日々、ピアノの練習を頑張っているのに、なかなか上達しなくて悩んでいる初心者の方は、意外に多いと思います。
そして、どんな練習をすれば上達するのかが分からないという方も少なくないと思います。
ピアノに限らず楽器は、ただ曲を演奏するだけでは、なかなか上達しないものです。
上達するためには「テーマを決めて練習」をすることや「何を意識して演奏するか?」を明確にすることが大切です。
今回はピアノ初心者にも分かりやすく、上達するためのアドバイスをしていきたいと思います。
まずは、ピアノ初心者が用意するものから始めます。
ピアノ初心者が用意するべきもの
ここでは初心者が上達するために必要なものを、2つ紹介したいと思います。
本物のピアノ
まず本物のピアノを用意できるかどうかが、上達に大きく影響します。
自宅でシンセや電子ピアノで練習し、レッスンの時のみ本物のピアノを触る方は多いと思います。
しかし、本物のピアノの鍵盤は重いので、軽い鍵盤のシンセや電子ピアノでは弾けていても、本物のピアノではまるで弾けなくなるケースがよくあります。
もし可能であれば、本物のピアノを用意するようにして下さい。
それが難しい場合は、最近は本物のピアノに限りなく近い鍵盤タッチの電子ピアノも発売されていますので、そちらを試してみるのも良いと思います。
好きな曲の楽譜
続いて用意した方が良いものは、好きな曲の楽譜です。
ピアノのレッスンに通われている場合は、大体が指定された課題曲と練習曲が渡されます。
でも、その曲が知らない曲であったり、好みではない曲、弾いていてつまらない曲ということがよくあります。
そうなると練習が楽しくなくなり、上達することができません。
楽器は楽しみながら演奏してこそ、上達しますので、例え難しくても好きな曲の楽譜を用意しましょう。
難しくても好きな曲であれば、練習が楽しくなり上達することができます。
ピアノ初心者が上達のためにやること
上達のために必要なことは「考えて弾く。音をよく聴く。プロの演奏を勉強する。」ことが大切です。
考えて弾く
ピアノやバイオリンなど、クラシック音楽を演奏する楽器は、指定された正しいフォームで弾くことが基本です。
しかし、基本通りではどうしても弾きにくいことがよくあります。
グレード試験などでは別ですが楽器は音がしっかり鳴って、弾けていれば問題はありませんので、弾きやすいフォームを考えるようにして下さい。
また手の大きさなどにも個人差があり、手の小さい方は、基本のフォームで演奏不可能な曲も存在します。
この場合も楽にフレーズが弾ける指使いを考えながら、練習するようにしてみて下さい。
それからピアノは、演奏する曲のメロディーの強弱やテンポを考えながら弾くことも大切です。
演奏中に、それらのことを考える余裕を持てるように練習を積み重ねるようにしてみて下さい。
音をよく聴く
これは初心者に限らず上級者でも、意外とできていない人が多いです。
両手のタイミングが合っているかや、ミストーンが無いかをしっかり聴き分けることです。
特にミストーンのチェックは大切です。それは楽譜自体(特に歌謡曲など)が間違って書かれていることも、よくあるからです。
音を注意して聴くようにしないと、楽譜のミスに気付かないまま演奏をしてしまうことも、よくあります。
そして連弾の時に、自分1人だけズレてしまう原因にもなりますので、常に音をよく聴くように意識して下さい。
プロの演奏を勉強する
演奏を勉強すると言っても、何を勉強したら良いのかわからない方も多いと思います。
初心者の方は「強弱」と「テンポの取り方」(速くなる所と、遅くなる所)を、よく聴いて真似してみると良いです。
これをすると、簡単な曲を弾いても、とても上手く聴かせることができます。
- 考えて弾く。
- 音をよく聴く。
- プロの演奏を勉強する。
この3つを、上達のために意識して練習をするようにして下さい。
続いては、効果的な練習方法について解説していきます。
効果的な練習方法
練習をする時は、練習のテーマを決めて練習することが大切です。
練習のテーマを決めずに、曲を弾くだけの練習は、あまり上達しませんし、これは練習というよりも演奏を楽しむことです。
好きな曲を弾いて演奏を楽しむことは大切ですが、それとは別に「指の動きや苦手なフレーズの練習」や「強弱やリズムの練習」などテーマを決めて、上達のための練習をするようにしましょう。
ウォーミングアップや指使いの練習にはバッハの「インベンションとシンフォニア」がおすすめです。
この作品集は教育目的で作られたものなので、運指練習には最適です。
おすすめの弾き方
ピアノの練習で右手と左手を別々に練習し、覚えたら両手を合わせるという練習方法があります。
実はこの練習方法は、物凄く弾きにくくなるので、おすすめしません。
ピアノは「右手と左手のメロディーを、1つに合わせたメロディーとして捉える」と、簡単に弾くことができる場合が多いです。
そのようにメロディーを捉えることで、左右の手のバランスが取りやすくなります。
「左右の手で違うメロディーを弾く」という感覚ではなく「左右の手で1つのメロディーを弾く」という感覚で演奏してみて下さい。
こうすると本当に不思議ですが、物凄く弾きやすくなります。
好きな曲を練習する
課題曲や練習曲が好きになれないと、ピアノの演奏自体が楽しくなくなってしまいます。
クラシック以外の曲でも構いませんので、好きな曲の楽譜を用意し、その曲の練習をすると良いと思います。
練習時間の2割が課題曲や練習曲、残りの8割が好きな曲の練習のほうが上達も早くなります。
まとめ
ピアノに限らず、楽器の練習は簡単な曲から始めて、徐々に難易度を上げていくという練習方法が定番です。
しかし、この練習方法のデメリットは、練習内容がつまらなかったり、好きな曲を弾けるまでに時間がかかるところです。
この練習方法がつまらないという理由でピアノをやめてしまう人も少なくありません。
個人的にピアノは「ドレミファソラシド」を弾くための基本的な指使いさえ覚えたら、あとは好きな曲を自由に演奏するのが、1番上達すると思っています。
例え初心者でも、リストの「パガニーニ練習曲」が弾きたければ、難易度に関係無くチャレンジしてみると良いです。
リストの「パガニーニ練習曲」は上級者でも弾くことが難しい曲なので、初心者の方は1小節すら弾けないと思います。
しかし、1拍ずつでも構いませんので「弾くためにはどうすれば良いか?」を考えながら練習するようにしてみてください。
たった1拍でも「どうすれば弾けるか?」を考えながら練習することで、無意識のうちに沢山の演奏技術が身に付いていたりもします。
またピアノを演奏することだけが練習ではありません。
本当に上手いプロの演奏を聴くことも大切な練習です。
自分とのプロの演奏の違いを注意深く聴いてみると沢山の発見があると思いますので、気に入った弾き方を真似するようにしてみて下さい。
そして楽器の演奏で1番大切なことは楽しみながら演奏することです。
好きな曲を楽しみながら演奏することが、何よりも大切で上達しますので、楽しみながら演奏するようにして下さい。
- テーマを決めて練習する。
- 好きな曲を練習する。
- 楽しみながら演奏する。
この3つのポイントを意識しながらピアノの練習をするようにしてみて下さいね。