ポケットに入れて持ち運べ、おもちゃのような見た目のハーモニカ。
カントリーやロックなど音楽のジャンルを選ばず活躍し、聴く人の心を揺さぶる音を出すハーモニカですが、19世紀初頭に発明された頃はオルガンの調律用として使用されていました。
日本に初めて輸入されたのは19世紀の終わりで、今ではジャンルに合わせて様々な種類のハーモニカが開発されています。
しかし、ジャンルに合わせて様々な種類があると述べましたが、沢山の種類があることによって何を選ぶべきかわからなくなる場合も多々あると思います。
今回はそんなハーモニカの種類の説明や、選び方などお役に立てるような情報を述べていきたいと思います。
ハーモニカの種類
ハーモニカは穴の中にそれぞれリードが組み込まれており、音を出す際は息の流れでそのリードが振動し音が鳴ります。
リードの使われている枚数によって大きく2つに分かれており、リードが1枚のものを単音ハーモニカ、上下にリードを持ち同じ音を2枚のリードで鳴らすものを複音ハーモニカと称します。
単音ハーモニカ
単音ハーモニカは最もシンプルな構造をしており、シングルハーモニカとも呼ばれます。
音の並び・吹き方は以下の画像の通りです。
※YAMAHA『楽器解体全書 ハーモニカ』より引用
複音ハーモニカ
複音ハーモニカは2枚のリードの周波数を少しだけ変えており、トレモロがかかった音が鳴ります。
このトレモロの数は高音へ移るにつれ多くなっています。
音の並び・吹き方は以下の画像の通りです。
※YAMAHA『楽器解体全書 ハーモニカ』より引用
この複音ハーモニカに分類されるハーモニカには半音階を奏でることができるクロマチックハーモニカと10の穴で3オクターブをカバーする10ホール(ズ)ハーモニカが存在します。
クロマチックハーモニカ
通常のハーモニカの場合、半音を鳴らすことができないため、演奏する曲の調性に合わせた楽器が必要になります。
このクロマチックハーモニカは1つの穴に上下2枚ずつ、合計で4枚のリードを組み込み、スライドレバーを用いて穴の位置を上下にずらすことで半音階の演奏を可能にしたハーモニカとなります。
音の並び・吹き方は以下の画像の通りです。
※YAMAHA『楽器解体全書 ハーモニカ』より引用
10ホール(ズ)ハーモニカ
ブルースハープとも呼ばれるハーモニカですが、この名称はドイツのホーナー社の製品名となっています。
1オクターブ目が曲の中で多く用いられる1度と5度のコードが吹けるような配置になっています。
また、1オクターブ目にはFとAが存在しませんが、ベンド奏法と呼ばれる特殊奏法を用いることで演奏を可能としています。
音の並び・吹き方は以下の通りです。
※鈴木楽器製作所『10ホールハーモニカ Q&A』より引用
以上が単音ハーモニカ・複音ハーモニカ・クロマチックハーモニカ・10ホール(ズ)ハーモニカ4種類の解説となります。
クロマチックハーモニカ以外は演奏する調性に合わせて楽器を用意しなければなりませんが、クロマチックハーモニカは半音演奏にレバーの操作が加わるため、どちらを選ぶかが悩ましい問題になっているのだと思います。
次はそんなハーモニカの選び方を考えていきましょう。
ハーモニカの選び方
ハーモニカには4種類存在することは先ほど述べましたが、どのように選べばよいのでしょうか。
調性での選び方
最後のほうに、単音・複音・10ホール(ズ)ハーモニカは1つの調性しか演奏することができず、演奏する調性によって複数の楽器を用意する必要がある、と述べました。
これは、クロマチックハーモニカは半音の演奏が可能なので1本で事足りるが、そのほかのハーモニカは複数を所持していることが演奏の前提になるということです。
そのため、単音・複音・10ホール(ズ)ハーモニカは基本となるC調を抑え、演奏する調性に応じて必要なハーモニカを揃えていくのがよいと思われます。
クロマチックハーモニカはレバーの操作が必要になり、演奏は複雑になりますが、1本ですべての曲を演奏できますので、複数本用意するのか、お気に入りの1本を見つけるのかは自由と考えられるでしょう。
用途での選び方
楽器の派生は用途によって起こるとも考えられますので、ここで各ハーモニカの得意とするジャンルや対象を見てみましょう。
単音ハーモニカ
1つの穴に1つの音と大変わかりやすい構造をしているため、主に幼児・児童向けのハーモニカとなっています。
製品によっては吹く・吸うと音名がわかるようになっているモデルも存在します。
複音ハーモニカ
複音ハーモニカはトレモロを利用した独奏のスタイルで多く用いられています。
また、複音ハーモニカ独自の特殊奏法をマスターし取り入れていくことで様々な表現が可能となっているので、歌謡曲や唱歌・演歌などメロディラインが美しい曲に用いると効果的です。
クロマチックハーモニカ
透き通った音色のクロマチックハーモニカは、レバー操作を用いることで可能となった半音の演奏が特徴、というのはここまでで何回も説明しましたのでご理解頂けてると思います。
この半音を持ち替えなしで演奏することができるメリットを活かし、ジャズやクラッシック、ポップスなど調性が複雑であったり、転調が多く用いられているジャンルで多く用いられています。
10ホール(ズ)ハーモニカ
10ホール(ズ)ハーモニカは最もポピュラーなハーモニカとも言われており、発明から現在までの歴史の中で、様々なジャンルで用いられてきました。
ブルースやロック・フォーク、カントリーなどそのジャンルは様々で、バンドに所属したり、ギターデュオなどを組んだりする場合におすすめです。
曲の調性・用いるジャンルでの選び方をご説明しましたがいかがでしたでしょうか。
明確なジャンルが決まっているのであればそれに適したハーモニカを、小さいお子様に向けたプレゼントなら単音ハーモニカを、知人友人や伴侶へのプレゼントなら10ホール(ズ)ハーモニカのそれぞれCのものを選ぶと初めて触る場合でも安心できますので参考にしていただければと思います。
次は4種類それぞれおすすめのハーモニカをご紹介します。
初心者が演奏するのにおすすめの楽器
ハーモニカの特徴や得意とするジャンルを読んで頂いたところで、各ハーモニカのおすすめ楽器を紹介していきます。
単音ハーモニカ
幼児・児童の教育用として用いられているハーモニカですので、わかりやすく親しみやすい、便利なハーモニカが求められます。
SUZUKI S-15Cは15音を奏でることができるハーモニカで、音の並びも音階そのままとなっています。
各穴でどの音が鳴るのか、吹く・吸うの区別まで表示されていますので、教育用としてはばっちりです。
また、ケースとひもが付属するのも便利な点と言えるでしょう。
複音ハーモニカ
TOMBO No.3121は21音、TOMBO No.3124は24音のハーモニカで、複音ハーモニカとしては初心者の方から上級者の方まで広くおすすめできる製品となっています。
各調性ごとの主音の位置に印がついているため、わかりやすく使いやすい設計になっているのもポイントです。
クロマチックハーモニカ
クロマチックハーモニカではSUZUKI SCX-48とTOMBO No.1238Sの2つをお勧めさせていただきます。
どちらともスライド式の12穴48音のハーモニカとなっており、値段としてはSCX-48の方が5,000円ほど高い場合が多くみられます。
10ホール(ズ)ハーモニカ
SUZUKI M-20 MANJIとその姉妹モデルであるC-20 OLIVEがおすすめとなります。
M-20はブルース、C-20はポップスやジャズなどを得意としており、C-20はグリーンのカラーが優しい印象を与えてくれます。
以上が各ハーモニカのおすすめとなります。
YAMAHAは現在ハーモニカの製造を行っていないため、鈴木楽器製作所・トンボ楽器製作所の製品からピックアップしました。
この2つのメーカーは日本を拠点としているメーカーでショールームもありますので、紹介した以外の製品もご覧になりたい方はぜひ足をお運びください。
まとめ
ハーモニカの種類や選び方をご覧いただきましたが、いかがでしたか?
鍵盤ハーモニカが学校教育の場で多く用いられているため、幼少のころから親しんでいた方は懐かしく、そうでない方は新鮮に感じて頂けたのではないかと思います。
各ハーモニカごとに得意としているジャンルは違うものとなっておりますので、ジャンルにあったハーモニカの中からお気に入りの1本を選んで、ぜひ演奏やセッションを楽しんでください!