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大正琴

大正琴の楽譜の読み方!左手の使い方もわかりやすく


大正琴の楽譜は通常の音符が記載されたものではなく、数字と記号を用いた独特のものになっています。

この数字譜と同じ記号の音階ボタンを押さえると、正しい音が出せるようになっています。

慣れないうちは音階ボタンを目で探してしまいますが、練習を積み重ねることにより左手がボタンの位置を覚えてきて、初見でも譜面に対して素早く反応できるようになります。

今回は大正琴の数字譜の読み方や左手の使い方について、分かりやすく解説していきます。

まずは大正琴の楽譜とピアノの楽譜の違いから解説していきたいと思います。

大正琴の楽譜とピアノの楽譜の違い

大正琴の楽譜は0から7までの数字と「#」や「♭」、「・」や「ー」など様々な記号を用いた数字譜になっています。

それに対しピアノ譜は五線譜に音符を記したものになります。

以下の写真を見比べてみると分かりやすいと思います。

引用元:琴伝流

上段の五線譜がピアノ譜、下段のものが大正琴の数字譜になります。

続いては大正琴の楽譜の読み方を解説していきます。

大正琴の楽譜の読み方

既に解説しました通り大正琴の楽譜は「数字譜」と言い「ドレミファソラシド」は全て数字で表記します。

この数字は大正琴の音階ボタン(鍵盤)に記してある数字と同じ音を表しています。

数字譜の読み方

楽譜に記載されている数字をドレミに直すと以下の写真のようになります。

引用元:鈴木楽器製作所

写真にもある通り1オクターブ上の「ド」は数字の上に「・」が付きます。

大正琴の楽譜には数字の他にも「・」や「ー」のような様々な記号が使われています。

その記号を含めた音符の読み方は以下の写真を参照して下さい。

引用元:琴伝流

こちらの表を説明しますと「5」は音程で「ー」は音符の長さ「・」は付点になります。

この他に数字の「0」がありますが、これは休符になります。

「・」が数字の上に付く場合はオクターブで、数字の横に付く場合は付点になります。

返し弾き

大正琴は基本的に6番線または5番線側から1番線側に向けてピッキングします。

しかし曲によっては1番線側から6番線側または5番線側へ、逆向きにピッキングする「返し弾き」という弾き方があります。

引用元:鈴木楽器製作所

2小節目0の下に記されている「W」と「V」が返し弾きの記号になります。

「W」は2回連続して返し弾きをし、「V」は1回だけ返し弾きということになります。

返し弾きは通常のピッキングとの強弱が均等になるように注意して下さい。

返し弾きも左手の運指と同様に、手首の動かし方が大切です。

ピッキングは手首を振るのではなく、手首を回転させるのがコツです。

この回転はドアノブを回したり、バイクのアクセルを回すイメージをすると良いです。

回転を使うことにより力を入れずに確実に弦を鳴らすことができますし、音を均等にすることができます。更に強弱をつけるのも非常に楽になります。

弦は手首の回転で弾き、強弱はピックの当たる面積で調整するようにして下さい。

その他の奏法記号

引用元:鈴木楽器製作所

こちらは、その他の奏法記号になります。1つずつ番号順に解説したいと思います。

  1.  反復記号
  2.  クレッシェンド(だんだん強く)
  3.  タイ(同じ音を繋いで伸ばす)
  4.  トレモロ奏法
  5.  反復記号(①まで戻り繰り返して弾く)
  6.  5番線を弾く
  7.  デクレッシェンド(だんだん弱く)

数字譜の覚え方のコツ

数字譜には沢山の記号があり最初のうちは覚えるのが大変だと思います。

1つずつ「1」は「ド」で「2」は「レ」といった覚え方をすると、楽しむことができず飽きてしまいます。

数字譜の覚え方のコツは弾きたい曲を演奏しながら覚えていくことです。

こうすることで楽しみながら数字や記号を身に付けることができますし、楽器は楽しみながら覚えることが上達へと繋がります。

左手の使い方

大正琴を弾く時の左手の指使いは、基本的には5本の指を全部を使って鍵盤ボタンを押さえる弾き方です。

しかし小指は他の指に比べると若干、指の動きも固くなりがちです。

小指にあまり力が入らない場合などは、小指を薬指に替えて弾く方法もあります。

大正琴の指使いは鍵盤ボタンからなるべく指を離さず、横にスライドするように弾くと音切れ防止にもなり、スムーズに流れるような演奏ができます。

また鍵盤ボタンはしっかりと左指で押さえ込んでからピックで弦を弾くと、音の響きも伸び良くなります。

この時に押さえ込んでからピックで弾くまでに間があり過ぎると、リズムがずれてしまいますので注意して下さい。

指番号について

引用元:ナルダン楽器

詳しい指番号は写真の通りです。大正琴を始めたばかりのうちは、薬指と小指がスムーズに動かないと思います。特に小指を動かした時に薬指がつられて動いてしまうことが、よくあるはずです。

これは薬指と小指の神経が繋がっていることが原因でもあります。しかし、これは練習次第で独立して動くようになります。

先程も解説したように小指で弾きにくい場合は薬指に替えて弾いても構いませんが、5本指全てが動かせたほうが良いので練習を積み重ねてみて下さい。

スムーズな運指をするコツ

大正琴に限らず鍵盤楽器は、常に音階ボタンや鍵盤と掌を水平にして弾くように意識することがスムーズな運指に繋がります。

例えばドレミファソラシドを弾く場合、掌を下へ向けたまま音階ボタンと水平にし、指が横に移動する時には手首の関節を横に振るように動かします。

この時に手首の力を抜くのがコツです。

手首に力が入っているとスムーズに動かすことができなくなります。

手首を回転させて(捻って)掌を音階ボタンから離してしまうと、スムーズな運指ができなくなります。

また極力、弾かない音階ボタンの上に指を添えておくことも大切です。

音階ボタンから指を離してしまうと、いざ押さえる時に指と音階ボタンに距離がありリズムのずれが生じてしまいます。

引用元:ナルダン楽器

こちらの譜面を作って解説してみます。

出だしの指番号のドレミファは薬指→中指→人差し指→親指の順に弾きます。

続くソは再び薬指で押さえますが、ここがポイントです。

ソを押さえる時に音階ボタンに対して掌を水平にしたまま、手首を右横に振るように動かして薬指で押さえます。

今度は1オクターブ上のドからドシラソファと下降するパターンでは、ドシラソは親指→人差し指→中指→薬指と押さえます。

次のファは再び親指で押さえますが、この時に手首を左横に振るように動かし、人差し指、中指、薬指の下を親指がすり抜けるように移動します。

この音階ボタンに対し掌を水平にし、手首を左右に振るようなフォーム(這うイメージ)が滑らかでスムーズな演奏に繋がりますので、マスターするようにしてみて下さい。

まとめ

数字譜と左手の運指について解説してきましたが、数字譜の読譜も左手の運指も、日々の練習の積み重ねで誰にでも身に付けることができます。

数字譜にある奏法記号の基本を身に付けたら、今度は自分なりに返し弾きやクレッシェンドやデクレッシェンドを考えて演奏することも試してみて下さい。

楽曲を自分なりの解釈で演奏することは、音楽や楽器の面白さの一つです。

運指やピッキングの手首の動きは、最初のうちは違和感を感じると思います。

これは肩、腕、手首の力を抜くように意識するとコツが掴めるはずです。

体に無駄な力が入っていないかを、常に意識しながら練習することをおすすめします。

この記事を大正琴の演奏の参考にしてみていただけたらと思います。