シンセサイザーにはサウンドに関する多彩な機能の他に、様々なコントローラーが搭載されており、それを使用したシンセサイザー特有の奏法も存在します。
これからシンセサイザーを始める方や、バンドでシンセサイザーをプレイする初心者の方は、この機能の使用方法がイマイチ分からないこともあると思います。
今回は、このような機能の使用方法や、それを駆使した奏法、更にバンド初心者の為のシンセサイザーの練習方法を分かりやすく解説していきます。
まずはシンセサイザーの各部名称から始めたいと思います。
シンセサイザー各部名称
シンセサイザーには大きく分けて以下のような、4つの基本的な機能が搭載されています。
- スイッチ
- ノブ
- コントローラー
- MIDIシーケンサー
スイッチやノブが沢山ついていて操作が難しそうに見えるシンセサイザーですが、このように分けてみると意外とシンプルなことが、お分りいただけると思います。
では、それぞれの機能の使い方を簡単に説明していきます。
スイッチ | プリセットサウンドの切り替えの他に、自分好みのサウンドを作ってスイッチに記憶させます。 |
ノブ |
サウンドメイクをする際に、イコライザーやエフェクトの掛かり具合を微調整する為に使用します。 |
コントローラー | 演奏中にヴィブラートやトレモロをリアルタイムで掛けたり、サウンドのフェードインやフェードアウトに使用されます。 |
MIDIシーケンサー | シンセサイザー本体に作曲したフレーズをプログラミングして、自動演奏させる機能です。 |
このような機能を操作して演奏やサウンドメイクやプログラミングを行います。
その方法は次のシンセサイザーの使い方で解説していきます。
シンセサイザーの使い方
シンセサイザーは各モデルにより使用方法は異なりますので、ここではどのシンセサイザーにも共通している使い方を解説していきます。
シンセサイザーの使用方法には以下のように作曲、演奏、サウンドメイクの3つあります。
作曲に使用
これはギタリストがギターを弾きながら作曲するように、シンセサイザーを鍵盤楽器として使用して作曲する使い方です。
最もよく行われるのは鍵盤でメロディーを作り、シンセサイザーに搭載されているプログラミング機能(MIDIシーケンサー)に各パートをプログラム(打ち込み)する作曲方法です。プログラムした内容をシンセサイザー本体で再生することも可能ですが、大体はプログラムしたデータをDAWソフトに録音します。
演奏に使用
シンセサイザーには鍵盤やスイッチの他にも、ホイール型またはレバー型のコントローラーが搭載されています。
写真の左側にある丸いホイール型のものがコントローラーです。
このコントローラーは音程を変化させたり、エフェクトをリアルタイムで掛ける機能です。
主にヴィブラートやベンド、フェードインやフェードアウトの機能をプリセットして、このコントローラーで掛けます。
例えばスーパーソウやブラスのサウンドを使用したソロプレイにヴィブラートやベンドを掛けると、まるでギターやサックスのようなニュアンスのプレイが可能になります。
そしてシンセサイザーの使い方で誰もが頭を悩ませるのが、サウンドメイクです。どんなに高価なシンセサイザーを使っていても、サウンドメイク次第では素晴らしいサウンドが台無しになります。
続いては意外と知らない人が多い、サウンドメイクのコツを紹介します。
サウンドメイクのコツ
サウンドメイクをする際の重要ポイントは、自分がどのような環境で音を聴いているのかを把握することです。
スピーカーの性質はもちろんのこと位置や向き、ヘッドホンを使用する場合は、どのような性質のヘッドホンを使用しているかを把握した上でサウンドメイクをします。
つまり使用するスピーカーやヘッドフォンの性質を基本にしてサウンドを作っていきます。
そうしないと例えば自宅で、いくら好みのサウンドが作れたとしても、スタジオやステージでスピーカーが変わった途端に全く異なるサウンドになってしまいます。
普段、自分がシンセサイザーの音を聴く環境を把握しつつ、最終的にどのような環境で鳴らすかを想定しサウンドメイクすることが非常に大切です。
そうすることでイコライザーやエフェクトの使い方も変わってきます。
ここでイコライザーとエフェクトの掛け方のコツを簡単に付け加えておきます。
イコライザーとエフェクトの使い方
イコライザーとエフェクトのノブをマイナス方向に動かすのがコツです。多くの方はプラス方向にノブを回すはずです。
つまりイコライザーとエフェクトは効果を追加するのではなく、余分な効果をカットする使い方をすると上手くサウンドメイクができます。
例えばイコライザーで高音をブーストしたいならば低音をカット、低音をブーストしたいなら高音をカットするようにします。
空間系エフェクトや歪みは深く掛ければ掛ける程に、音が細く輪郭も無くなりますので注意が必要です。
このように調整するのがプロの現場で行われる方法ですので、是非とも試してみて下さい。
次はキーボードの練習方法を解説します。
キーボード担当の練習方法
楽器は独学でも、練習を積み重ねることによって必ず上達します。
楽器は、ある程度の慣れは必要ですが上達のコツは考えながら演奏することです。
弾きたいフレーズを弾く際に、どうすればスムーズに弾けるかを考えながら弾くことで上達のスピードが格段に変わります。
例えば、少しばかり極端ではありますが、ドレミを親指→人差し指→中指の順に弾くのと、中指→薬指→小指で弾くのでは弾き心地が全く違いますよね?
このように、弾きたいフレーズに適した指使いを探すようにしてみて下さい。
クリックに合わせた練習も欠かさないようにしましょう。折角、上手く弾けてもリズム感が悪いと、全てが台無しになってしまいます。シンセサイザーにはクリックやドラムマシンも搭載されていますので、好きなビートに合わせてフレーズを練習すると良いでしょう。
そして、自分の演奏を録音して苦手な部分を直していく練習法はおすすめです。
録音用のDAWソフトが無くても、シンセサイザーに搭載されているMIDIシーケンサーにはリアルタイム入力機能があります。これは録音しているのと全く同じなので、この練習方法に活用できます。携帯電話のボイスレコーダーやムービーに録音するのも良いと思います。
自分の演奏を客観的に聴くことは上達への近道でもありますので是非、試してみて下さい。
まとめ
シンセサイザーには多彩な機能があり難しい楽器というイメージがあります。しかし、どのシンセサイザーも基本的な機能は説明してきた通りシンプルなものです。
この基本的な機能の使い方さえ理解できれば、あとは今回ご紹介したサウンドメイクのコツや演奏時の使用方法を参考にしていただくと、意外と簡単に使いこなせると思います。
サウンドに満足していない方はシンセサイザーを別なものに替えるのではなく、スピーカーやヘッドフォンなどを変更し、音を聴く環境を変えるのも1つの方法です。
こうすることでサウンドは激変しますので、好みのサウンドが鳴るスピーカーやヘッドフォンを探すと良いと思います。
練習方法に関しては基礎は大切ですが、それに捕らわれ過ぎず弾きやすいように弾くのが一番です。
楽器というものは、どのような弾き方をしても、結果しっかり弾けて良いサウンドが鳴れば良いので、自分にとって一番弾きやすい方法を見つけるようにして下さい。
今回の記事を是非、シンセサイザーを使用する際の参考にしてみて下さい。