アプリ等で音楽を作れる時代になり「自分もDTMで曲を作ってネットなどに発信したい!」と意気込んだものの、難しい上に出来ることが多すぎて初めにやるべきことが分からない…とお悩みのDTM初心者の方はたくさんいらっしゃると思います。
そこで、DTM初心者がよりプロっぽく曲を作るためにやるべき事・練習方法・ツール(DAWソフトウェア・録音機材・プラグイン)のおすすめや使い方など、大まかではございますが紹介・解説していきたいと思います。
DTM初心者がやるべきこと
まずは、DAWの基本的な使い方を覚えましょう。
DAWの基本的な使い方を覚える
本格的にDTMをやってみたい初心者の方は、初めに無料またはバンドル版のDAWソフトウェアを導入することをおすすめいたします。
スマホ・タブレット等で音楽製作する方法(ループ素材を並べていく)も、簡単に曲ができますが、その曲をプロっぽい楽曲に加工していくには限界があります。
DAWソフトウェアは…
- MIDIデータ打ち込み(MIDIレコーディング)→
- 歌やギターなど生演奏を録音(オーディオレコーディング)→
- エフェクトを掛けて各トラックを加工→
- 全トラックのバランスを整える(ミックス)→
- 曲の最終調整をする(マスタリング)→完成
というレベルまで、一台のパソコン上で出来ます。
まずDTM初心者の方がやるべき事は、①に慣れる事です。
打ち込み第一歩として、ピアノロール上でマウスをクリックし音程を一つずつ入力してみましょう。
ピアノなどを弾いた経験のある方は、MIDIキーボードを使用しDAWのメトロノームに合わせて演奏・記録することもできます。
この方法を使えば作業効率が一気に上がります。
次は、音楽の幅を広げるために必要な『知識・セオリー』です!
音楽の基本を勉強する(メロディ・コード・アレンジ等)
特にシンプルな曲、適当に作ってるんじゃないの…と思われがちですが、アーティストがリリースしている曲は全て「音楽理論」に基づいて作られています。
まず美しい曲(響き)とはどのようなものか?を知ることが大切です。
音の定義・楽譜の読み方・コード…これは音楽を作る人にとって必要不可欠な知識です。
クラッシックの『楽典・和声』、ジャズの『スケール・コード理論』など是非勉強してみてください。
次に、DTM初心者が陥ってしまう事例…それは想いが強くて「音が多すぎる」というものです。
自分のためだけならばそれもありですが、多くの人に曲を理解してもらうためには適切な『間』を持たせなければなりません。
サビを盛り上げるためにAメロはゆったり、Bメロは少しずつテンションを上げていく等、あえてやりたいことを出し切らず小出しにしていきましょう。
『メリハリ』こそがメロディ・アレンジに共通の鉄則です。
次に「プロっぽく曲を作るポイント」を見ていきましょう!
プロっぽく曲を作るポイント
プロっぽく曲を作るポイントです。
有料ソフトウェア音源を購入する
DAWにはいくつかのソフトウェア音源が付属していて、その付属音源だけでもプロの手にかかれば販売レベルの楽曲を仕上げる事ができます。
しかしDTM初心者では、エフェクトなどの処理が簡単に出来ないと思います。そこで、
有料ソフトウェア音源をおすすめいたします。
高品質のエフェクトを施したプリセット音源が入っておりますので、本格的なサウンドを誰もが使用することができます。またインスピレーションも湧くでしょう。
おすすめは、マルチ音源の『Steinberg HALion Sonic』です。アコースティック楽器からシンセサイザーまで高品質な音色が大量に入っています。
プリセット音色を聴いて、気に入ったものをメモしておきましょう。
次は、人にしかできないことを録音してプロっぽい音楽に近付いてみましょう!
歌や生演奏を入れる
打ち込みだけのサウンド、特にジャストの音符タイミングで音量の強弱がない場合とても機械的な曲調になってしまいます。
そこに歌・ギター・管楽器など、DTMでは再現が難しい生演奏等を入れることによってプロっぽい雰囲気になります。
これには条件付きで…
正しい音程、正確なリズム感、適切な音量・音質の調整が出来ること
が必要です。素材と録音の良さで、楽曲の品質が決まります。
高品質な録音のためには『オーディオインタフェース』が必要です。
ギターなどはシールドで直接入力できます。歌の録音はマイクスタンドにコンデンサーマイクを付けてマイクの前にポップガードを少し離して装着する事をおすすめいたします。
録音レベルは、最大で-12dBくらい振れるぐらいが適切でしょう。大きすぎると音割れし、小さすぎるとミックスで音量を上げた時ノイズが目立ってきます。
打ち込み・録音ができたら次はミックスです!
ミックス~完成まで
出来上がった全トラックをWAV・MP3などのファイルに書き込むため、ステレオ1本にまとめる作業をミックスと言います。
ドラム以外のソフトウェア音源にはあまり必要ありませんが、録音した音はそのままだと生々しいのでエフェクトを掛けていきます。
まずは、録音したトラックを単体で聴いて耳障りな周波数を「パラメトリックイコライザー」で探ってカットします。
歌・ソロ楽器等には「コンプレッサー/リミッター」を掛けて音量を平均化し、「リバーブ」をやや多めに掛け、さらに「ディレイ」も付加していくとプロっぽく聴こえるようになります。
ドラムにも軽くリバーブを掛けるとライブ感が出ます。
リバーブは曲調や意図によって掛ける量の調整が必要です。
特にDTM初心者の方はリズム系(ドラム・ベース)が小さくなりがちです。
リズム系をトータルのレベルメーターで-9dBくらいに調整し、次に歌などメインを程よく目立たせ、その他バッキングを徐々に重ね、全て鳴っている状態で-3dBくらいになるように調整しましょう。
ミックスのバランス感覚は、アーティストの曲を手本にたくさん真似をする事で身に付きます。
そしてミックスの際、ヘッドホンだけではなくモニタースピーカーからも音を出してバランスを取る事をおすすめいたします。
テレビ・店舗のBGMなど、人が音楽を聴くシチュエーションは様々です。
ミックスができた時点でほぼ完成ですが、プロっぽく仕上げるためにもう一つ…
『マスタリング』です。
音圧を上げる・綺麗な音にする・音の広がりを増すなどの効果があります。
おすすめは『iZotope Ozone』。DTM初心者でもプリセットからイメージに合うものを選ぶだけで、品質が一気に上がる事を体感できると思います。
次は、DTM初心者がやるべき練習を見ていきましょう!
練習方法
五感を磨く練習方法で上達を目指しましょう!
好きな曲の楽譜を見て打ち込み、さらに耳コピも
DTMに慣れるには、好きな曲のMIDI打ち込みにたくさんトライして下さい。
まずは、フルスコアを入手して全パートを打ち込みしてみましょう。
数をこなすほどDAWの操作に慣れて、さらに新しい技を覚えたくなります。
そして作業の流れを理解し、アレンジのセオリーも覚えて曲作りを習得していく事ができます。
自分の曲に応用できるようになれば、一つの大きな壁をクリアしています。
DTM初心者が最もやるべき事…それは既成曲のモノマネです!
そして慣れてきたら、各パートをじっくり聴いて音採りする『耳コピ』に挑戦してみましょう。初めは難しいと思いますが、メロディ・ドラムなどシンプルなパートから始めてみてください。
原曲を流しつつ、(難しいところはDAWのタイムストレッチ機能でテンポを落とし)音程を探し当ててみてください。
『耳コピ』できるようになると、音感が身に付くだけでなく作曲能力も向上します。
次は楽しみながらできる練習方法です!
アーティストのライブを観る
ネットやメディアから音楽を聴くことももちろん勉強になりますが、ライブなどの生演奏を聴くこと…これが五感をフル活用する練習になります。アーティストを間近で観れるライブハウスがおすすめです。
メインの歌などに意識が集中してしまいますが、あえてバックの演奏に注目してみましょう。
メインを際立たせるためにどのような演奏をしているか等を、観て聴くことにより
楽器・その演奏法・バランス感覚・アレンジを学ぶことができます。
そして本物を体験することにより、クリエイターにとって最も重要な
『感性』が磨かれます。
まとめ
今回は、DTM初心者がやるべき事・プロっぽく曲を作るポイント・練習方法を解説してきました。
思った通りに曲を作るためには、たくさんの知識と経験が必要だということがお分かりになったと思います。DTM初心者にとっては、苦労の日々かも知れません。
しかし、少しづつでも触れ続けることによって必ずテクニックが上達します。
そして世の中には、素晴らしいお手本(アーティストの曲・動画・ライブ等)が無数に存在しております。
音楽を楽しんで真似をしていくことで、きっと表現のための引き出しが詰まってくるでしょう。
MIDIキーボードから簡単に打ち込みができるように、鍵盤楽器の練習もおすすめいたします。
苦労して曲が出来上がった時は、なんとも言えない充実感を得ることができます。
自信作ができたら友達に聴いてもらったりネットに公開して評価をもらうと、その時点での自分のレベルとやるべき事が解ってくると思います。
できることから地道に…そして楽しみながら毎日DAWに触れるつもりで頑張ってみて下さい!