音楽用語の中には、piu(もっと、更に)など他の音楽用語と組み合わせて使うものがありますよね。
こうした用語を理解することで、演奏できる音楽の幅がグッと広がります!
今回はそのような音楽用語の1つ、「doppio(ドッピオ)」の意味や奏法、練習方法について見ていきましょう。
まずは、doppio(ドッピオ)の意味について見ていきましょう!
【音楽用語】doppio(ドッピオ)の意味
さて、まずはdoppio(ドッピオ)の意味について見ていきましょう!
doppio(ドッピオ)とは、イタリア語の言葉の1つです。
「2倍の」「二重の」という意味を持っています。
先ほどお伝えしたように、doppio(ドッピオ)は他の用語と組み合わせて使う単語です。
つまり、doppio(ドッピオ)は他の単語の意味を「2倍に」「二重に」する効果を持っているということですね。
さて次は、具体的にどのような単語と組み合わせて使うのか、見ていきましょう!
doppio を使う他の用語の意味
さて、doppioはどういった音楽用語と組み合わせて使うのでしょうか。
今回は、よく使われる「doppio movimento」と「doppio piu lento」について紹介しますね。
doppio movimento
まずは、doppio movimentoについて説明します。
doppio movimentoは直訳すると「2倍の動き」という意味です。
この言葉は、曲の「速さ」を2倍にしたいときに使われます。
ん?どういうこと?
と思われた方、いらっしゃるのではないでしょうか。
詳しく見ていきましょう!
doppio movimentoは、それが書かれた所から「2倍速く」演奏します。
1つ例を出して説明しますね。
♩=60の早さで曲を演奏していたとします。
その状態で「doppio movimento」と書かれたら、そのまま2倍「速く」します。
つまり、♩=120で演奏を続けるということです。
ショパンの〈ボロネーズ op.44〉中間部などで使われていますので、興味がある方はぜひ聞いてみてください!
doppio piu lento
さて、次はdoppio piu lentoについて見ていきましょう。
こちらの音楽用語は、先ほどとは正反対の意味を持っています。
ずばり、「2倍の遅さで」という意味です。
先ほどの♩=60を例にしますね。
♩=60で演奏しているときに「doppio piu lento」と書かれたら、そこから♩=30で演奏をするということです。
今回紹介した2つの用語は、doppioを含む用語の中でもよく使うものですので、ぜひ覚えておきましょう。
さて、doppioを使う音楽用語について見ていったところで、このdoppioはどのように演奏したら良いか、見ていきましょう!
doppioの奏法と練習方法
ここまで、doppioやdoppioを使う音楽用語の意味について説明していきました。
そんなdoppioはどのように演奏したら良いのでしょうか。奏法と練習方法について見ていきましょう!
doppioの奏法
まずはdoppioの奏法についてです。
doppioは単体で使われることがありませんので、まずはその音楽用語全体の意味を調べる必要があります。
doppioはイタリア語ですので、doppioを含む音楽用語はイタリア語で書かれています。
イタリア語の辞書などで意味を調べましょう。
意味を調べたら、次はそれを「どう表現するか」ですね。
次の項目で、doppioを表現するためにどう練習したら良いか見ていきますが、その前に1つ説明します。
最初に確認したように、doppioには「2倍に」「二倍に」という意味を持っています。
ここで重要なのが、
doppioは音楽用語にしては珍しく「指定がはっきりしている」ということです。
思い出してみてください。
例えばcrescendo。
だんだん大きくという意味を持っていますが、
「どのくらい、どのようなペースで」大きくするか、指定されていませんよね。
曲想や前後の状況によって変わってきてしまいます。
対してdoppioはどうでしょう。
どのような言葉の前後についても、「2倍に」「二重に」したら良いのです。
曲想や前後の状況がどうであれ、です。
かなり限定的ですよね。
練習する際は、この限定的な要素を利用します。
doppioの練習方法
先ほど説明したように、doppioはどのような状況であれ、「2倍に」「二重に」する必要があります。
そこで、練習方法としては「数値化」することをおススメします。
doppio movimentoを例に見ていきましょう。
まずは「数値化」ですね。
♩=60の曲を演奏していて「doppio movimento」が出てきたら、すぐ♩=120と記入します。
そして、メトロノームを用いて練習を進めます。
メトロノームに慣れてきたら、「2倍の速さにすることでどういった効果が出るか」意識して練習します。
2倍にすることで明るくなるのか、焦った感じになるのか、怒った感じになるのか…。
こちらは曲想によって様々です。
つまり、doppioの練習方法としては
「具体的に数値化し練習した上で、曲想を意識した練習をする」
ことが大切です。
それでは最後に今回のまとめをしていきます!
まとめ
さて、今回はdoppio(ドッピオ)について見ていきました。
doppioには「2倍に」「二重に」という意味がありましたね。
具体的には「doppio movimento」「doppio piu lento」などの音楽用語で使われていました。
そしてdoppioを演奏する際には
doppioを含む音楽用語の意味を正確に調べた上で、
具体的に数値化した練習と曲想を意識した練習をすることが大切でした。
途中でもお話ししましたが、doppioは音楽用語には珍しく指定がはっきりしています。
覚えてしまえばスムーズに表現に持っていくことのできる音楽用語の1つですので、ぜひこれを機に覚えてみてください!
それでは、最後まで見ていただきありがとうございました!