ウクレレはハワイアンなサウンドが心地良い、ギターによく似た4本弦のコンパクトな楽器です。
ウクレレには弦が少なくコンパクトだからこその難しさがあります。「コードが上手く押さえられない。」 「しっかりとコードを押さえているはずなのに、音が上手く鳴らない。」という悩みはウクレレを弾く人なら誰もが一度は通る道ではないでしょうか?
しかし、楽器の構え方やコードの押さえる手首や指のフォームを僅かに変えるだけで格段に弾き易くなります。
今回はウクレレのコードの押さえ方や、トレモロの弾き方について分かりやすく解説していきます。
ウクレレのコードの押さえ方基本
コードを上手く押さえられない、または押さえにくい場合の原因の多くが、楽器の構え方と左手首のフォームにあります。
ネックを真横に構えるのと、ネックを斜め上に向けて構えるのでは弾き心地が大きく変わります。ネックを斜め上に向けて構えた方がコードが押さえ易くなりますので、コードが押さえにくい場合はネックを斜め上に構えてみて下さい。
コードにはノーマルのコードとバレーコード(複数の弦を人差し指1本で押さえるコード)の2種類があります。多くの人はバレーコードを押さえる際に、コードが押さえにくいという問題に直面すると思います。
全ての楽器に言えることですが、楽器を演奏するには、ある程度の慣れが必要です。しかし、極端に押さえにくいフォームですと、いくら練習しても上達しません。常にフォームを意識しながら練習することが大切です。
ではコードの基本的な押さえ方とコツを解説していきます。
左手首のフォーム
左手首が極端に前に突き出してしまっていると、人間の手の構造的にバレーコードを押さえるのが非常に難しくなります。手首を前に突き出さないように意識することで弾き心地が変わります。
左手親指の位置
左手親指をネックの裏に添えるフォームと、ネックの上に置く2つのフォームを意識して使い分けると格段に弾き易くなります。バレーコードの場合は親指をネックの裏に、ノーマルのコードの場合はネックの上に置くというフォームが基本です。
意外と知られていないフォーム
あまり知られていない押さえ方で、左手親指をネックから完全に離してしまうフォームもあります。こうすることで手首がフリーになり、驚くほどスムーズなフィンガリングが可能になります。ネックを握らない分、木の響きが失われないので音の響きも向上します。
以上のように左手首と親指のポジションを意識するだけで、格段に弾き易くなるので、是非とも参考にしてみて下さいね。
次は音が出ない時の原因と対策について解説していきます。
音が出ない時の原因と対策
ウクレレは小さな楽器なので、指を寝せてコードを押さえると寝せた指が他の弦に触れてしまい、綺麗に音を鳴らすことができません。これを指先で押さえることによって、他の弦に指が触れるのを防止し、綺麗に音を鳴らすことができます。
そしてフレットの付いた弦楽器は、フレットの上を押さえるのが基本です。フレットとフレットの間の指板を押さえてしまうと綺麗に音が鳴りません。しっかり押さえているのに、音が割れてしまう原因がこれです。
実際にフレットの上とポジションマークの真上を押さえて、音の響きの違いを確認すると、よく分かると思いますので試してみて下さい。ポジションマークの真上を押さえると、音がビビって綺麗に鳴らないはずです。
フレットの上を押さえると綺麗に音が鳴る上に、無駄な力を使わずに楽に弦を押さえることができます。これによりスムーズなコードチェンジやフィンガリングが可能になります。
押さえた弦をしっかりとピッキングできていないのも、音が上手く鳴らない原因です。押さえた全ての弦を弾くことを常に意識しながら練習するようにしましょう。
続いてはコードチェンジの方法について解説していきます。
コードチェンジの方法
スムーズなコードチェンジをする為には、これまで解説してきた基本的なフォームで演奏することと、頭を使って考えながら弾くことが大切です。
どのような動きでコードチェンジをすれば、無駄のない最小限の動きでポジション移動できるかを考えながら、自分にとって最もやり易い方法を見つけてみて下さい。
例えばコードチェンジをする度に全ての指を弦から離してしまうのと、必要な指だけ動かして次のコードを押さえるのでは、後者の方が圧倒的にスムーズなコードチェンジができます。
「次のコードに移る場合、どの指をどのように動かせばスムーズか?」を考えながら弾いてみましょう。この考えながら弾くということが楽器を演奏する上で、とても重要なことです。確かに楽器は何度も練習して慣れることも大切ですが、どうすれば楽に弾けるかを考えながら練習すると驚くほど速く上達します。
それから遠いポジションへのコードチェンジの際はコードとコードの間に、必ず一瞬だけ間ができます。その間を歌をうたう時の呼吸に見立ててポジション移動をすると、グルーヴ感が溢れるコードチェンジをすることができます。これは間という無音を活用したコードチェンジというアプローチです。これは練習して慣れるものではなく、意識するものなので是非とも試してみて下さい。
続いてはトレモロ奏法について解説していきます。
トレモロのやり方
トレモロ奏法は一つの音を16分音符、3連符、6連符で小刻みに刻むピッキングです。
基本的なフォームは右手の人差し指を使い、ダウン→アップ→ダウン→アップを交互に繰り返しながら弦を弾きます。この時に人差し指を弦に対して直角気味に当てるのがポイントです。
手首のスナップは手首を上下に振るイメージよりも、手を洗った後の手に付いた水を切るようなイメージで振ると良いです。この時に手首、肘、肩の力を抜くようにしましょう。力を抜くと音の強弱にムラが無く、綺麗で抜けの良いサウンドを鳴らすことができます。
力を抜くということはウクレレに限らず、弦楽器を演奏する時に非常に大切なことです。練習中、体のどこかに無駄な力が入っていないか常に意識するようにしましょう。
そしてトレモロ奏法は各拍の頭にアクセントをつけると弾き易くなります。また、そうすることでグルーヴ感も出るようになるので、アクセントをつけながら練習することをおすすめします。
まとめ
ウクレレの弾き方の重要な5つのポイントは以下の通りです。
- ウクレレの構え方
- 左手首のフォーム
- 左手親指の位置
- トレモロの際の人差し指の角度
- 体の無駄な力を抜く
これらのポイントはウクレレに限らず全ての弦楽器に共通することでもあります。
個人的におすすめしたいのは深い呼吸を意識しながら弾くことです。呼吸が浅かったり、呼吸を止めた状態ですと、人間の体は硬くなりスムーズな動きができなくなります。深い呼吸をすることで体はリラックスし、その結果スムーズな演奏ができるようになります。
そして、試行錯誤しながら自分が弾き易い方法を見つけることも心掛けてみて下さいね。これも楽器を弾く上での楽しみの一つだと思います。
基本のフォームは大切ですが、それよりも大切なことは自分自身が弾き易く、好みの音を鳴らせる弾き方です。仮にそれが基本のフォームとはまるで違ったフォームだったとしても、弾き易く好みの音が鳴るのなら、それが自分のスタイルということになります。
今回の記事を是非とも参考にして、ウクレレを楽しんで下さいね。