ギターのスケール(音階)というと「難しそう。」とか「どうやって覚えたら良いか分からない。」と言う方が沢山います。
しかし、スケールは決して難しいものではありません。
ピアノの白鍵盤のみで「ドレミファソラシド」を弾いた経験がある方は沢山いると思います。
この「ドレミファソラシド」も、実は「Cメジャースケール」というスケールです。
スケールは楽器を演奏する方なら誰もが、知らないうちに弾いているものです。
今回はスケールの基礎知識から簡単な覚え方までを、初心者にも分かりやすく解説していきます。
まずはメジャースケールとマイナースケールの違いから始めたいと思います。
ギターのメジャースケールとマイナースケールの違い
この違いを解説する時に、よくあるのが「ルートが◯の音で全音が続き、◯度上の音が半音で…。」というものです。
このような説明は、説明する側は楽ですが聞く側の方々、特に初心者の方には非常に分かりにくいと思います。
この記事では専門的なことを極力避けて、誰にでも分かりやすく解説していきます。
メジャースケールとマイナースケールの違いは「明るい音階がメジャー」で「暗い音階がマイナー」です。
そして、沢山の種類の「明るい音階」と「暗い音階」があるということだけを覚えれば十分です。
CメジャースケールとCマイナースケールの違い
先程も「ドレミファソラシド」は「Cメジャースケール」であることを解説しました。
※厳密には「最後のドの音」は「最初のドの音」と重複するのでカットし「ドレミファソラシ」の7音です。
この「Cメジャースケール」を使った名曲に「ドレミの歌」があります。
「ドレミの歌」は誰が聴いても明るい曲だと思います。
それからクラシックの名曲に、ベートーヴェンの「運命」があります。
「運命」は「Cマイナースケール」を使って作曲されている暗い雰囲気の曲です。
「Cメジャースケール」と「Cマイナースケール」の違いは「ドレミの歌」と「運命」を聴き比べると分かりやすいと思います。
この明るさと暗さの違いさえ分かれば、メジャースケールとマイナースケールの基礎は身に付いたも同然です。
- メジャースケールは明るい音階
- マイナースケールは暗い音階
ギタースケールの覚え方
スケールを覚える時に、メジャースケールとマイナースケールの両方を覚える必要はありません。
メジャースケールとマイナースケールには、ある共通点があります。(後程、解説します)
そのためマイナースケールを覚えれば、メジャースケールを弾くことが可能です。
スケールとは
「スケール」とは「音階」のことで、大きく分けて2つのスケールがあります。
1つはメジャースケールやマイナースケールのような7音構成のもの。
もう1つはペンタトニックスケールや日本音階のように5音構成のものです。
今回のテーマはメジャースケールとマイナースケールなので、分かりやすい「Amスケール」を使い覚え方を解説していきます。
Amスケールの覚え方
ギターでAmスケールを弾く時の、定番の運指表を4つ用意しましたが、まずはAmスケールの構成音から始めます。
Amスケールの構成音
Amスケールの構成音は表の通りです。
AmスケールはA(ラ)の音から出発する、マイナースケール(暗い音階)です。
表のように「ラシドレミファソ」という音階になっています。
Amスケール:1
こちらはギターで出せる、1番低い音域の運指表です。
※TAB譜は音符に直すと「ラシドレミファソラ」になります。
「6弦5F」から出発し、「4弦7F」まで上昇します。
Amスケール:1-2
上昇だけではなく、こちらのTAB譜のように「4弦7F」から下降する運指も覚えると良いです。
まずは、この音域の運指を覚えて下さい。
この運指さえ覚えてしまえば、6弦からスタートするマイナースケールは全て覚えたも同然です。
Bmスケール
「Amスケール:1」は「6弦5F」からスタートしましたが、その運指をキープしたままスタートする音を「6弦7F」に変えれば「Bmスケール」になります。
Gmスケール
こちらは「6弦3F」からスタートしたものですが、こうすると「Gmスケール」になります。
このようにポジションを上下にズラすだけで、他のキーのマイナースケールを弾くことが可能です。
Amスケールのバリエーション
続いてAmスケールの定番の運指表を、ご紹介します。
Amスケール:2
こちらのTAB譜は「Amスケール:1」の1オクターブ上の運指表になります。
Amスケール:3
ギターは同じ音でも、様々なポジションで弾くことができる楽器です。
こちらは「Amスケール:2」と同じ音ですが、別ポジションの楽譜です。
ポジションは違いますが、鳴る音は「Amスケール:2」と同じになります。
Amスケール:4
こちらは「Amスケール:3」の更に1オクターブ上、ギターで出る最も高いAmスケールの運指表です。
これらの各音域のポジションを覚えましたら、運指はそのままでスタートする音をズラして、他のマイナースケールを覚えるようにして下さい。
メジャースケールの簡単な覚え方
これまでマイナースケールについて解説してきましたが、マイナースケールのスタートする音をズラすだけで、メジャースケールを弾くことができます。
こちらはAmスケールの表ですが、ルートの「ラ」の音から数えて3番目(正式名称は3度)の音である「ド」の音からスタートし、表にある音を7つ弾いていきます。
そうすると「ドレミファソラシ」となります。
これは冒頭でも解説した「Cメジャースケール」であることが、お分かりになると思います。
マイナースケールの、ルートから数えて3度(3番目)の音からスタートする7音階が「メジャースケール」です。
つまり「マイナースケールの中にはメジャースケールが存在」します。
スケールは、このように考えると簡単に覚えることができます。
練習方法
スケールを覚える時に、音階の上昇と下降を繰り返すだけでは、すぐに飽きてしまいます。
そこでAmスケールを使い、いくつか短い練習フレーズを作ってみました。
Ex:1
ローポジションでの練習フレーズになります。拍の頭にアクセントを付けると弾きやすくなります。
Ex:2
こちらも拍の頭にアクセントを付け、1小節目のラストから2小節目の頭の移動を、素早くすることがポイントです。
Ex:3
拍の頭のアクセントを忘れずに、スムーズな弦移動がポイントになります。
このような練習をする時には、リズム感を鍛えるために是非、クリックを使用してみてください。
自分なりのフレーズを作る
スケールは短いフレーズを作りながら練習すると、楽しみながら覚えることができます。
メジャースケールでもマイナースケールでも良いので、短いフレーズを作曲しながら覚えるのもおすすめです。
そうすることで、スケールを覚えるだけではなく、運指やピッキングの練習にもなりますし、オリジナルのメロディーが思い付くこともあります。
スケールは楽しみながら覚えるのがコツです。
まとめ
ギターは奏法の練習も大切ですが、スケール練習も非常に大切です。
スケールを知っていると作曲もできますし、耳コピをする時にも役立ちますので是非、覚えるようにして下さい。
- スケールはAmから覚える。
- スタートする音を変えるだけで他のキーのスケールになる。
- マナースケールの中にはメジャースケールが存在している。
- ただ音階を弾くのではなくメロディーを弾きながら覚える。
これらのことを意識して、スケール練習をするようにしてみて下さい。