルで3つのゲイン・モードが追加されています。TS-9モードではTS-9のサウンドを出すことも可能です。

その他のモードは、TS-9では得られなかったハイゲインを出すことができますが、個人的にはおすすめしませんし、多くのギタリストにも意外と不評です。

TS-9DXはTS-9と同様にゲインはゼロ、レベルはフル、トーンは好みで調整です。モードはTS-9モードを使用します。

これですとTS-9と同じですが、TS-9DXはTS-9よりも僅かにミドルのピークが上にあります。本当に僅かな差ですが、こちらを好むギタリストも多いです。

こちらはTS-10です。使い方はTS-9と同様です。TS-9シリーズに比べ、よりヴィンテージなサウンドになります。

そして、台湾製のものが使用している内部のパーツの関係で、アンプがスクリームします。もし使用する場合は台湾製をおすすめします。

DOD250はイングヴェイ・マルムスティーンがブースターとして使用していることでも有名です。

レベルはフル、ゲインは好みに合わせて調整しますが、基本的に0~3の間がおすすめです。

こちらのDB-4Rも個人的におすすめのブースターです。

ブースターモードを使用するのも良いですが、アンプのゲインを下げ気味にし、ODB1モードでゲインを追加するのがおすすめの使用方法です。

オールドのマーシャル・アンプをチップクリップさせたサウンドが鳴る、素晴らしいエフェクターです。

音作りの注意点

マーシャル・アンプはボリュームを上げると、自然とベースが効いてきます。そのため、ボリュームを上げ、更にEQでベースも上げてしまうと音が不明瞭になってしまいます。

中にはフルボリュームにして、EQのベースはゼロという使い方をするギタリストもいるくらいですので、ボリュームとEQのベースのバランスに注意して下さい。

まとめ

個人的な意見ですが、JVM210HはJCM800やJCM900といった古き良きマーシャル・サウンドを狙ってはいますが、それらを現代風に再現したものだと思います。

人気のあるヴィンテージ・マーシャルのサウンドを鳴らすのであれば、DSLの方がおすすめです。

JVM210Hは現代風なロックに向いているサウンドですので、その方向で音作りをすると上手く使えます。また、空間系エフェクトは好みもありますが、デジタルなので扱いやすく、レコーディングにも使える便利なサウンドだと思います。

  • VJM210Hは現代風のハイファイ・サウンド
  • 音量を上げてもクリーン・サウンドが割れない
  • クランチ・サウンドが非常に弾き易い
  • ブースターと組み合わせてドライブ・サウンドを作るのがおすすめ
  • 空間系エフェクトはレコーディングにも使える。

JVM210Hには、このような特徴があります。

この記事をJVM210Hを使う際の参考にしてみて下さい。

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