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篠笛

篠笛の簡単な作り方!必要な材料と代用できるものもまとめたよ


篠笛は昔から郷土芸能や長唄、歌舞伎などの演奏に使われてきました。

篠笛は1本、1本が手作りですが、専門のクラフトマンによって作られたのではなく、農閑期の楽しみとして農民が作っていました。

篠笛の構造はとてもシンプルなので、材料と工具があれば自作することができます。

そして篠竹以外の材料を代用し、篠笛を自作することも可能です。

今回は篠笛を簡単な作り方を、詳しく解説していきたいと思います。

まずは篠笛を作るための材料についての解説から始めます。

篠笛を作る材料

篠笛を自作するために必要な材料や工具を、ご紹介します。

篠笛

篠笛本体に使用するための、節間が45cm〜50cm程の篠竹を用意します。

竹は青竹ではなく、立ち枯れしたもので、更にできるだけ曲がりの少ないものを選んで下さい。

制作に必要な工具

  •  のこぎり
  •  切り出しナイフ
  •  きり(ドリル)
  •  紙ヤスリ
  •  接着剤
  •  細長い棒(細長い篠竹)
  •  ものさし
  •  コルク栓
  •  和紙
  •  漆(カシュー漆)
  •  筆
  •  円形の棒ヤスリ

篠竹の入手方法

篠笛を自作するための材料や工具を、ご紹介しましたが、この中で特に入手が難しいのは篠竹です。

篠笛を作るのに適した、節と節の長さが40cm以上ある篠竹はそう多くはありません。

沢山の篠竹が自生していても、大抵は節間が短く条件に合う篠竹は少ないものです。

また節間の長さが長いものでも、今年に生えたばかり新しい竹の場合は、篠笛の制作には向いていません。

笛作りに適した篠竹は、あるところにはまとまって生えていますので、根気良く探すことが必要です。

それから篠竹林は私有地の場合がありますので、篠竹を探す時には無断で篠竹林に入らないように注意が必要です。

続いては篠笛の簡単な作り方について解説していきます。

篠笛の簡単な作り方

篠笛を自作する場合には、立ち枯れした状態のものと青竹の状態のものでは、制作の工程が変わります。

青竹を使う場合は2~3年程、乾燥させるなどの下準備をしなければいけません。

青竹の下準備の仕方

  1.  青竹を風通しの良い所で数日間、乾燥させる。
  2.  節と節の間をノコギリで切り、更に数ヶ月、自然乾燥させる。
  3.  水分が抜け青みが薄くなってきたら、油抜きをする。この時に曲がっている部分も真っ直ぐになるように直す。
  4.  更に数年間、自然乾燥させる。

青竹を使って篠笛を自作する場合は、このような下準備が必要になります。

油抜きは竹が火で焦げないように加熱し、竹に含まれている油分を切り口から出すのがコツです。

また直射日光を当てると、竹の色を早く抜くことができます。

篠笛の制作手順

指穴を開ける準備

まずは篠竹に定規で直線を引き、穴を開ける位置を注意深くサインペンで印をつけます。

この時に所定の長さ(5本調子なら5本調子の長さ、4本調子なら4本調子の長さ)に切ったマスキングテープに、指穴の位置をサインペンで記入したものを篠竹に貼ります。

※この作業で篠笛の音色が決まりますので、慎重に行って下さい。

指穴を開ける

指穴はドリルを使って開けます。

ドリルの径が大きすぎると指穴の位置がずれてしまった場合に、修正ができなくなってしまうので小さめの穴を開けます。

ドリルで開けた指穴を、ナイフで穴を大きくしていきます。

指穴の位置が図面とずれてしまった場合は、指穴の位置の調整を行いながら規定の大きさまで穴を大きくして下さい。

指穴をヤスリで整える

ドリルとナイフを使って開けた指穴を、円形の棒ヤスリで形を整えます。

それから篠竹の内側を、紙ヤスリを巻いた長い棒で掃除し、更に外側も紙ヤスリで磨き綺麗に整えます。

仕上げ

管頭(歌口側の端)をコルクまたは木の栓で閉じます。

通常の音と倍音が、一番よく出る位置まで試し吹きをしながら、湿らした和紙を棒でつき固め、その位置を割り出していきます。

※歌口の端から栓までの長さは短くて2mm長くて6mm位です。

音が最もよく出る位置を確かめたら、紙と木の栓を取り外し、今度は接着剤をつけて再び栓をします。

そして、先ほど確かめた位置まで少し湿らした紙をつき固め、最後に接着剤を歌口から流し込み、管頭側(歌口側)を下にして数日間、乾燥さて下さい。

続いて内側に朱色のカシュー漆を塗り、日陰で乾燥させて完成です。

※漆を塗ることでカビの発生を抑えることができます。

綺麗に仕上げたい場合は、管頭側を木工パテで整形し、笛の表面も好きな色のカシュー漆で塗装してみて下さい。

また割れ防止に、糸や籐を巻くのも良いと思います。

  •  指穴の位置に注意する。
  •  指穴は最初から大きく開けない。
  •  篠竹は必ず時間をかけて乾燥させる。
  •  カシュー漆を塗ってカビの発生を防止する。

代用できるもの

篠笛の自作で最も困難なことは、既に解説しました通り、篠竹を入手することです。

篠竹が入手できない場合に、水道管(塩化ビニール製水道管)を使用して篠笛を自作することが可能です。

もちろん篠竹を使用したものと音色は異なりますが、実際に水道管(塩化ビニール製水道管)で制作された篠笛も販売されています。

個人的には水道管で制作された篠笛の音色も、篠竹製には出すことができない個性があり悪くはないと思います。

用意する物

  • 水道管(塩化ビニール製内径13mm)
  • コルク(管の内径より2~3mm大きいもの)
  • ノコギリ(プラスチックが切れるもの)
  • 金ヤスリ
  • 紙やすり
  • 彫刻刀
  • キリ
  • 万力
  • 防塵眼鏡
  • ノギス
  • ボール盤
  •  漆(カシュー漆)

制作手順

サイズを測り切断する

内径13mmの水道管を端から380mmの所に印を付け切断します。

バリ取り

切り口のバリ(ギザギザした部分)をヤスリで整えます。最初に金ヤスリをかけ,次に紙ヤスリをかけて下さい。

紙ヤスリは最初100~150番の目の粗いもの、次に240~360番の中くらいのもの、最後に600番の細かいものを使い分けると綺麗に仕上がります。

内側に出たバリは彫刻刀で取って下さい。

指穴を空ける

指穴の位置をマークし、万力で固定して、キリで軽く印を付けます。

ボール盤を使って、指穴のマークに穴を開けます。目を保護するために防塵マスクを着用することをおすすめします。

指穴は最初から大きく開けたりはせず、小さめに穴を開け、少しずつ目的の大きさまで広げていくようにすると、失敗は少なくなります。

ノギスで測りながら指穴を彫刻刀と紙ヤスリで整えます。

内側のバリ取り

棒に紙ヤスリを巻きつけ内側のバリを取り、歌口側にコルクを詰めて完成です。

漆塗り

篠竹と違い水道管はカビの発生に心配が殆どありませんので、漆を塗らなくても良いですが、好みのデザインに仕上げてみるのも良いと思います。

まとめ

篠笛作りについて解説してきましたが、篠笛は意外と簡単に自作が可能であることが、お分かりいただけたかと思います。

確かに条件に合った篠竹を手に入れることは非常に難しいですが、篠竹探しを含め気長に楽しみながら自作してみるのも良いのではないでしょうか?

完成までに数年かかってしまいますが、青竹の状態から自作するのも楽しいと思います。

そして繰り返しになりますが、篠竹林は私有地の場合がありますので、くれぐれも無断で入らないよう気を付けて下さい。

また篠竹が中々、手に入らない場合には水道管(塩化ビニール製水道管)で代用してみて下さい。

この水道管を使い、篠笛作りの練習をしてみるのも良いかと思います。

それから自作する際には、手袋や防塵マスクなどを着用し怪我のないように作業を行って下さい。

この記事を篠笛を自作する際の参考にしてみて下さい。